第9章15話 智慧と力の二重奏

◆  ◆  ◆  ◆  ◆




「……そろそろ上の方でも戦いが始まったころかにゃー」


 突入作戦は無事に成功しただろうか。アリスはナイアの元へとたどり着けただろうか。

 考えてもわからない。

 状況がどうなるかわからないので、よほどの緊急時以外は互いに遠隔通話を使わないということは事前に認識を合わせている――連絡をとっても助けに行くことはおそらくできないだろう。せいぜい、『負け』が確定した時に警告をするくらいだろうか。

 空中要塞組よりも早めの戦闘を開始していたガブリエラたちだが、それなりの時間が経過している。

 『作戦失敗』の連絡も来ないことを考えれば、一応は順調に作戦は進んでいると思ってよいだろう。


「便りがないのは良い便り……だといいみゃー」


 ラグナ・ヴァイスの数はまだまだ多いが、それでも当初ほどの数の脅威も感じない程度には減ってきた。

 二人は上の状況を気にする程度の余裕も出てきている。


「そうですね。でも二人とも、まずは私たちの方をきっちりと片付けましょう」

「「はいみゃー/にゃー」」


 ガブリエラの言う通りだ、と二人はすぐに思考を切り換える。

 ラビたちも心配だが、地上の戦いも当然疎かにはできない。

 目的である『神樹ジン・ディ・オド』防衛のためには、最終的には全てのラグナ・ヴァイス、そしてラグナ・ジン・バランを滅せねばならない。

 ここまでは何の障害もなく、そしてダメージもなく進むことができた。

 肝心なのはここからだ。


 ――……移動要塞はここまで特に動きなしかみゃー……。


 軍勢の輸送と修復に特化した能力しか持っていない、というのであれば不安はないが、そんなわけはないだろうと思う。

 その程度の能力であれば、かつての結晶竜インペラトールたちが命を懸けて封印する理由はないはずだ。


 ――でっかい砲台がいっぱいついてるけど、うーにゅ……。


 地上を歩くタイプの三機にはわかりやすく砲台が幾つもあるのが見える。空中タイプの三機も、傘の下にやはりいくつか砲台のようなものが見えている。

 それらは、というのがウリエラとサリエラの見立てだ。

 もちろん直撃したら欠片も残さず吹っ飛ばされるほどの威力はあるだろう。現実世界なら、生身の人間が戦艦に撃たれるようなものだ。

 同様に生身の人間に戦艦の砲撃が当たるか? という話だ。直撃することはまずありえないだろう。衝撃波などは当然あるだろうが。

 危険はあるがピースのような脅威ではない、それが結論である。

 ……あくまで自分たちにとっては、である。

 大口径の砲はむしろエル・アストラエアにとっての脅威となる。

 当然だが街は動いて逃げることはできない。『神樹』も同様だ。


 ――うーみゅ、とにかく『神樹』を大砲でぶっ飛ばしてからゆっくり『神核』を探す……とかやられなければいいけどみゃー……。


 一機からの砲撃ならばガブリエラの魔法で防ぐことはできるかもしれないが、六機もいてはさすがに防ぎきれないだろう。

 『神樹』を守るという目的からすれば、やはり六機の移動要塞が最大の障害となる。

 そしてこれらを倒すにしても、あまりにも大きさが違いすぎてこちらの攻撃が通じるとも到底思えないのだ。


「とりあえず、まず一機倒してみるかみゃ?」

「そうだにゃ。同士討ち……はしてくれないとは思うけど、それならそれで他の奴から撃たれにゃいからちょっとは安心にゃ」

「問題はどうやって倒すかみゃけど――りえら様?」


 とにかく戦ってみないことにはわからない、と相談するウリエラたちであったが、ガブリエラの様子が少しおかしいことに気づく。

 移動要塞六機へと視線を向けているのだが、先ほどまでと違い何かを警戒しているかのような、真剣な表情となっている。


「…………がいる気配はするけど……うーん……?」


 キョロキョロと『何か』を探しているようだが、見つかっていないようだ。

 視覚で感じているのではなく、ガブリエラ撫子の持つ『霊能力』としか言いようのない感覚が存在を捉えてはいるものの、はっきりとしたことはわからないといったところだろう。

 ウリエラたちもそれは気にはなる――ガブリエラの感覚は基本信じられるものだと経験から理解している――が、見えない脅威よりも目に見える脅威の方が今は優先だ。


「りえら様、一応頭の片隅にはいれておくけど……」

「今はでっかいラグナ・ジン・バランを倒すことを優先するにゃー」

「……そうですね」


 はっきりと感じ取れるほどの存在感ではない、ということはとりあえず後回しにしても大丈夫かとガブリエラも気持ちを切り替える。

 それが何であれ、移動要塞さえ何とかすればどうとでもなる……はずだ。

 三人は邪魔なラグナ・ヴァイスを片付けつつ、本命の移動要塞を倒すべく行動を開始する。




 ……三人を責めることはできまい。

 ガブリエラが感じていた『何か』は確かにその場に存在していた。

 しかし、周囲の移動要塞のあまりの巨大さに比べてちっぽけな存在であり、また夜の闇に紛れて見えづらい黒色をしていたがために見落としてしまっていたのだ。


 大いなる『悪徳ヴァイス』の卵は、静かに孵化の時を待つ――




◆  ◆  ◆  ◆  ◆




 三人がまず狙うのは、一番手前にいた地上要塞型――『アルファ』であった。

 浮遊要塞型の方は武装もよくわからず、どこまで脅威かを測りかねていたが、地上要塞型にはわかりやすい砲が幾つも備えられている。

 ガブリエラたちを無視していざエル・アストラエアへと攻撃を開始したとしたら、明らかに拙いとわかっている方から落とそうという算段だ。


「さて、どうやって倒しましょうか……?」


 やる気には満ち溢れているが、いざ近くまで接近してみるとどこから手を付けていいかわからないほどの大きさの相手に、ガブリエラも戸惑いを隠せない。

 これがただの巨大モンスターであれば、とにかく顔なり足なりを狙っていけばいいのだろうとはすぐ思いつくが、機械相手にそのようなわかりやすい『攻めどころ』があるとは思えない。

 ……巨体に対して『自分の攻撃が通じるのか?』という不安よりも、どこを殴れば倒せるのかを考えるあたり、やはりガブリエラは移動要塞に対してどうしようもないといった絶望感は抱いてはいないようだ。


「だいじょーぶみゃ。ちゃーんと勝たせてあげるみゃ」

「……本当ぅ?」


 まだ防衛戦時のことを根に持っているらしい。

 どこ吹く風でウリエラは指示を出す。


「どんなにでっかくても、『足』がついてるなら対処法は同じだみゃ」

「あんだけでっかいなら、『足』一本無くなるだけで身体が支えられなくなるにゃ」

「なるほど! 足を狙えばいいんですね!」


 単純な話だった。

 六本の『足』を持つ移動要塞だが、その意味合いは普通の生物とは全く異なる。

 同じ六本足でも昆虫ならば一本無くなっても何とかなるかもしれない。

 しかし、移動要塞はそうはいかない。足を六本も備えているのは蟲を模しているからではなく、それだけの数がなければ体を支えることができないからなのだ。

 だからウリエラたちの考え通り一本でも足を奪えば体を支えきれずに自壊することだろう――崩れないにしても、もはや移動時のバランスを取れなくなり動けなくなるのは間違いない。

 エル・アストラエアに向けての砲撃も厄介だが、それ以上にこの巨体で動かれる方がより脅威だ。すでにがれきの山と化してはいるが、本格的にエル・アストラエアに何も残らなくなってしまう。

 それを防ぐためにも、とにかく『足』を封じることが一番……そうウリエラたちは考えた。


「では、いきましょう!」


 本丸である移動要塞を狙われてラグナ・ヴァイスも黙って見ているわけがない。

 《ゴーレム》に足止めされていた軍勢も呼び戻しつつ、修復の終わったものも出撃させて向かってくるガブリエラたちを迎撃せんとする。


「邪魔ですよ! クローズ!」

「ほいじゃ、また蹴散らすにゃー」


 向かってくるラグナ・ヴァイスたちをいちいち構っていられない。

 三人は先ほど同様に蟲団子ハンマーを作って薙ぎ払いながら移動要塞アルファへと接近、高層ビルのような足へとハンマーを叩きつける。

 ……が、さすがに大きさが違いすぎる。移動要塞はびくともしない。


「……むー、大きさが違いすぎますね……」


 硬い金属同士のぶつかり合いといえども、サイズの違いはどうにもならない。

 多少の凹みはできたかもしれないが、これでは魔力を使い切っても足を砕くことは無理だろう――更に他に五機も控えているのだ、このやり方ではどれだけ時間と魔力を使っても倒しきれるものではない。


「問題ないにゃ。りえら様、踏まれないように気を付けて『膝』まで昇るにゃ!」


 この程度の攻撃でどうにかできる相手とはもとより思っていない。

 サリエラは冷静に相手を観察し、すでに移動要塞を下す方法を思いついている。


「うりゅ、準備を頼むにゃ!」

「りょーかいみゃー。アニメート!」


 蜂型の攻撃を搔い潜りながら二人は準備を進める。

 ラグナ・ヴァイスは攻めてくるものの、移動要塞たちは反撃を仕掛けてくる様子はまだない。


 ――……みゅー、なんか不気味みゃー……小物には反応しない、とかならいいんみゃけど……。


 防衛網が薄いというわけではないが、あまりにも移動要塞自体に動きがなさすぎる。

 無防備といっても過言ではない。

 ラグナ・ヴァイスの物量による防衛に絶対の自信があるせいなのか、ウリエラの考え通り小さな目標には頓着しないようになっているのか……。

 わからないが、かといって攻撃の手を緩める理由はない。


「昇りました!」

「おっけにゃ! うりゅ!」

「ほいみゃー! ビルド《ビッグペイル》!」


 アルファの右前足、膝部分まで三人は到達。

 そこで地面から操霊魔法アニメートで運んできた土を大きな『杭』へとビルドする。


「りえら様、今から指示する位置にこの杭をぶん投げるみゃ!」

「ええ、わかりました!」


 凝縮された土と石の杭を更にブラッシュで強化、それをガブリエラが正確に指示された位置へと向かって投げつける。

 そこは、膝関節を構成する部位の『隙間』だった。

 ガギンッ、と大きな音がするとともに杭は巻き込まれ砕かれるが――


「! 止まった!?」

「ま、そりゃそうなるわにゃー」


 完全にではないが、右前足の動きが目に見えてわかるほど鈍った。

 膝を砕いたわけではないのですぐに動くかもしれないが、関節部に『異物』が紛れ込んだことにより駆動が阻害されているのだ。

 巨大であることは利点でもあるが、構造によっては大きな欠点と化す。

 無数の『部品』によって構成されている機械は、ほんの少しでも異物を巻き込んでしまうと動きが悪くなってしまう――それを強引にパワーで押し通すことはもちろん可能だが、今アルファが巻き込んでいるのはただの土塊ではなくブラッシュによって諸々強化された、土塊どころか鉄塊にも匹敵するものだ。

 そんなものをデリケートな作りの関節部に巻き込んで無事で済むはずがない。


「りえら様、今のうちに接近してぶっ壊すみゃ!」

「あたちもクラッシュを使うにゃ!」

「はい!」


 動きの鈍っている今のうちに接近して、後はガブリエラのパワーとサリエラの破壊魔法クラッシュで膝関節を完全に破壊する――それがウリエラたちの考えた作戦だ。

 何も移動要塞全体を完膚なきまでに叩き潰す必要はない。

 動けないように足を封じ、自壊を誘う――仮に自壊せずとも、動けなくなった隙に他五機を順に片付けてからとどめを刺せばよい。

 敵はあまりに強大には見えるが、やるべきことはいつもとそう変わりはない。それがウリエラたちの見解だった。


「……思ったよりも楽に片付けられそうですね♪」

「そうだみゃー。ま、油断は禁物だけどみゃ」


 数は多いし図体はデカいが、思ったほどの脅威は感じない――ガブリエラの感想は的を射ていた。

 少なくともユニットであれば所持している魔法やギフトの性能が多少は影響するが、そこまで苦戦する相手とは思えないし、事実ガブリエラたちも苦戦はしていない。

 この調子で移動要塞型を無力化していければ、エル・アストラエアを守り切ることはできるだろう。ラグナ・ヴァイスをすべて片付けてラビたちの救援に向かうことも不可能ではない――時間的に少々厳しいのにはやはり変わりはないが。

 三人の心に少し余裕ができた時、ラグナ・ジン・バランたちに動きがあった。


「えっ!?」

「にゃにゃっ!?」


 突如、アルファの近くを浮いていた浮遊要塞ベータが動き始めた。

 『傘』状のパーツ――巨大な羽根のような傘を広げる。

 その傘の内側にはいくつもの砲台が備え付けられており、それらの砲口がガブリエラたちの方を向いたのだ。


「拙い……!? リュニオン《ウリエラ》《サリエラ》!」


 瞬時に危険を察したガブリエラが二人と合体リュニオンし、その場から飛び立つ。

 次の瞬間、三人のいた場所に向けてベータからの砲撃――弾頭ではなく青く光るレーザーが撃ち込まれる。


《み、味方ごとかにゃ!?》

《りえら様、他からも来るみゃ!》

「ええ!?」


 ラグナ・ジン・バラン同士の攻撃は通じない――というわけではない。

 『ゲーム』のシステムに縛られているユニットならともかく、『ゲーム』外の存在であるラグナ・ジン・バランたちは当然のことながらフレンドリー・ファイアは成り立つ。

 幾条ものレーザーを浴び、アルファの右前足は焼き切られ、その巨体が崩れ落ちていった。

 ……そして更にそれにも構わず、他の四基もまたベータに同調し攻撃を開始。

 浮遊要塞型のデルタ・ゼータはベータ同様にレーザー砲を、地上要塞型デルタ・イプシロンは砲撃ではなく胴体部分や発射台カタパルトに備え付けられていた小型ミサイルポッドから無数のミサイルを放ってくる。


「こ、これは……!?」

《ヤバいにゃ、とにかく回避するにゃ!》


 絶対にありえないというわけではないが、理解しがたい行動だった。

 まるでアルファが味方の攻撃で壊れても構わない……そう思っているとしか思えない。

 事実、集中砲火を浴びる形となったアルファは右前足どころか体の各所に砲撃を浴びて崩れ落ちていく。

 不気味なのは、実際に攻撃を受けているアルファ自身もまた、自分の体へと向けてミサイルを放ち続けているということだ。


《攻撃ルーチンがバグってるとしか思えないみゃ……》


 咄嗟にリュニオンしたおかげで助かった。

 もしバラバラに動いていたとしたら、ガブリエラはとにかくウリエラとサリエラはやられていた可能性が高い。それほどの攻撃の密度であった。

 ガブリエラとて、全力で飛行して逃げ回りながら、どうしてもかわせないものをオープン・クローズで逸らさなければならないほどだ。

 それはともかく、敵の攻撃は完全におかしかった。

 味方への損害を気にせず攻撃する、というのであれば緒戦のラグナ・ヴァイスの時からやるべきであったろう。そうすればガブリエラたちはもっと苦戦していたはずだ。

 巻き込むにしても戦闘中に修理が不可能であろう移動要塞型ではなくラグナ・ヴァイスの方であるべきだし、合理的とはとても言えない行動である。


「でも、チャンスはチャンスかもしれません。この調子で他のおっきな敵を巻き込めれば……!」

《……そうかもしれないみゃ》

《ちょっと解せにゃいけど、確かにチャンスかもしれないにゃ》

「というわけで、やってみましょう!」


 謎はあるが、確かにガブリエラの言う通りある意味チャンスではある。

 どう攻撃すればいいのか迷う巨体だが、さすがに同サイズからの攻撃であれば普通に通るようだ。

 崩れ落ちるアルファ同様、他の五機も同士討ちを誘って数を減らすことはできるかもしれない。

 早速ガブリエラは、次はアルファと対になっていたベータの方へと攻撃をよけながら向かう。

 予想通り、そちらにも他四機からの攻撃が集中し、あっという間に特徴的な傘がボロボロにされベータは地上へと落下していった。


「やりました!」

《…………やっぱりなんか不気味みゃ》

《まるでわざと――》


 ようにしか見えない。

 そんなことをするメリットが全く思い当たらないが、敵の行動を『合理的』に説明しようとするとそうとしか言いようがないのだ。

 無邪気に喜ぶガブリエラと対照的に、ウリエラとサリエラは不気味な行動にますます警戒の色を強めている――が、何に警戒すればいいのかもわからず戸惑いも大きい。




 続けてガンマ、デルタを同じような手であっさりと落とし、残るはイプシロンとゼータの地上型浮遊型共に一機ずつとまで減った。おまけに、修復のため回収していたラグナ・ヴァイスも巻き込まれて潰され、迫ってきていた分もやはり巻き込まれかなりの数を減らしている。

 時間も想定よりかなり早い。

 もっとも数が減った分、同士討ちの効率も下がり続けているので最終的には自力で何とかする必要があるのだが……。


「どちらを先に?」

《浮いてる方かにゃー?》

《地上の方は多分、最初のやり方でいけば倒せると思うみゃ》


 同士討ちで倒すのはゼータの方だろう。

 地上型のイプシロンならば、二人の言う通り自力で倒すやり方はわかっている――浮遊型の方はどうすればいいのか考えつかないというのもあるが。

 イプシロンのミサイルをゼータの方へと誘導し、落とそうとしている時にガブリエラは言いようのない『悪寒』を感じた。


「!? また……!?」

《どうしたにゃ、りえら様?》

「やっぱり、『何か』が近くにいる……!?」


 正体はわからないが、確実に『何か』がいる気配だけはする。

 それも、移動要塞型やラグナ・ヴァイスとは比較にならないほど『危険』と思える存在がだ。


『ぬぅむ……』

「今、何か……?」

《き、聞こえたみゃ》


 まるで周囲一帯に響くかのような、奇妙な『声』が聞こえてきた。

 どこから声がしているのかはわからない。

 しかし、移動要塞たちの放つ砲撃の轟音に紛れて確かに三人は『声』のようなものを聞いた。

 攻撃を回避しつつ発信源を探ろうとしだしたのに合わせるかのように、三人にとって予想外の事態が起きた。

 崩れ落ち行動不能のスクラップと化したはずのアルファたちの体が持ち上がったのだ。


「ま、まだ動けるのですか!?」

《いや……違うにゃ!?》


 立ち上がったではない。、だ。

 クレーンで吊り上げられたかのような、不自然な持ち上がり方をしている。

 そしてそれだけではなく、いつの間にか周囲に『糸』が張り巡らされ、ガブリエラの身体を絡めとる。


「いつの間に!?」


 絶対に先ほどまでは存在していなかったはずだ。

 空中に突然現れたとしか思えない出現の仕方である。


「いけない……!」


 『糸』の謎は考えている余裕はない。

 動きを封じ込められたガブリエラへと向けて、イプシロンとゼータが集中砲火を放った……。

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