第10章26話 Heretical Carnival 3. 迫る危機
* * * * *
皆との遠隔通話を終え、私も行動を開始する。
とはいっても、正直やれることはあんまりないかな……。
寒さを感じないのはありがたいけど、猛吹雪でとにかく視界が悪い。足場だって分厚い雪に埋もれているので移動するのも一苦労だ……特に私の体格だと、ずぼっと雪に嵌ってそのまま生き埋めになりかねない。
それでもまぁ体力が減るわけじゃないから安全と言えば安全だが……皆がこの氷の世界に来れたとして、見つけられなくなっちゃったら意味がないしね。
”……とりあえず移動するしかないかぁ……”
どこか吹雪を凌げる場所がないか、それか運よく脱出するための『出口』を見つけることができないか――これは期待薄だけど……――ともかく今いる場所から動かなければならない。
隠れるにしても何もない場所ってのは、不安だしね……。
『死ぬことはない』というのは心の余裕につながるなぁ……リアルでこんな目にあったら、真面目に死を覚悟する状況だと思う。
……雪山で遭難した時、あてどなくうろつくのはかなり危険なことって聞いた覚えはあるが、『死なない』保証があるのだからとにかく歩くしかない。
とにかくあてどなく動きつつ、私は先ほどからの頭の中に引っ掛かっている『違和感』について考える。
ガイア外部でアリスと共に戦い、私だけがガイアに呑み込まれた……これはいい。私も覚えている。
けれど、その後からこの場所に来るまでの間に不自然な『間』が開いている。
しかもその『間』に私はアリスのリスポーンを行っているはずなのだ。
……その記憶が飛んでいる、としか言いようがない。
ちょっと気持ち悪いな……たとえとして適切かは微妙だけど、お酒飲み過ぎた翌朝に記憶がなくなった時と同じだ。こう言うと深刻度はかなり薄れちゃうけど……。
とはいえ、お酒で記憶が飛ぶメカニズムのことを思えば、意外と状況は似ている……のかもしれない。
『覚えていない』のではなく、アルコールの働きによって『記憶する』ことが阻害されることが原因と聞いたことある。つまり、『覚えていない』のではなく『そもそも記憶していない』のである。
このパターンならば、『誰かに記憶を消された』というよりは気色悪さは薄れるかな。
……いや、まぁ実際にどうなのかはわからないけど……。
この不自然な『間』――ここに何か重要なものがあったんじゃないかって気がしてならない。
それが違和感の根源なんじゃないだろうか。
わからないものは一旦放置、がいつもの私のスタンスではあるけど、今回放っておきたくないのはそういう理由なんだと思う。
失われた記憶の中に重要なことが紛れている、それを覚えていなくても……何というか『魂』のようなものが覚えている、という感じだろうか。ともかく無視してはならないっていう気がするのだ。
――『神々の古戦場』
”…………神々の古戦場……?”
ふと、そんな言葉が脳裏に浮かぶ。
意味は全くわからないし想像もつかないが――唐突に浮かんだそのワードが頭に染みわたる。
……目指すべき場所は『そこ』だ。
何の根拠もないというのに不思議と私はそう思ってしまっていた。
いや、マジで気持ち悪いんだけど、空白の『間』で何かがありだから私はそれを信じようという気になっている……んだと思う。多分……。
ともかく、『神々の古戦場』がキーワードだ。
信じる信じないはともかくとして、ガイアの内部に入ったにしてもどこを目指すか皆目見当もつかない状況だ。唐突ではあるが意味深なキーワードに飛びつきたい気分だ。
……罠かどうかもわからない。罠にしても、キーワードを残しつつその周辺の記憶を消す意味があるとは思えないし……うーん……。
”……!?”
と、吹雪の中を歩きつつ考え事をしていた時、私は『異物』の存在に気付いた。
雪の向こうに『何か』がいる……!
周囲を見回しても身を隠せる場所がない。
かといってこのままでいるのがいいわけはない。仕方なしに足元の雪を掘って隠れようとする……。
……って、なんだあれ……!?
ずん、ずん、と微かな地響きが段々と近づいてきている。
……さっきの皆との連絡ではモンスターの存在については特に言及されていなかった――クロエラだけはちょっと曖昧だったけど――からちょっと油断していた。
他チームのユニット以外にも当然警戒すべきことがあった。
ガイアの内部に、外にいたようなモンスター……というかガイアの分体がいないなんてこと、あるはずなかったのだ。
”…………ヤバいな……”
思わず小さく声に出てしまった。
吹雪の向こうにうっすらと見えるのは、人間の数倍はあろうかという大きな影だった。
しかも人型――『ゲーム』の中では基本的に出てこない『人型モンスター』である……とは言っても、やはりというべきか二足歩行はしているがどちらかというと『直立したゴリラ』とかの方が近い。アストラエアの世界の住人のような『話の通じる知的生命体』ではなさそうだ。
……もっとも、ガイアの中の世界でユニット以外で会話できる存在がいるのかって疑問はあるけど。
ともあれ、結論としてはまず間違いなく『敵』であろうということだ。見つかることで得することなんて何一つとしてないと思っていいだろう。
地響きは段々と近づいてきている上に、微妙にタイミングがズレている――ということは、この暫定雪の巨人は複数体いることになるか。
こっちへと近づいているのは、私を捉えているからなのかそれともただの偶然なのか……。
隠れてから少しして、暫定雪巨人の姿がはっきりと見えるくらいになった。
……何というか、『雪男』というイメージそのままの姿と言える。
ただし、両腕は白い体毛に覆われておらずごつごつとした硬そうな皮膚が手甲のように覆っているのがイメージと違うかな……それと、顔も猿とかのものではなく、どこかトカゲを思わせる――いや『ドラゴン』を思わせるものとなっている。
念のためモンスター図鑑を確認するものの、やはりというべきか記載はされていなかった。
となると……外で戦ったガイアの分体たちと同じだろう。そして、風雷龍とかと同じく、この雪男もきっと『吹雪の神獣』とかなんじゃないだろうか。
本格的にヤバい。
大きさはバラバラだけど、一番小さい奴ですら私をひねり潰すのは容易な大きさなのには違いない。
それらが私から見えるだけで計3体――足音を聞く限り、まだ遠くだろうけど他にも何体かいるっぽい。
――見つからずに通り過ぎていってくれ……!
そんな私の祈りは、無慈悲にも却下されてしまった。
――ぼぉぉぉぉぉ!
”うわぁっ!?”
船の汽笛のような鳴き声を上げた雪男が、私のいる地点へと向かって大きくジャンプして飛び掛かってきた!
ダメか、完全に私のことをロックオンしている!
もはや『偶然』私のいる位置へとジャンプしてきたとは思わない。
私を狙っていると考えて行動しないと命が危ないと即判断。
隠れていた場所から雪に足をとられながらも必死に走って逃げようとする。
が、潰されることはなかったものの着地の衝撃で周囲の雪ごと私も吹き飛ばされてしまう。
……これ自体にダメージはない。そしてうまい具合に吹き飛ばされたことで距離が取れた。
”ああ、もう!”
だけどそれだけで安心など到底できない。
雪男たちは吹っ飛ばされた私をはっきりと認識し、迫ってこようとしている。
拙い……拙い拙い拙い!?
逃げるしか選択肢はないが、正直この雪ではうまく動くことは出来ない。無限のスタミナがあったとしても、足場が悪ければそもそも移動は難しい。
雪男たちの動きは鈍いものの、私が必死に走って逃げた距離を数歩歩くだけで詰めてしまう巨体だ。しかもそれが複数……おまけに、遠距離攻撃がないとも限らない。
『”…………”』
遠隔通話をしようとし、でも私はそれを止めた。
皆がそれぞれ急いでいるのはわかっている。ここで私の危機を伝えたところで、焦らせるだけで何の意味もない――そう思ってしまったのだ。
……何か結果が変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
何が正解かなんて私にだってわからない。
だったら、私がやるべきことは一つ。
皆を信じて、私は自分の力だけでこの場を凌ぐしかない。
大丈夫、逃げられないスピードじゃない。
『ゲーム』の最後の戦いにようやく辿り着けたのだ、絶対に諦めるものか!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
一方、ただ一人ガイアの『外』に取り残されたアリスは、間断なく襲い掛かってくるガイアの分体――
巨体と数を武器としただけの相手とも言えるが、その『巨体』と『数』こそが脅威であるのも事実。
リスポーンしてからというもの、アリスはこの巨神たちの包囲網から抜けられずにいた。
「クソっ……こんなところでグズグズしている暇はないってのに……!」
焦る気持ちを抑えようとしても抑えきれない。
ガイア内部の状況は全くわからないが、ラビが一人でいる可能性はかなり高いとアリスは予想している。
仮に内部に入った時点で皆同じ場所に飛ばされるというのであったとしても、先行したヴィヴィアンたちよりも大分時間が経ってしまっているのだ。ヴィヴィアンたちがいつまでも一か所に留まって合流を待つような主体性のない動きをするとは到底思えない。
だからこそ、ラビが誰とも合流できず一人でいる可能性が高いと思うのだ。
唯一、ラビを追って内部へと向かったケイオス・ロアが合流できるかもしれないとは思うが――
――ロアに全面的に頼り続けるわけにもいかないしな……。
ケイオス・ロアのことは信用も信頼もしているし、一時は彼女にラビを託そうとしたのも事実。
だが、だからと言って任せることを良しとはしない。
彼女に頼るのはあくまで緊急避難として、である。
アリスが言わずともケイオス・ロアもラビを保護してくれることは期待できる。
かといってそれがいつまで続くかはわからない――ラビのことを庇ってケイオス・ロア、そしてミトラが追い込まれるようなことはあってはならない、とアリスは考える。
助け合いは美徳だが、それが原因で彼女たちの『ゲーム』の妨げになって欲しくはないのだ。
――……クソっ、これじゃ
アリスが思い出すのは、ホーリー・ベルと共に臨んだ最後の戦いだった。
あの時もアリスが先にやられ、ラビをホーリー・ベルに任せることとなり――結果としてホーリー・ベルはリスポーンまでの時間を稼ぐために全ての力を使い果たしてしまっていた。
ゲームオーバーになってしまったのはアリスの責任ではなく、中途半端に離脱しようとしたジュジュの責任が大きいものの、アリスがやられなければジュジュも無理に離脱しようとしなかったのではないか――そう考えればアリスに責任があるのではないか、とアリスは内心で思いを燻ぶらせていた。
それと同じことが起ころうとしているのではないか、それが更にアリスの焦りに拍車をかける。
「……どうしてもオレを内部に行かせないつもりか、こいつら……」
とにかく場所が最悪だ。
ティターンたちはガイアの分体である。目に見えている巨体をいくら倒しても次々とガイア本体から現れてくるし、振り切ろうとしても瞬間移動もかくやという速さでやはりガイア本体を伝って移動してきてしまうのだ。
だからアリスは包囲網を突破することができず、前にも後にも勧めないままでいる。
ティターンたちが『アリスを内部へと進ませない』という意思を持っているかは定かではない。
が、事実としてラビたちを呑み込んだように『蛇』を出すことをせずにティターンたちによる攻撃を繰り返していることから、内部へと行きたくても行けない状況であることに違いはない。
ガイアの『口』ももはやどこへ行ったかわからない、仮にわかったとしても果たして追いつけるかどうかわからない距離であろう。
このまま外で戦い続ける以外に道はないのか? あるいは何か別の方法を探す必要があるのか?
……焦りながらも、アリスは必死に考えを巡らせ続けている。
ティターンにしろ、ギガースにしろ、これらに攻撃を加えても無駄だということにはすぐに気付いていた。
だからアリスは移動と回避、そして防御に専念しつつ包囲網の突破を試みている。どうしても防げない、あるいは邪魔になる場合のみ攻撃魔法を使って迎撃することにし、とにかく状況を俯瞰して『視』ることに努める。
ダメージは最小限に、そして何よりも魔力消費を極力抑える――ラビが近くにいない以上、特に魔力については手持ちのアイテムを使い切ってしまったら『詰み』となる。
手持ちのアイテムはまだ十分にあるが、当然ガイアを倒すには足りず……ティターンたちを全滅させるにも及ばない量しかない。
この手持ちが尽きる前にガイア内部へとどうにか侵入し、ラビと合流する。
難題ではあるが、それもまた『いつも通り』だとアリスは思う。
そして、
「…………イチかバチか、やるしかないな」
アリスはついに覚悟を決めた。
やろうとしていることは『博打』以外の何物でもない。
リスポーン待ちになるかもしれない――それはまだいいとして、無駄に魔力を消費するだけとなってしまい最悪の状況……リスポーンを繰り返すだけの『足手まとい』になってしまうかもしれない。そんな恐れはある。
しかし、これ以上時間と体力を浪費するわけにもいかないのも確かだ。
ティターンたちを振り切るのは不可能。
ガイアの『口』へと到達するのも現実的ではない。
ならばどうやってガイア内部へと侵入するか?
アリスの出した答えはシンプルだった。
「ext《
その身に嵐を纏い、
「pl《
炎を纏い、
「pl《
破壊の力を纏い、
「ぐぅ……っ!? まだまだ……pl《
不滅を穿つ力を纏い、
「ext……《
最後に全てを滅ぼす力を身に纏う。
「へ、へへ……流石にきついな、これは……」
その身に神話の力全てを同時に纏ったアリスの肉体が悲鳴を上げているのがわかる。
今まででも最高で2つ同時にしかplしたことはない。
それは魔力をセーブしながらという理由もあったが、何よりもたとえ『
ましてや『杖』よりも脆い自分自身の肉体に2つ以上……今回は4つ全てのplを行った上で更に《ラグナレク》まで使っている。
……この一撃で戦闘不能になってしまうかもしれない、そんな恐れもあったがそれ以上にアリスはこのまま終わってしまうことを恐れる。
「舐めんなよ、ガイア――オレがこのままでいると思うな……!!」
迫るティターンたちではなく、その下にいるガイアを見てアリスは笑う。
アリスの出した答えはシンプルだった。
『口』から入ることができない、それはいいだろう。
アリスの持つ全ての力を使っても胴体を貫いて内部へ入れるかどうかはわからない。
故に『博打』。
失敗すれば魔力を大幅に失う結果となる。
その代わり成功すれば、ティターンたちを振り切ってガイア内部へと侵入することもできる――流石にこの一撃でガイアそのものの体力を削り切れるとまでは期待していない。が、体内に侵入できるほど抉ることが出来るならば一矢報いることは出来るだろう。
ガイアを外側から倒すのは
優先すべきはラビとの合流、次が仲間との合流。そこから先は――
――ロアとの決着は、つけられたらだな。
状況次第だと割り切る。
とにもかくにも、まずはこの『博打』に勝たなければアリスに先はないのだ。
「ブチ抜くぜ――ext《
神々の力をその身に集め、終焉を齎す黒き炎が灯る。
「オレの……いや、オレたちの道を塞ぐヤツはどいつもこいつも薙ぎ払う――たとえそいつが『星』の化身だとしてもな!」
『博打』に対する迷いは消えた。
あるのはただひたすらに前へと進む、そして道を塞ぐもの悉くを薙ぎ払うという意思だけである。
アリスの力を危険と見たか、ガイアがその場から逃れようとし巨神たちがその身を以て受け止めようとしているが……。
全て無駄に終わる。
惑星サイズの巨体というのは脅威ではあるものの、同時に『敵の攻撃の回避が事実上不可能』ということを意味してもいるのだ。
本来ならばどんな攻撃であろうとも蚊に刺されたほどにも感じないほどのサイズ差であったが、全ての神装の力をその身に宿したアリスの力は『星』に届きうるものを持っていたのだ。
巨神たちの身体を張った防御を容易く打ち砕きつつ、アリスの渾身の
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
アリスたちの誰も気付いていない――ある『危機』が迫っていた。
ガイアとの戦いに参加している全ての使い魔とユニットに共通の危機がある。
アリスの一撃を受けたガイアの身体が大きく震える。
そして、全身にひびが入りボロボロの体表が崩れ落ちてゆく。
もしも外側からその様子を見ていたとしたら『倒したか?』と期待に満ちたことだろう。
……が、そのすぐ後にきっと絶望したはずだ。
なぜならば、剥がれ落ちた体表の下から――新たな皮膚が見えてきたからだ。
岩や土塊といった元の体表とは全く異なる、硬い金属と結晶で形作られたものであった。
蛇の見た目通り、古い皮を脱ぎ捨ててより成長している――ただし本物の蛇の脱皮のようではなく、日焼けした皮が剥けるようにではあるが――のだ。
一回り更に大きくなった蛇が声なき咆哮を上げると共に、地平の彼方……アリスたちが到底たどり着けないような、クエストの遥か彼方から新たな蛇が地上を引き裂き現れる。
彼女たちには観測不能な位置を含めて合計12本。
その1本ずつがラビの世界で言う日本列島を優に超える巨体であり、なおかつ『星』を構成する様々な自然の要素で形作られている。
しかし、全員がガイア内部へと辿り着いている現状、ガイア本体がいかに巨体であろうとも脅威とは言えない。
ガイア出現、そして脱皮に伴う更なる巨大化に伴い、大地が更に大きく裂けてゆく。
惑星サイズのガイア――それは単に大きさだけの話ではないのだ。
そうなった場合、孵化しきった後の卵の殻がどうなるかを考えればおのずと脅威の正体は浮かび上がってくるであろう。
戦場がガイア内部へと移った今であっても、『クエストの舞台』自体は相変わらず外のフィールドであるのだ。
そのフィールドそのものが崩壊、消滅してしまうことが意味するのはクエストの失敗が確定することであろう。
つまり、
ラビたちが推測した『撃破』と『撃退』の差については、概ね推測通りではあった。
しかし唯一抜けていた視点が、『ガイアの体力を一定値まで削った場合の撃退』をどう判定するのか? というものだ。
極論、ガイア内部に入らず外側から延々と攻撃し続けて体力を一定ラインまで削っても『撃退』の条件を満たすことは可能だが、その場合『いつ』『撃退成功』と判定されるかがわからない。ラビたちもそこまで深く考えなかったのは、それが不可能に近いからという理由もあったのだが……。
ラビたちが知る由もないが、内部へと入り『
より正確には『核破壊によるダメージ』が『撃退ライン』に到達するだけのダメージになるということである。
結論を述べれば、星が完全に破壊される前に方法を問わず『撃退ライン』まで体力を削れれば『撃退成功』――クエストクリア。
逆に制限時間内に『撃退ライン』に届かなかった場合、強制的にクエスト失敗になるということである。
もちろん、制限時間内にガイアの全体力を削れば言うまでもなくクエストクリアにはなるが……。
アリスたちに迫る危機とは、すなわち『クエストの制限時間』のことである。
悠長にガイア内部で戦って『いつか』核を倒せば……という考えは一切通用しない。
可能な限り迅速に核を破壊しない限り、全員が平等にクエスト失敗という憂き目に合うことになるだろう。
その事実を、誰ひとりとして知らないまま――ガイア戦は閉鎖されたガイア内部へと完全に移行することとなったのだった。
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