第6話 逆転の雪崩式パワーボム!!

俺は二人のうち黄色い女の方へ走っていく。


二人はそんな俺を見ながら構えようともせず、ただ笑って見ているだけだった。



どこまでも舐め腐りおって!!!



少女の太ももに低空のタックルを仕掛ける。



「きゃあ!ちょっと、何よ!」



うるせえ!!なんとでも言え!!


俺はそのまま上空へ少女を持ち上げた。



やはり軽い!!


予想通り、いくら超人じみた身体能力をしているとはいえ、体重はそこらの女の子と同じだ。


こうやって持ち上げてしまえば自慢の怪力は使えねえ!!



少女の足を掴んで持ち上げたまま銀行のフロントにあるカウンターへ飛び乗り、さらに大きくジャンプした。



「油断しやがったなバカめ!!このまま後頭部を床に叩きつけてやるよ!!」



パワーボムの態勢に捉え、脳天を床に向けて振り下ろす。



「はあ...何をするかと思って無抵抗でいたけど、こんなしょうもない技のためにに必死ね。期待しちゃったじゃない.....」



掴んでいる両足に信じられないほどの負荷がかかる。


そのパワーに耐えきれず、思わずその手を離してしまった。



パワーボムを逃れた少女は華麗に空中で宙返りをし、着地する。


一方バランスを崩した俺は無様に床へうつぶせになるように落ちていった。



「くっ....一体何なんだお前ら........こんなのありえねえだろ!!」



あまりの出来事に現実を直視できなかった。


こいつら人間じゃねえ....



「何って....私たちは魔法少女プリズマー。


『七色の光が集うとき全てを照らす一つの道を開く扉となる!!

プリズマティック・スター!!』


って知らない?」



「知るかそんなもん!お前らの趣味なんざ聞いてねえんだよ!!」



「......せっかく聞いてきたから教えてあげたのに....まあいいわ」




―――ドスッ



「ぐはっ.....」



背中に鈍痛が走る。


全身が痺れてきて視界がぼやけ始める。



「アナタはとっても不幸な少年。でも安心して。私の鈴鳴りが少年の魂を浄化して天へと導いてあげるわ。そう、あの夕焼けに染まる虹の架け橋のように!!」



右手を赤い血で染めながら黄色い少女はうっとりと自分に酔ったようにそういうのだった。



「..............ま....えら....」



「あら?最後の遺言かしら?私は優しいので最後まで聞いてあげます」



「はあ....はあ.....お..前ら.......顔覚えたからな.....いつか俺が....ぶ...ころして.....」



「なんだ....聞いて損しちゃった(笑)」




這いつくばる俺をあざ笑うかのように二人が俺を背にして去っていく......


体が冷たくなるのを感じた....




そうか、俺、今から死ぬのか......


まあ、悲しむ奴なんていないんだけどな.....


でも.....死ぬ前にアイツにリベンジしたかったんだけどなあ..........




そこで俺の記憶は途切れた。

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