【250万PV突破】【転生陰陽編開始！】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど！？〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【毎日更新】

第15話：思いと想い【改稿版】

「んっ……んんっ……今、何時だっふぁぁ……」

　その日は、何故かいつもより早く目が覚めた、いつもは7時くらいに起きるのだが１時間ほど早く起きてしまった。

(昨日のこともそうだけど、やっぱり耀と話せなかった事が引っかかってるのかなぁ……)

　今は遠くの幼馴染と唯一繋がっている充電中のスマホをぼーっと眺めていると突如着信が届く。

　いきなりの着信に驚きながらもロックを解除する、すると聞こえた声は先ほど考えていた相手だった。

「もしもし、耀か？」

『私がかけてるのに、私じゃない事あるの？』

「ははっ、そうだな。ごめんごめん」

『まったく……』

　いつもなら出てくる会話も、何故か上手く出てこない……。

「あの……」『あの！』

「そっちから！」『そっちから……』

「ははは」

『ふふふ』

　ひとしきり二人で笑った、そうしたらなんか肩の力が抜けてきた。

『なーんか、変に緊張しちゃってたわね』

「そうだな……」

『ねえ優希……』

「何だ？　耀……」

　耀の声が少し硬くなり、息を呑む声がする。

『私、探索者になろうと思う、だから「そうか、じゃあ俺もなるよ」え？』

「とゆうより、もうなったんだけどね」

『えっ？　どゆこと？』

「昨日さ、綴さんが来て、許可証を置いていったんだよ。それに綴さんから耀が面倒な立場に置かれいている事も聞いたよ。だから俺もちゃんと立場を得て耀の隣に立つよ。その為に綴さんにも協力してもらう事にもなったし」

　実は昨日綴さんから許可書もらうついでに、耀を取り巻く状況も色々説明もされた。

『優希……それって、プロポーズ？』

「ちょ、人がせっかく真面目に話してるのに茶化すなよ」

『いやいやどう考えてもプロポーズじゃん、私の面倒な事情を聞いてそれで隣に居ようと思うなんて、そう思われても仕方ないよ？』

　通話口で耀が言う、深く考えて無かったけど確かに言われればそう思えて来る。

「うーん……それを言われると……」

『まぁまあ！　それは、直接聞きましょう！』

　早口でまくし立てる耀、なんだか顔が熱い

「わ、わかったよ、耀は何日かそっちに居るんだろ？」

『そうだね、どのくらいになるかわからないけど。里菜さんと一緒に居ることになりそうだし』

「里菜さん？」

『そっ、鳳里菜さん』

「あぁ、あの美人の人か……」

『……は？』

　途端に耀の声が低くなる、俺何言ってるんだ！？

「あー、一般的に！　一般的にだからな！」

『へぇ……』

「あ、やばいもう起きないと！」

『あ、ちょっと優希！！』

　誤魔化して通話を切ろうとする手が止まる。

「耀、帰って来たらちゃんと話そう」

『——はぁ……わかったわ』

「それじゃあお土産まってるよ、気をつけて」

『そっちも、無理しないでよ』

「じゃあ、また……」

『うん、またね……』

　通話を切ると、そろそろ起きて準備してもいい時間だった。

　◇◆◇◆◇◆◇◆

　それから昨日と打って変わって上機嫌で学校へ行く、するとクラスメイト達から声が掛けられた。

「なぁ上凪、随分機嫌が良いけどどうしたんだ？」

「そうそう、上凪君。昨日は死んだ様な顔してたじゃん」

「もしかして、水城さんと何かあった？」

「まさか、本妻が居ないからって浮気！？」

「いやいや、水城さん大好きな上凪に限ってそれは無いって」

「えー、でも意外とこういうぞっこんタイプが……」

　皆が矢継ぎ早に声を掛けて来る。

「えっ、あっと……」

　突然の事でビックリしてしまい、どもってしまう。

「ほらほら、一気に質問しないの！　上凪君困ってるでしょ！」

　割って入って来たのはクラス委員の女子だ、快活な性格でクラスでも人気である……名前何だっけ？

「ゴメンね、上凪君。皆、水城さんが急に休んで何があったのか心配だったし、昨日は上凪君死んだ様な目をしてたから……」

「俺、そんなにヤバかった？」

「えぇ」

「あぁ、干物みたいだった」

「萎れてたし」

「飯も食べて無かったでしょ」

「話しかけづらかったし」

　皆が次々言って来る、俺そこまでなってたのか……。

「それで、今日になったら元気になってるんだもん」

「もう、何かあったとしか思えないよね」

「うむ、浮気はいかんぞ」

「えー上凪に限ってそれは無いよ……」

　おい、皆俺を何だと……。

「それで、水城さんは？」

「あ、あぁ。耀は今両親の所……スペインに居るよ」

「マジで！？」

「スペイン！？」

「というかハーフだったんだ！？」

「いやそれぐらいはわかるでしょ！」

　教室が騒然となる、というかこれ言って良かったのかな？　後で謝っとこ……。

「それと、少し向こうで過ごすみたいで、帰ってくるのは結構先になりそうだよ」

「マジか……クラスの華が……」

「俺、もう学校来なくて良いかな……」

「せっかく水城さんと同じクラスになれたのに……」

　肩を落として泣き始める男子諸君。

「ちょ！　それどうゆう事よ！！」

「このアホ男子共は……」

「男子サイッテー！！」

　そして女子が怒り出す。

「あはは～、それじゃあ上凪君、水城さんの事教えてくれてありがとうね」

「あぁ、でも教えて良かったのかな……」

「まぁ、男子共は自業自得でしょ……」

　肩を竦めるクラス委員の女子、彼女が仲裁に入って行くのを見届け俺は席に着いた。

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