【第一章】 魔法少女討伐計画
第3話 ライダーのヘッド
俺の名前は”花見 明人”
ごく普通の不良の高校1年生だ。
校内で最強の不良グループである”ライダー”のヘッドを務めていた。
俺の思想はただ一つ。
校内で頂点の強さを手に入れることだ。
野球部、バスケ部、柔道部、空手部、ボクシング部、ラグビー部、パワーリフティング部........
強そうな男を見つけては喧嘩を吹っ掛け、そして勝利し、その部活動を傘下に入れて好き放題していた。
そんな俺は校内の嫌われ者で、全校生徒の男子は俺の支配から逃れるために俺に勝負を挑んできたやつが何人もいた。
結果は、俺の全勝。
入学してはや3カ月。
もはや喧嘩で俺に勝てる人間は校内にはいなくなっていて、この学校を支配する日も近いと思っていた。
そう思っていたのが今から1カ月くらい前の話だ。
俺は負けた。
喧嘩で初めて負けてんだ。
一人の少女に。
それもまあ、全く歯が立たなかった。
その子は”白神 希来里”
後で聞いた話だと、この高校の風紀委員をやっているらしい。
入学早々俺の不品行を聞きつけ、取り締まりに来たのだろう。
俺はそんな彼女にタイマンを持ち掛けられた。
もし俺が負ければグループは解散。
傘下に入れた生徒も全て開放するという条件だった。
俺が勝てば卒業までどんな悪事を働こうが学校側は一切口をはさまないという条件で。
女に負けるはずがないと自信があった俺はもちろんその条件をのんだ。
で、結果ボコボコにされた。
生まれて初めての屈辱。
しかもその相手がこんな喧嘩もしたこともなさそうな細身の女の子だなんて....
敗北が決定した瞬間俺は全てがどうでもよくなった.......
条件通りグループは解散し、俺は高校を去った。
そして1カ月ほど山に籠り、一から自分を鍛えなおした。
全てはあの女にリベンジするために!!
俺の中で校内統一とかはもはやどうでもよくなっていた。
あの女を倒す!
ボコボコにやり返して見下してやる!
先日俺にそうしたみたいにな!!
そんな俺は山を下り、久しぶりに町へ帰ってきたところだった。
(............)
ボロボロの服と全身に擦り傷がある男が商店街を通る。
明らかに変質者だ。
だがそれ以上に不自然なことがあるのを俺は感じていた。
さっきから、人が一人もいないのだ。
夕方の一番人通りが多そうな通りなのに.......
それどころか車が1台も走っていない。
まるでこの町から人間が一人もいなくなったかのようだ......
――――ガッシャン......
ガラスが割れる音がする。
なんだ、気のせいか。人がいるじゃないか.....
その音の存在が気になり、俺はその方向へ足を進めた。
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