第6話:近接講義ではなく魔法講義になりました

それから後方支援組は自身の魔力の流れを感知してもらう練習をしててもらう、今の内に前衛組の方に向かう。


「はーい、じゃあこっちの皆も始めようか」


「「「「「はい!!」」」」」


「それでじゃあ皆が知りたいであろう、事から先に説明しちゃおうか!」


先程と同じ様に人が持っている、潜在的な魔力によって武器の貫通力等が変わる事を教える。


「ここで一つ、近接メインの君達には勘違いしてもらいたくないんだけど、武器に魔力を込めまくった所で切れ味に大きな変化無いんだ。まぁ丸太の様に大きな手足を両断するにはそれ相応の強化と筋肉が必要になるけどね」


そう言うと、露骨に皆が落ち込む、まぁ魔力をただ込めただけじゃ正直そんなに変わらないからね。


「そこでだ、今から3つのグループに分けて訓練を行おうと思う」


そう言うと、皆が不思議そうな顔をする。


「うん、一つ目が〝魔力が凄く多い人〟二つ目が〝そこそこの人〟三つ目が〝少ない人〟だね」


「上凪さん、質問が!」


「はい、なんでしょう?」


「魔力が少ない人は、鍛錬次第で伸ばすことが出来ないのでしょうか?」


ポニーテルの小柄な女子が真剣な眼差しで聞いてくる。


「良い質問だ、魔力は鍛錬次第で伸ばせるし効率的に使う事が出来る」


そう言い切ると、皆の顔が明るくなる。


「それじゃそれじゃ! 上凪さんみたいにどばーっと魔法を使う事は出来るんですか!?」


「うーん……それは凄く難しいかな。知っておいてもらいたいんだけど、俺や魔法使いとして認められてる耀の様に魔法を覚えて使うには結構集中力が必要でね。その前に魔法って相当魔力を使うんだ」


「えっと……どのくらいですか?」


「うーんとね……そうなると、まずは魔法の説明からになっちゃうな……まぁいいか。お~い後方組、こっち来れるかー?」


そう呼びかけると、魔力循環の練習をしていた人達が寄って来る。


「よし、じゃあ魔法について説明をしようか、そうだな……魔法って何だと思う?」


俺の問いかけに、皆物思いに耽る。そして思い思いに答える。


「万能の力?」「特定の物理現象を引き起こす?」「でもそれだと、上凪さんの空間から出し入れしてる魔法は物理法則に従わない現象だよね?」


そこで土御門さんが手を挙げる。


「はい、土御門さん」


「言葉を用いた儀式ですか?」


「うん、割と近いかも。言葉が無くても発動出来るんだけど、儀式ってのは間違って無いかな。それに物理現象を引き起こすのもあってるし、万能ってのもあながち間違いじゃないね。まぁ詳しくは、俺もよくわかってないけどね」


今までは魔法の使う時に魔力を使って物理現象を引き起こしてるだけかと思ってたけど、ここ最近での異世界転移や復元魔法とか正直わけがわからないよ。


「「「「「えぇ……」」」」」


皆が呆れた様な目で見て来る。


「あはは……だって火の魔法は酸素が無くも燃えるし、回復魔法は切った腕がくっつくよ? 転移魔法は世界だって移動できるんだよ、よくわからないってのが本音だし……」


「でも、それじゃあ魔法を使うのが難しいってどういうことですか?」


「うーんとね、魔法の発動に必要なものは二つ『イメージ』と『魔力』なんだ」


そう言って無詠唱で拳大の火球ファイヤーボールを出す。


「例えばこの『——ファイヤーボール』これはまず、炎を出す魔力・大きさや形を纏めるイメージと魔力が一度に必要になる、するとちょこっと火を出すのに比べて凄く魔力が必要になるんだ」


俺の言葉に頷く皆。次に的になるように土壁を作る。


「それでこれを投げるとする。無論火の玉は持てないから魔力で飛ばすことなるね、飛んでいくイメージと」


投げつけた火球ファイヤーボールは土壁に当たり砕ける、少し焼けただけでビックともしていない。


「まぁここまでは魔法を使う時の説明なんだけど……もう一つ、皆には大前提として覚えて欲しい事があるんだ」


「大前提……ですか?」


先程質問をしてきたポニーテールの女の子が聞いてくる。


「うん、皆には身体強化って言う魔力で肉体を強化する術を出来るようになって欲しいんだ」


「身体強化ですか?」


「うん、わかりやすく実演してみようか……」


用意していた投げる用のナイフを取り出す。


「うーん……巴ちゃん、任せた」


「えぇ……妻に自分を刺させる夫がどこにいるんですか……」


「あはは……魔力纏わせないでね」


服を捲り上げ巴ちゃんの正面に立つ。


「はい、じゃあ行きますよっ!」


「「「「「えっ? えっ?」」」」」


曲がらない様に手を添えた状態で思いっ切り刃を突き立てられる。


――ガキン!


硬い音共にナイフが身体強化した腹筋で簡単に止まる。


「うぅ……痛いです……」


「ごめんごめん、ありがとうね」


巴ちゃんの手を擦りながら回復魔法をかける、柔らかい手がもちもちでいくらでも触っていられそうだ。


「「「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」


たっぷり待ってから、今日一番の驚きの声を貰ったのだった。



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作者です。


【ファンタジー長編コンテスト】へ出しております!読者選考期間も終わりまして中間突破が出来ればと思います!


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毎日、そしてここまで読んでいただける方、ありがとうございます!

読んでいただける方には感謝しかありませんが!!


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