第9.5章6話 ドキドキ成長タイム

 今回の目的は週末限定クエストに挑むこともそうだけど、それよりも前にやっておきたいことがある。


”よし、じゃあ伸ばし伸ばしになっちゃってたけど――皆のレベルアップを先にしようか”


 幸いと言っていいのか、今週のメギストン攻略において急遽レベルアップをしなければならないような事態にはならなかった。

 だから予定通り週末に纏めてやることができたのだ。


「まちわびた」


 ……おそらくはもうレベルアップを望めないだろうありすがなぜか楽しみにしていたようだ。解せぬ。


”これから『三界の覇王』、それにラスボスに挑むに当たってどれだけ強くても困らないからね……。

 ただジェムも今後どこまで稼げるかわからないし、これが最後のレベルアップになるかもしれないとは思っておいて”


 もちろん必要ならばジェムを使うことは厭わないが、アイテムやリスポーン代もここからは重要になってくるはずだ。

 だからレベルアップはおそらくここが最後になる……そう思っていた方がいいだろう、と私は考えていた。

 アリス以外にもちらほらとステータスが頭打ちになってきている子もいるし、どっちにしてももうそこまで強化は見込めないだろうしね。

 特に皆からも異論はなかったので……。


”んじゃ、早速やろうか”


 暫定最後のレベルアップの開始だ。




*  *  *  *  *




 アリスについては、前回で既に成長させていなかったので変化なし……と言いたいところだったけど、魔力の値だけ伸ばしておいた。

 他のステータスに比べたら魔力はやや伸びが良い方だからという理由もあるが、何よりも……。


”……巨星魔法一発分は流石に伸びないかー……”

「ん、しかたない……でも、ほんのちょっとの差がいつか効いてくると思う」


 前回の戦いでアリスが新しく作り出した、脳筋の極致とも言うべき最大最強の銀河魔法 《星天崩壊エスカトン天魔ノ銀牙ガラクシアース》のことを考えてである。

 あの魔法、あらゆる魔法を打ち砕くクリアドーラを強引に押し切ったことからもわかるように、発動さえすればまず間違いなく相手を倒せるくらいの威力を秘めている――流石にナイアみたいな例外は早々現れないと思う――のだけど、とにかく準備時間と消費魔力が膨大だ。

 で、クリアドーラ戦の時に密かにやっていたように、相手の目を盗んで変身を解いて少しずつ魔力回復……という裏技を使うにしても『元の魔力の値』が高ければ高いほど、この自然回復は効いてくる。

 10分で完全回復できるということは割合回復なのだ。ならば、魔力が高ければ高いほど割合回復は増える――結果、巨星魔法一発分くらい余計に回復できる可能性も高くなるだろう。


”やっぱり後は【殲滅者アナイアレイター】で伸ばしていくのを期待するしかないかな”

「これからいっぱいモンスター倒すし、そうするしかない……ん」


 ジェムで伸ばしづらいとは言え、ギフトではまだまだ普通に伸びていく。まぁギフトの発動条件をなかなか満たせないからそんなに期待はできないんだけど……。

 それでもありすの言う通り、メギストン攻略の最中に大物とは何度も戦うことになる。きっと発動条件も何度か満たせるとは思う。

 これまた繰り返しになるけど、アリスってもう完成されているユニットだと思うし新しい魔法を覚えたり霊装が追加されたりはないんじゃないかな……ステータスくらいしか後は伸ばすものはないような気はするね、やっぱり。




”むー……ヴィヴィアンもかー……”

「ですわねぇ……わたくしももう伸ばす余地はないと思いますわ」


 体力お化けのヴィヴィアンもアリス同様、あんまり伸びる余地がなくなってきている。

 ……それでも体力だけは相変わらず伸び続けているから、全くの無意味ではないんだけど……これ以上は流石に過剰に過ぎるかなって気はしている。安全のことを考えれば体力は高いに越したことはないとは思うけど。


”そういえば、《エクスカリバー》は大丈夫そう?”


 ちょうどいい機会なので、気になっていたことを訊ねてみた。

 ナイアとの最終決戦で《エクスカリバー》が変化した、ということは聞いていた。

 使うたびにステータスが減るという割ととんでもない『呪い』のような副作用が消えた替わりに、今度は《ケラウノス》同様に一発限りになってしまったみたいだ。しかも、一発撃つと気力体力を根こそぎ使ってしまってヘロヘロになってしまうときた。

 ……まぁ相手に当てさえすれば、どんな相手でも倒せるくらいの威力にはなっている。どんなに殴ってもひび一つ入らなかった『魔眼』を一発で粉々にしたくらいだしね。


「はい♡ ただ、替わりに《キング・アーサー》様がいなくなってしまわれましたが……」

”あぁ……あいつかぁ……”


 どういう反応をすべきか悩ましい存在だけど……あいつが召喚獣として存在してなければ、ヴィヴィアンはルナホークと戦うことはできなかったみたいだし、まぁ感謝すべきなのは間違いないか。

 ちなみにだけど、《エクスカリバー》については今まで同様、霊装の力を使って内容を編集することはできないままらしい。下手に弄ってしまうよりはそのままの方がいいかなぁ、確かに。


”とりあえず――《エクスカリバー》は本当に『切り札』だし、もし外したら一気にピンチになっちゃうから……今まで通り基本は封印かなぁ”

「……ですわねぇ……」


 これまた《ケラウノス》と同じように、一発限りの切り札は扱いが難しい。

 特に《エクスカリバー》は撃ったらヘロヘロになってしまう――アイテムで回復することのできない厄介な『状態異常』とも言える――のだ。使いどころを見極めても尚リスクの大きな魔法だし、基本封印は妥当な判断だと思う……。




 次はジュリエッタ。


「残念……流石に今回は『進化』はしなかったっすね」


 前回は変装魔法ディスガイズがちょっと使いやすくなる『進化』を果たしたのだけど、今回はステータスが少し伸びただけだった。

 まぁそう連続して能力自体が進化することはないだろうし、順当と言えば順当だ。


”ジュリエッタもそろそろ頭打ちかな?”

「っすねぇ。体力は最後まで伸びませんでしたねぇ……」


 全般的にジュリエッタのステータスは低めだけど、これは強化魔法ライズを前提にしているからだとは思う。

 ライズで伸ばせない体力は確かに欲しいところだった。

 ……まぁこれでジュリエッタの体力が高くなったら、マジで万能になりすぎるからバランスを調整している……のかなぁ……?


「まぁ俺ももう成長は打ち止めでいいんじゃないっすかね?

 それよりも、『肉』の補充の方を重視したいっすね」

”確かにそうだね”


 ライズと共にジュリエッタの軸である変態魔法メタモルにとって必要不可欠な『肉』――この補充こそが今後の課題となるだろう。

 敵が強大であればあるほど激しく魔法を使わざるを得なくなり、必然『肉』が消耗される一方だ。

 でも、メギストンもそうだけど後に控える『三界の覇王』とラスボスのことも考えれば、十分な量の『肉』の確保をしておかなければならないだろう。


「こればっかりは数こなすしかないっすね」

”だねぇ……”


 相手によっては『肉』が取れない場合もあるし、月光獣ムーリオンみたいに跡形もなく吹っ飛ばされちゃうとどうにもならないけど、まぁ言う通り数をこなして稼いでいくしかないかな。




 お約束の問題児ガブリエラだけど――


”! ついに……ついに限界が見え始めてきた!?”

「おお、ついにかにゃ!」

「?? ばんじゃーい!」


 私たちのどよめきの意味がどこまでわかっているのか……でもなんか嬉しいことがあったのだろうと、万歳している。かわゆい。

 それはともかくとして、無限に成長し続けるのかとちょっとだけ恐怖を抱いていたガブリエラだが、ついにそのステータスの伸びに陰りが見え始めてきた。

 ……とは言いつつも、それでもまだアリスの伸び幅よりは大きいんだけどね……。

 元のステータスがそもそも高すぎるので、今のままでも他のユニットよりも大半のステータスは高いが。


”それに、今回はリュニオンが『進化』したね!”


 ステータスの伸びの鈍化は置いておいて、融合魔法リュニオンが前回のディスガイズ同様に進化したのだ。

 内容は、『リュニオン対象を一部解除、またリュニオンを解除せずに追加リュニオンが可能となる』というものだった。

 どういうことなのかというと、今までだとリュニオン対象を変えたい場合には全解除→再リュニオンすることしかできなかったのだが、この全解除をせずとも一部だけ解除→新しくリュニオンすることができるようになったのだ。

 前回のナイア戦の時を例えにあげれば、『アリス+ガブリエラ+クロエラ』でリュニオンしている状態から『アリス+ガブリエラ+ジュリエッタ』にしたい時には、ナイア戦の時は全解除するしかなかったのだが、これからはクロエラだけ解除→ジュリエッタをリュニオンすることができるようになったということになる。


”…………こ、この能力はナイア戦の時に欲しかった……”

「ま、まぁこれから先も無駄にはならない……と思う」

「そうだにゃ。特に『ゲート』使っての属性リュニオンはやりやすくなったと思うにゃ」


 ああ、確かに。

 『ゲート』で呼び出した『水』とかの属性門とのリュニオンも、これでやりやすくなったと言えばそうか。

 前にも話した通り、ナイア戦の時のようなリュニオンは基本的にはするつもりはないし……まぁいざという時の切り札が少し便利になった、と喜んでおこう……。




 次はウリエラとサリエラだ。

 この二人については結構大きな変化があった。


”ギフトが『進化』することってあるんだね……”


 そう、私の記憶している限り初の出来事だ。

 なんと二人とも魔法ではなくギフトの強化ができるようになっていた。


「私の方は、相変わらずユニットにしか使えないけど」

”でも、これはかなり強力な能力だと思うよ”


 まずはウリエラの【消去者イレイザー】だが、今までは発動中の魔法を一つ選んで消去することができた。

 これだけでも十分強い能力だったけど、そこから更に強化が加わる。

 強化内容は『発動・未発動を問わず、指定の1種類の魔法を消去し続ける』という、ある意味で『封印』する能力になったのだ。

 ……これもピース戦で欲しかった能力だ。例えばヒルダのオーダーを封印し続けることができたりすれば、ぐっと楽に戦えただろう。まぁ今更言っても仕方のないことだけどさ。

 ただし、今までの能力とはどっちか一方しか発動することはできないので、何を消去するかはよく考えなければならないだろう――その辺りは楓なら全く心配はいらないと思うけど。


”サリエラの方は魔法が少ない代わりに、ギフトによって補える感じかな”

「そうだにゃー……あれもこれもって器用貧乏にならないように気を付ける必要はあるけど、やれることの幅が増えたってのはありがたいにゃ」


 サリエラの【贋作者カウンターフェイター】については、純粋な強化と言える内容だ。

 『知っている魔法を発動・未発動に関わらず対象とする』ようになった。

 ポイントは『知っている魔法』という点だ。

 今までは『発動中の魔法』のみが対象だったけど、サリエラの知っている魔法ならなんでも【贋作者】で真似ることができるようになったというのは相当強い能力になったと思う。

 ……ケガの功名というか、アビサル・レギオンとの戦いで様々な種類の魔法をサリエラは目にしている。

 全部の魔法を真似ることはできないだろうけど、それでも幾つか有用な魔法を実質使えるようになったというのは強力だ。


「アンティ、プロテクション、イリュージョン……フェードインとかもあるけど、これはまぁいらないかにゃー……」


 早速椛は脳内で様々な魔法を思い浮かべ、何が使えて何が使えないのかをチェックしているようだ。

 楓も椛も、サポートとしてはこの上ない強力な力を得たと言える。これは今後の戦いの鍵を握ることになる……のかもしれない。




 クロエラについてだが、ステータスそのものよりも気になることがあった。


「え、えっと……その……」

”雪彦君? 怒らないから正直に言いなさい?”

「うぅ……」

「……ユッキー、お姉ちゃんは悲しいにゃー……」

「……雪彦、お姉ちゃんたちには何でも話してくれたのに……」

「うぅぅ……」


 両サイドからお姉ちゃんズにがっちりとホールドされて雪彦君は更に萎縮してしまっている……。

 小柄な雪彦君の顔を両サイドから……その、お姉ちゃんズの胸が挟み込んでいる……。

 普通に考えれば羨ましい光景なんだろうけど、雪彦君にとってはお姉ちゃんだし、しかも状況が状況だしで嬉しいもへったくれもないみたいだけど。

 で、観念したのか雪彦君が『クロエラの身に起きたこと』を白状しだした。


 ……何が気になったのかというと、クロエラのステータスに追加されていた特記事項だ。

 これ、実はガブリエラたちにもある。彼女たちの場合は『飛行能力』について記載されている。

 おそらくは魔法に関係なく、ユニット自体が持っている特殊能力については特記事項に記載されるのだろう。

 クロエラの場合には『生死人リビング・デス』というなんか異様なものが書かれていたのだ。


「か、隠すつもりはなかったんだよ……?」


 ……いやー、バレなきゃそのまま放置していたんじゃないかな……微妙に言い出しにくい内容だったし気持ちはわかるけどさ。

 ともあれ、雪彦君自身も全部わかっているわけではないみたいで推測も混じっているだろうけど――大体の事情はわかった。

 どうやらベララベラムの感染魔法インフェクションによってクロエラはゾンビ化したが、ギフト【騎乗者ライダー】の効果やら何やらで自覚のないまま――ゾンビ化しているはずなのにゾンビになってない、と思い込んで行動し続け、《ナイチンゲール》さんの作った特効薬をその身に取り込み、完全にゾンビウィルスを克服したみたいだ。

 ゾンビ化を克服したおかげで、ベララベラムが持っていたような異様な再生能力をクロエラも得たらしい。

 ……その能力のおかげで、ジュウベェに勝てたと本人も言っていたし、まぁ字面はおっかないけど悪い効果ではないようだ。


「……ユッキー、今回は問題なかったからいいけど、ちゃんとお姉ちゃんに言わないとダメでしょ?」

「う、うん……ごめん、姉ちゃん……」


 いつもの猫語も引っ込んだマジトーンで椛が一言チクリと注意をするものの、それ以上は責めることはしなかった。

 ちなみに、その後念のため異常がないかその場で変身してもらってチェックはした。

 ……クロエラ、いつもフルフェイスのヘルメットを被ってたから全然わからなかったけど、確かに素顔を見ると様変わりしていた。


”……うん、見た目は変わったけど大丈夫そうだね”


 病的なまでに白い肌は……確かに『死人』かと見紛うほどではあるが、どこか儚い美しさを感じさせるものがあった。

 他にはエラの名前の通りだった黒髪は真っ白に、瞳も淡い青色へと変わっている。

 んで、見た目は変わっているけど特に他に異常はなさそうだ。ベララベラムのゾンビのように、周囲の物が怪物に見えるとかそういう副作用もないみたいだ。

 ……見た目の変化と引き換えに強烈な再生能力を得られた、そう思っておいて大丈夫かな。


「んー……パワーアップしただけ……?」

「そういう考えでよろしいのではないでしょうか?」

”……そうだね。ありがとう、雪彦君。正直に話してくれて”

「う、うん……」


 怒るようなことでもないし、まぁありすたちの言う通りか。




 そして最後――ルナホークの番だ。


「よ、よろしくお願いいたします……」

”……?”


 私の前に畏まって座るあやめは、なぜか妙に緊張した様子だった。

 はて……?


”大丈夫、あやめ?”

「……問題ありません。よろしくお願いいたします」

”そ、そう……?”


 他の子たちのレベルアップを先にしていたし、その様子も見ていたはずだけど……何か気になるようなことがあったのだろうか……?

 まぁよくわからないが拒否しているわけではなさそうなので、他の子同様に耳を伸ばしてあやめの頭にそっと触れる。

 ……その一瞬、びくっとあやめの身体が震えたが――


「……? ああ……」


 今度は安心したように表情を緩めたのだった。

 ……はて?




 ともかく、ルナホークのレベルアップは無事に完了した。

 マサクルがどの程度育てていたのかはよくわからないままだったが、そこそこステータスは伸びていったと思う。ただ、前に述べた通りデバイスでの補正を前提としているためか、そこまで高いわけではないのには変わりなかった。

 それよりも驚いたことがある。


”……魔法が一気に3のには驚かされたね……”

「しかも、この魔法は――」


 あやめ自身も驚いているようだ。

 以前もヴィヴィアンの魔法が2つ増えたことはあったが、今回は3つ……それも増えた魔法は――


、ですね……」

”だね……”


 そう、増えた魔法は何とルールームゥが使っていた魔法3種なのだ。

 トランスフォーメーション、インクルード、カスタマイズ……私が目にしたのは前2つだけだけど、流れからしてカスタマイズもそうだというのは想像がつく。

 こんなことあるものなのか……? 複数人で同じ魔法を使うのは記憶にないな……クラウザーとジュリエッタが共に『ライズ』を使ってはいるけど、クラウザーの場合はちょっと例外かなと思う。

 ――まるで、ルールームゥがルナホークへと力を受け継がせたかのようだ……。


「ルールームゥ……貴女の力、ラビ様たちのために使わせていただきます」


 ……あやめから特に聞いてはいないけど、どうやら彼女にはルールームゥの『正体』に心当たりがあるようだった。

 だからなのか、ルールームゥから魔法を受け継いだと疑いもせず素直に受け止めたようだ。

 ……真偽は不明だけど、ルナホークの魔法が増えたという事実には変わりない。

 ここはありがたく使わせてもらうことにしよう。




 これによってルナホークの魔法は計4種となった。

 ただ、ロボットのようなルールームゥとは異なるため、空中要塞やら空中戦艦やらに変形することは流石に不可能みたいだ。

 使い方としてはギアやモジュールを変形させたり、カスタマイズで強化したりとかかな。元のコンバートと被っているところも多いため、攻撃の幅が増えた……とも言い難い。

 一番の目玉はカスタマイズかな? ルナホークのモジュールを強化するだけではなく、ウリエラの構築魔法ビルドで造ったゴーレムやヴィヴィアンの召喚獣を改造することも可能らしい。


「ん、あや姉の魔法、確認してみたい」

「そうね、コンバートはわかっているけど、新しく増えた魔法の確認はしたいかな。カスタマイズの実験はしておきたい」

「そうですわね♡」


 ……まぁどっちにしてもキム君たちに見てもらっている間に、1~2戦するつもりだったからちょうどいいか。

 メギストン攻略しつつってのだけはちょっと気になるけど……まぁ危なそうなら実験は後回しにしてもいいしね。


”うん、よし。それじゃレベルアップも終わったし、メギストン攻略に移ろう。

 その時にやれそうならルナホークの新魔法のチェックと、サリエラの【贋作者】も確認しようか”


 ウリエラの【消去者】は対ユニット用だし、これはチーム内対戦かトンコツに協力してもらって後日確認かな。


「なっちゃんも!」

”……そ、そうだね。リュニオンも一応確認しておこうか”


 大体効果はわかってるけど――いや、まぁいいか。決戦用スキルだし、ぶっつけ本番よりは事前に確認した方がいいのには違いない。


”キム君たちにあんまり待ってもらうのも悪いし、お店にも結構長居しちゃうから1~2回くらいだけクエストに行こう。

 で、残りは家に帰って時間を調整してからね”


 1戦が長丁場になるようならそこで切り上げかな。

 ……まぁぶっちゃけ、今の8人が本気で倒す気で挑めば大概のモンスターは瞬殺だろうけど……って油断は良くないな。

 気を引き締め直しつつ、私たちは今日もメギストン攻略へと向かうのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る