第9章37話 遥かな世界より、愛をこめて -6-
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
最後の戦いが迫っている……そのことはあやめにもわかっていた。
――……結局、最後の最後までチャンスは巡ってきませんでしたね……。
だが、考えようによっては最良のタイミングでもあると言える。
あやめの目的――ルールームゥの計画は、『洗脳されたルナホークの魂を元のあやめの魂で上書きして解放する』というものだ。
ルールームゥは手段は提供してくれたものの、だからと言って完全にあやめを助けられる計画ではない。
再度洗脳される危険はあるし、そこまでいかなくても【
だからこそ、『どのタイミングで戻るか』というのは慎重に考えなければならなかった。
――……ラビ様たちの最後の戦いの最中、きっとそこにこそチャンスはある……!
最終決戦の最中というのは、ナイアにとって最悪のタイミングでの『裏切り』になるだろう。
戦いの流れによっては、一気にラビたちにとって有利になりうるタイミングもありえる。
そこまで上手くいかなくとも、戦闘の最中であれば強制命令等であればともかく再洗脳は無理ではないかと思われる――一瞬で人間を洗脳することは、たとえ魔法を使っても無理だろうとあやめには思えた。
悔しさや申し訳なさなどの諸々の感情が渦巻いているが、今は飲み込むしかない。
あやめはひたすらに耐え、最後のチャンスを待つ――歯を食いしばって待つ以外にやれることはないのだ。
最終決戦を前に、ラビたちは各々行動することとなった。
覚悟を決める、一時の休息を得る……誰がどう行動するかは自由だ。
『仲間』として数えられているかは微妙だが、あやめもまた自由に行動することができた。
――桃香は……。
そんな時、あやめが真っ先に考えるのは桃香のことだ。
他の誰よりもあやめが優先するのは桃香である。
……その桃香こそ、他の誰よりも心に傷を負っているであろうことは贔屓目なしにわかっているつもりだ。
桃香の視点で考えれば、助けようとしていた
ラビたちもわかっているからこそ、桃香をそっとしておくという選択を取ったのだ。
けれど、小動物の姿である今なら『一人にしてほしい』と思っていても傍にいることができるだろう。
そう思ってどこかへ姿を隠した桃香を探し――見つけることができた。
……今まであやめが見たことのないような、大声を上げて桃香は泣いていた。
聞いているだけで心を締め付けられるような……魂の慟哭、とでも言うのだろうか。初めて見る桃香の姿だった。
「きゅー……」
「うっ……うぅ……キューちゃん様……」
泣き叫んでいた桃香が
ぎゅっと抱きしめると、再び大声を上げて泣き出してしまう。
「きゅぅ~……きゅい~……」
こんなにも桃香を泣かせているのは
桃香たちが必死にナイアたちと戦っているのは、身を削って戦っているのは、元をただせば『あやめを助けるため』であるということは流石に理解している。
もちろん『眠り病』患者――ピースとなった子供たちを助けるためというのも理由なのはわかっているが、それも『あやめのため』が先にあるのも理解している。
……その助けたい対象が原因で、桃香は傷つけられ、自分では助けることができないと理解させられてしまったのだ。
だからこその慟哭なのだ。
あやめはそう思った。
それが褒められることかどうかなど関係ない。
桃香はもう限界だろう。あやめにはそうとしか思えない。
仮にここで戦えなくなったとしても、桃香の気持ちを考えればラビたちも強くは言うまい――あやめはそう考えていた。
けれども――
「わたくしがルナホークを止めます」
毅然として桃香はそう言い放った。
最終決戦において『アリスがナイアを倒す』という目的のため、いかにアビサル・レギオンを止めるかの作戦会議をしていた時だ。
先ほどまで泣いていた人と同一人物とは思えないほどだった。
”……うん。わかった。桃香に任せる”
「ん、トーカ、任せた」
「はい♡ 任されましたわ♡」
あやめからしてみたら、信じられないことだった。
彼女の知る桃香であれば、もう『諦め』ていたことだろう。
なのに、桃香は諦めることなくルナホークと対峙することを自ら志願し、仲間たちもまたそれを当然のこととして受け入れ応援してくれていた。
――……ああ、そうなんですね……。
唐突にあやめは悟った。
……いや、実のところ自分自身でも心のどこかでは気付いていたはずだった。
だから、両親たちの桃香から遠ざけようとする提案に怯え反発したのだ。
ちょっとした困難でも泣いてあやめに助けをお願いしていた頃の桃香ではないのだ。
クラウザーに怯えていた頃の桃香でもないのだ。
今の桃香は、あやめの知る桃香とは異なり、立ちはだかる困難に涙を流しても決して逃げることはしないのだ。
仲間も桃香のことを案じてはいても、手助けをしようとはしていない――各々が各々の戦いで精一杯という理由もあるが、桃香の決断を尊重しようとしているのがわかる。
冷たい、のではない。
桃香のことを信頼し、任せることにしているためだ。
――私は……。
なのに、自分は桃香の成長を全く見れていなかった。
いつまでも、記憶の中にある『かわいい妹』の桃香のままだった。
ちょっと難しいことがあると半べそで助けを求めてくる妹だった。
……それが間違いだと今更ながらに気付いたのだ。
当然のことだが、小さな子供がいつまでも小さいままなわけはないのだ。
人は成長する。特に幼い子供の成長は驚くほど速い。
桃香だって当然成長する――いや、成長したのだ。
反対に自分は何も変わっていない。
――私にできることは……。
このままでいいのか?
……いや、桃香との関係性について考えるよりも先に解決しなければならない問題があるのは間違いない。今考えることではないというのはわかっている。
しかし、その桃香が自分を助けるために身を削って戦っているのだ。そこに何も思わないわけではない。
人生の転機が訪れたのだ、と異様な状況ではあるがようやくその自覚が芽生えたのだろう。
桃香たちが必死に戦っているのであれば、自分も『覚悟』を決めるべきだ――あやめは自分の肉体へと戻るのとは別に、一つの決意を固めるのであった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
そして、最終決戦において
……ヴィヴィアンが自分にダメージが加えられないように気を使ってくれているのはわかっていた。
それだけではなく、ルールームゥでさえもあやめのために場をコントロールしようとしているのも理解していた。
――……本当に、自分が情けなくて嫌になりますね……!
ルールームゥは、あやめがヴィヴィアンと一緒にいることはわかっていたのだろう(どういう手段かはわからないが)。
だから、対空砲火をコントロールして、ヴィヴィアンがルナホークの前に降り立てるようにしたのだと思われる。
が、思い悩んで足を止めるわけにはいかない。
様々な者があやめのために動いてくれた結果、ようやく訪れた最後のチャンスなのだ。絶対に無駄にはできない。
ヴィヴィアンとルナホーク、そして途中から加わったルールームゥの戦いの中でついにチャンスが訪れた。
二人が互いにルールームゥの粘着弾によって動きを止められた瞬間、
――……今しかない!
ヴィヴィアンの胸元から飛び出し、ルナホークの顔面へと飛び掛かる。
「……邪魔、者は……排除…………!?」
すぐに引きはがそうとするルナホークだったが、その動きが止まる。
と同時に、あやめの視界が暗転し――
――……戻った……!?
開けた視界が、今までと全く異なるものとなっていた。
「キューちゃん様!!」
「………………」
洗脳されたダミーが最後の力を振り絞ってキューを引きはがしたのだろう。
床にはぐったりとしたキューの姿があった。
……動かないのは当然だ。体を動かしていた『あやめの魂』が元の身体へと戻っていったのだ、抜け殻になったのだから。
「……ルナホォォォォォォォクッ!!!」
もちろんヴィヴィアンにそんなことがわかるわけがない。
キューを傷つけられたと思ったヴィヴィアンが、怒りの表情で自分に対して剣を振るおうとする姿を、あやめ――ルナホークは静かに見ていた。
――……あぁ、これでいい……。
肉体に戻ることは出来たが、既にその命は風前の灯なのはわかっている。
いずれそうなることは覚悟していた――身体に戻ってすぐそうなるとまでは予想していなかったが。
「…………強く、なりましたね……
迫る魔力光を受け入れるつもりで見つめ、ルナホークは心の底からそう思い、つぶやいた。
桃香が自分の思っていた以上に強く成長していたのは嬉しく思う。
ユニットとしての成長ではなく、精神的な成長の話だ。
ナイアとの戦いを乗り越えた時、きっとさらなる成長を遂げることだろう。それは桃香だけではなく他の子どもたちも同じだ。
これならば、
――これならば……
あやめの出した結論――『覚悟』とは、
桃香たちが助けに来てくれたのは十分すぎるほど理解している。
『眠り病』患者――ピースたちを含めて助けるためにナイアを倒す、という目的で戦っていることも理解している。
ナイアはあまりにも強大すぎる。
今は大人しくしているが、更にエキドナという得体のしれないユニットまで控えているのだ。
普通に正面からこのまま戦っていても勝利できる可能性は低い、と言わざるをえない……それが、今までアビサル・レギオンを見てきて、そしてラビたちと共に行動してきて出た結論だ。
勝率を低くしている要因の一つが『あやめ』にある、そうあやめ自身は考える。
洗脳されて敵に回っている状態は言うまでもなく、そうでなくても足を引っ張る可能性が非常に高い。
だからこそ、逆にあやめがナイアの足を引っ張るための最善の手は、ここで消えることなのだ。
たとえルナホークがここで倒されたとしても、ナイアはリスポーンすることは可能だ。
けれども、ナイアがルナホークをリスポーンすることに価値を見出すかは微妙なところではある。もしあやめがナイアの立場ならば、リスポーンは選ばない。
なぜならばリスポーンするにはコストがかかる。その上、リスポーン後に再度洗脳する時間はないはずだ――そう簡単に人間の精神を捻じ曲げることはできない。たとえ魔法やギフトを使ったとしても、あるいは何かしらの薬物を使用するにしても、ある程度の時間は必要になってくる。
……今はまさに最終決戦の真っ只中。ラビとアリスがナイアの元へと向かっており、作戦通りにいけば戦闘中であろう間に再洗脳は現実的に不可能であろう。
かといって、強制命令で言うことを聞かせるには危険が伴う。まともな判断力があれば『ラビたちがナイアと最後の戦いをしている』とみれば、たとえ強制命令をかけられて一瞬操られたとしても、強制命令が切れた瞬間に反逆することは目に見えている――いくらナイアでも、あやめがそんなこともわからない馬鹿だとは考えていないだろう。
【支配者】で操作するのもさほど意味はない。【支配者】の命令は絶対だが万能ではない。生死をかけた戦闘を自動で行わせることには無理がある。かといって、【支配者】で反逆を防ぐために動きを止めたのではリスポーンする意味もない。よって、【支配者】は脅威とはならないはずだ。
これらのことを考えたからこその『ここで消える』が最善なのだ。
桃香が想像以上に強い力を持っていたことが、その覚悟の後押しをした。
『戦略機動兵器』とも言うべきルナホーク相手に一歩も引かずに戦い、ルールームゥの横やりさえなければあやめが戻る隙さえなく倒せるかもしれないほどだったのだ。
あやめが戻るための妨害は入ったが、このまま放ったエクスカリバーがルナホークの肉体を消し飛ばすことはできるだろう。
――……いえ、違いますね……。
――私は……もう消え去りたいのですね、きっと……。
冷静に戦況を判断しての消滅を決めた……とあやめは直前まで思っていたが、いざ自らの死が目前に迫った時に心の奥底にあった自分の想いに正直になった。
これはあやめなりの『贖罪』なのだ。
ラビたちはきっと否定するであろうが、あやめは自分を『被害者』だとはもう思っていない。自分は立派な『加害者』なのだと思っている。
自分の使い魔の企みを止めることができなかった――止める術が本当になかったのか? と自問すれば、『そんなことはなかったはずだ』と答えが返ってくる。
全ての使い魔が複数ユニットを持ったことにより、ユニット単独で『ゲーム』に挑むことができるようになっていたはずだ。
その時から自分一人で『ゲーム』に挑むことで、もしかしたら何かしら手がかりを得られることはできたかもしれない。桃香たちが囚われた『冥界』のような場所へと辿りつけていれば、もしかしたら
しかし、あやめはそうしなかった。
『ゲーム』への認識を持ちつつも『ゲーム』に参加しない、という特殊な立場を利用して『桃香のサポートをする』ということを選んだ。
そのこと自体、桃香やラビたちは非常に助かったし、あやめのサポートがなければ成り立たないことはいくらでもあった。
感謝こそされても、決して『なぜマサクルを探さなかった』と責められるいわれはない。そして、ラビたちに責めるという発想は実際にない。
――ごめんね、桃香……。
だが、あやめはそうした過去の自分の行いを『逃げ』だと気づいた。
結果論ではあるが、『やれること』があるのに逃げた――それも『桃香のため』を言い訳にして。
そして、操られていたとは言え、
もはやあやめには償いきれない『罪』がある――あやめはそれに耐えられなかった。
――……こんなダメなお姉ちゃんで、ごめんね……。
だから――ここで消えるという選択は、自分の『罪』をどうすることもできずに逃げるためのものでもあるのだ。
せめても『罰』として、愛する
エクスカリバーから解き放たれた魔力光は、容赦なくルナホークを飲み込み、ルナホークもまたそれを抵抗せずに受け入れ――ヴィヴィアンとルナホークの戦いは、ヴィヴィアンの勝利に終わる。
――
「!?」
「なっ……!?」
光がルナホークを飲み込んだ瞬間、どこからかその『声』が聞こえてきた。
同時に、ルナホークの腹部……鳩尾付近から赤黒い光が溢れ、エクスカリバーの光を侵蝕せんとする。
<な、なぜ魔眼が!?>
横で自分の計画が上手くいった、と確信していたルールームゥもまた驚きの声を上げる。
その様子を見て、ルールームゥもこのことを知らなかったのだろうとあやめは判断する。
ただの洗脳だけではなく、更に魔眼を埋め込むという二重の洗脳をナイアたちは仕掛けていたのだ。
ルールームゥの計画がバレていたのか……いや、おそらくは何かしらの拍子に洗脳が解けた時のために保険で仕込んでおいたものなのだろう。
「ぐぅぅぅあぁぁぁぁぁぁっ!!」
ルナホークが咆哮を上げると共に、魔眼の放つ光が爆発――エクスカリバーの魔力光を相殺しきった。
流石に無傷とはいかず、全身にダメージは負っているものの致命傷というほどではない。
「う、う、うぅぅ……!」
「くっ……」
エクスカリバーの一撃で倒せなかったことを悟ったヴィヴィアンだったが、こちらもダメージが積み重なり限界が近い。
一度放ってしまったら二発目を撃つまでには再びチャージ時間が必要だ。
ルナホークも苦しそうなうめき声をあげ、まだ自由に動けない。
――身体が……言うことを効かない……!?
必死に動こうとするが、手足がまるで拘束されているかのように動かせない。
魔眼による強化と同時に強制命令のような外部からの肉体操作が、あやめ自身の意思を無視して体を動かそうとしているのを感じる。
――何てこと……! これでは、私がやろうとしていたことは――
もちろん実際には無意味ということはない。ナイアたちの悪知恵が上回っていただけの話だ。
魔眼によって操作されるというのであれば、裏を返せば魔眼を取り除けばナイアの直接の手出しさえなければ今度こそ完全に操られることはなくなるのだ。前進していると言えなくもない。
問題なのは、魔眼を取り除くことについてはルールームゥも協力はしてくれないだろうし、自力でどうにかするのも不可能。
つまり、満身創痍のヴィヴィアンが何とかするしかない、のだ。
「ヴィ、ヴィ……アン……」
口を開くことすらままならない。
魔眼を取り除くか、あるいは魔眼ごとルナホークを倒すか――どちらにしてもヴィヴィアンに頼る以外にもはや手段はない。
ヴィヴィアンに向かって何を言いたいのかわからないまま、ルナホークはその名へと呼びかけた。
「……」
一方でヴィヴィアンは一瞬だけ驚いたような顔をし――だが、すぐに表情を引き締め息を整えるとエクスカリバーを構える。
「なるほど――
「う、ぐぅ……」
意識はあるが、だんだんと身体の抑えが効かなくなってきている。
このままでは魔眼の操るままにヴィヴィアンへと、肉体が崩壊するのも構わずに攻撃を仕掛けてしまうだろう。
そうならないように必死に抵抗するルナホークに、ヴィヴィアンは寂しそうな笑みを浮かべる。
「貴女は、ここで消えるつもりなのですね」
「ぅ……!?」
「自分の罪に耐えかねて、という感じでしょうか」
「……っ!」
不自然にエクスカリバーの攻撃を回避しようとしなかったのと、魔眼が解放された後の動きを見て――おそらくは『あやめの洗脳が解けた』と思ったのだろう。
あやめが桃香のことをよく知るように、桃香もあやめのことをよく知っている。
だから、これまでの状況から――あやめがどういう想いを抱くかは、我がことのように理解できたのだろう。
ヴィヴィアンは続ける。
「……貴女に罪があるとしたら、わたくしも喜んで同じ罪を背負います。
そして、貴女が消えるというのであれば、わたくしもお供いたします――共に地獄に堕ちましょう」
「!! ぅ、ヴィヴィ、アン……!」
一人、罪を抱えて消える――それこそが『罰』であると思ったあやめだったが、桃香はそれを認めない。
そもそもあやめに『罪』なんてないというのが桃香の認識である。
……もしもあやめが『罪』を犯した『悪』であるというのであったとしても、あやめ一人を罰することを絶対に許さない。
桃香の思うあやめならば、
もしも償いきれない『悪』だとあやめが消えることを望むのであれば、桃香もそれに着いていく。それこそが桃香の『覚悟』であり決意なのだ。
ヴィヴィアンは悪戯っぽい笑みを浮かべ、ルナホークに向けて言い放つ。
「ふふっ、そう簡単にわたくしから離れられると思わないでくださいましね、ルナホーク♡」
――ふ、ふふっ……本当に……私の想像以上に強くなりましたね、桃香……!
もはや肉体は笑うことはできずとも、心の中であやめは笑った。
あやめが消えるということは、すなわちそれは『あやめを助けられなかった』ことを桃香たちにとっては意味する。
最終的に『ゲーム』から離脱することにはなるかもしれないが、それはあくまでも『ナイアをぶっ飛ばして諸々の問題を解決してから』でなければならない。
もしそうなる前にあやめが自ら消えるのであれば、桃香も消えてやる。そう、桃香はあやめを脅迫しているのだ。
脅迫の裏で桃香はあやめにそう訴えかけているのだ。
クラウザーに脅され、怯えて泣いて、誰かに助けを求めていた桃香はもういない。
今、ようやく、本当の意味であやめは桃香の成長を実感していた。
「ふ、ふ……当、機は……これ、より……全、力で――貴女の、戦いを、
「! えぇ、こちらも全力で貴女を倒します!」
お互いに意図は通じ合っただろう。
あやめは
桃香は
互いの全力を尽くして決着へと向かおうとする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます