第10話 モデルとなった魔法少女たち
「100周年続いた魔法少女シリーズだけど、大体その作品一つにつき2~5人くらいの魔法少女が登場するわ」
「はあ、それで?」
「計算してみなさい?2~5人×100年は?」
「200~500人って言いたいんだろ?そんなのはどうでもいいよ。アニメの話だろそれは。俺が知りたいのは現実の話で、ピーチみたいな魔法少女が何人くらいいるのかっていう話なんだが......」
「魔法少女シリーズはアニメだけの話じゃないわ」
「は?どういうことだよ.....」
「魔法少女シリーズに登場する女の子は全員、実際にそのモデルになった魔法少女が存在するの」
「な!?なんだそりゃぁ!!!」
「たとえば私は3年前に放送された『魔法少女ミラクルウィッチ』に登場するキャラクターのモデルよ。嘘だと思うならググってみなさい?」
手元にあるスマホで恐る恐る調べた。
どうか嘘であってくれと心の中で思っていた。
が、その画像が出てきてしまった。
そのキャラクターはアニメ画像ではあるものの目の前の少女の特徴をしっかりとらえており、モデルになったと言われても納得できる。
普通に似ているのだ。
衣装に関していえばもう全く同じ、しかもキャラクターの設定までしっかりと書かれてあって、全部読むと長いから読まないが、大きな見出しで治癒の魔法少女って書いてある。
俺の身に起きた非現実的な数々と照らし合わせて考えてこれはもう、信じるしかないのか.........
彼女の言っていること全部。
「ちなみに明人君が町で襲われたときの魔法少女は『魔法少女クリスタルプリズマー』今から12年前に放送されたアニメよ」
「............」
「で、ここからが本題なんだけど^^」
「断る!!!」
「え?どうしたの??急に.....」
「全部分かった。つまりはその300人前後の魔法少女と俺が戦えというのだろう?」
「察しが良いわね。結果的にはそういうことよ」
「無理に決まっているだろ!!町であった奴に全く歯が立たなかった俺がそんな大勢の、しかも人間離れした魔法少女を相手にするなんて!!」
「いや、そのために私が....」
「無理無理無理無理、、、絶対無理!!!」
「だから、最後まで話を聞いて......」
「とにかく他を当たってくれ!!俺をこれ以上厄介ごとに巻き込むな!!もういいだろ!!無理なんだ!!俺はおうち帰る!!帰らせてくれ!!」
「..........そう.....」
俺ははっきりと少女の提案を拒絶した。
それを聞いてピーチは凄く残念そうな顔をした。
その表情に俺の良心がぐらついたのを感じる。
だが仕方がないのだ。
魔法少女は人間の領域を超えた力を有している。
所詮は人間レベルでぶいぶい言わしていた俺程度の力でどうにもならないことは身をもって体験した自分自身が一番よく分かっているのだ。
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