第26話:四条家と土御門家
翌日は授業を休み、土御門さんと共に四条家に赴いていた。
「優希さんここって……」
タクシーを降りた俺と土御門さんは、南禅寺近くの大きなお屋敷の前に居た。
「うん、土御門さんの強化案の一つで式神を覚えて貰おうと思ってね」
「式神! 式神って呪術○戦で伏○さんが使ってたあれですよね!」
目をキラキラさせながら詰め寄って来る土御門さん、近い……。
「うん、それに似たような奴だね。昨日は犬だったり蛇が出て来たよ」
「カッコいいですね!」
うん、だから近いって……。
「とにかく、今回は基礎から教えてもらうから凄いのとかは出来ないと思うけど、修練すれば出来るようになるから頑張ろうね」
「はい!!」
これで、憑代での戦闘が出来なくても式神による直接戦闘が出来る様になるし、もし全部覚えれれば憑代と形代、オマケに式神の1人軍隊が出来るようになる。
「お待たせしました、ご当主様のご友人ですね、伺っております」
呼び鈴を鳴らしてから5分、着物の女中さんが門の隣の小扉から出て来た。
「ではお二方、こちらへどうぞ」
中に入るとゴルフカートが用意されていて、それに乗る。
「武道場の方へ向かいます、少し揺れますので身を乗り出さない様にして下さい」
女中さんから説明を受け、走り出す。正面のロータリーを避け右側にある坂を上り始めた。
◇◆◇◆
それから坂を上り、小さな丘に作られた武道場へ到着する。
「では、こちらでご当主様がお待ちです」
重厚な扉が自動で開く、中に入ると昨日とは違い、ラフなTシャツにスキニージーンズの三条さんが居た。
「お待たせしました三条さん」
「お、おまたせしました、本日はよろしくお願いします!」
「ようこそ、おいでなんし、上凪さんと土御門さん」
あれ? 土御門さんの名前、伝えたっけ?
「それは、私の十八番だからだよ~」
そう言えば情報収集が得意って言ってたな。
「元々、私の式神は偵察や潜入の方が得意だからね。正面切ってこの間みたいに戦うなんて凄う稀な事なんだよ」
「そうなんですか? でもその割には戦闘力云々言ってましたよね?」
「そりゃ、護身用だからねぇ、とっておきの隠し玉みたいなもんさ。その隠し玉も上凪さんにやられちまって困っているけどね」
不満あり気な目を向けて来る、そう言われてもなぁ……。
「うーん……式神って結局の所、なんなんですか? 生き物なんですか? 具現化した魔力なんですか?」
生物なら蘇生や回復もある程度は効くし、魔力で作られたものなら一時的に欠損しているだけだろう、兎も角実態を知りたい。
「うーむ、長うなるけど、一つづつ話して行きんしょうか、っとその前に自己紹介しんしょう。私は【四条家】27代目当主、
「わ、私は土御門
「そんな、固うならなくて良うござりんすえ。結菜ちゃんとは長い付き合いになりそうでありんすし。燐さんとか燐お姉様とか砕けた呼び方して欲しいねぇ」
「わかりました。そ、それでは燐さん、よろしくお願いします」
「はい、ありがとうねぇ。上凪さんも気軽に燐と呼んでくれると嬉しいわぁ~」
「あー慣れないんで四条さんで……」
「いけずやわぁ……まぁ、追々呼んで貰えば良いわね」
そう言ってホワイトボードを引っ張って来る四条さん、重そうなので代わりに引っ張ってあげる。
「ほんと、そういうとこでありんすわ」
「そういう所ですねぇ……」
なんか二人が頷いているけど、訳が分からない。
「まぁいいわ、説明していくわね。基本的には調伏や契約した神霊や霊を自己の支配下に置き使役するわ。でも時には飼育してる生きた小動物や鳥類も使用するわ」
可愛いイラストと共に、注釈が書かれていく、以外にも見やすいしわかりやすい。
「ふむ、つまりは霊的なモノを魔力を与えて実体化してる訳か。その一方で消費を抑える為に飼育してる生き物を一方的に呼び出してる訳か」
「そうね、この力……霊力を呼んでいたけどそれが魔力というものならそうなるわねぇ」
「霊力ですか……」
「そうやぁ結菜ちゃん。過去、土御門の一族は霊力が低うござりんしたからか式神は使わずにやっていたみたいやけど、外の血が混じった結菜ちゃんなら出来るかもしれないねぇ……」
そう言って笑う四条さんに、きょとんとした顔をしている土御門さん。
「何で燐さんは、私の家の事を?」
「それは、昔に四条の家との繋がりがあるからでありんすよ。とは言っても分家の分家やけどねぇ」
式神が持って来た冊子を開く、どうやら家系図みたいで分家やその末家の婚姻等も書かれている。
「ほんとだ……ひいひいお爺ちゃんが、分家の分家の人と結婚してる」
「しかも、面白い事に。そのお爺さんの母君がまさかの一条家の血が入ってるんよ」
飄々と言う四条さんに驚いた顔を向ける土御門さん。
「えっ? 一条ってあの?」
「そうやわぁ、土御門の一族も必死でありんしたんだろうねぇ、昔に安倍晴明の血筋から別れた陰陽師としてのプライドがあったんでありんしょうねぇ」
「そうだったんだ……」
「まぁ、そういう事で。実践訓練と行きんしょうか!」
三条さんが拍手をすると器用に鳥籠を咥えた、二匹の犬の式神が入って来た。
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作者です。
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