第49話:聖剣の在処と邪神の討伐方法

俺とシアの会話にブチ切れたバルダーンがどこからかクロスボウを取り出して撃ってきた。


「ほいっと」


「んなぁ!?」


眼前で矢を掴み止めると、バルダーンが唖然としている。


「危ないなぁ……」「なっ!?」


「ご主人様なら刺さらないでしょ」「なっ!?」


「いやいや、それでも痛いから」


「何なんだ貴様ぁ!!」


青筋を立て、机をバンバンと叩きながら言う。


「えー? 次期魔王だけど」


シアがしたり顔で言う。


「は?」


ほら固まっちゃったじゃん……。


「シア……」


「良いじゃないですか、どの道名乗る予定だったんですよね?」


「そうだけど……出来ればカッコよく名乗りたかったなぁ……」


躁血魔法で以前見せた魔王の姿に変える。


「きっ、貴様は!!」


わなわなと震えながら指を指すバルダーン。


「まぁ、面倒だから伝えるよ。数千年の時を超えた今、聖剣の封印より解き放たれた俺は蘇った」


「せ、聖剣だと!?」


「あぁ、この世界に蘇ったのは聖剣の継承権を持つ者を殺す事だ」


「んなぁ!?」


リアクションが大きくて、こっちも楽しくなってくる。


「そうだ、この者から知識を得たが、この国の王は代々聖剣を継承していると知った」


「クソッ、なぜそれを!!」


「簡単な事を……、聖剣に封じられていたんだ当然だろう」


赤色のLEDライトを右目辺りで光らせる、すると大きく汗をかいたバルダーンが後退る。


その瞬間部屋の扉を壊して、武装した兵士達が流れ込んできた。


「王を守れ!!」


「良い所に! こやつを殺せ!!」


「「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」」


「チッ、分が悪いか。引くぞシア!」


「はっ、魔王様」


シアを抱き寄せ入って来た窓から飛び降りる、風魔法で空を飛び城の上空から離脱した。



◇◆◇◆◇◆◇◆

◇クロコside◇


「はぁ……はぁ、貴様ら、助かったぞ」


バルダーンと呼ばれたおじさんの元に私は潜んでいた。


「しかし、昔話の産物だった魔王が本当に居たとは……」


「……」


「聖剣か……」


おじさんが背後の本棚を弄ると扉が開く。


「(このまま付いて行こう)」


影から影に潜みながら付いて行く、すると一つの剣が石に刺さっていた。


(綺麗……)


炎の光に照らされた剣は少し錆びているが綺麗な色をしていた。


「クソッ、あ奴は聖剣の継承者が王になると言っていた……」」


おもむろに剣の柄に手を触れ引き抜こうとしている。


「ふぬっ! ぐぬぬぬ!!」


(抜こうとしてる? じゃああれが聖剣?)


しばらく頑張っていたが駄目みたいで諦めて部屋を出た。


「クソッ、仕方ない。剣を作らせるか……」


(おにーさんに伝えなきゃ!)


おじさんが文句を言っていたが、私は影を伝い外へ出た。



◇◆◇◆◇◆◇◆

城下の宿で簡単な夜食を作って待っていると、足元からクロコが出て来た。


「早かったね、クロコ」


「おかえり~、スープ飲む?」


「はい、ありがとうございます!」


温かなスープをシアがクロコへ手渡す、ふーふーと冷ましながら美味しそうに飲んでいる。


「美味しい? ご主人様が作ったんだ~」 


「美味しいです!」


「そっか、良かった。沢山あるから食べてな」


それからたくさん食べた後、クロコがバルダーンの部屋で見た事を教えてくれた。


「そうか、隠し部屋にあったのか」


「でもご主人様、魔力は感じなかったの?」


「したんだよ、ただ2~3個魔力が感じたしこの間ミローズで売ったアクセサリーかと思ったんだよね」


「という事は、相当弱体化してるって事?」


「うーん、どうなんだろう。でも、二千年経ってるしなぁ……」


考えていると急に重みがかかった。


「……すーっ、すーっ……」


お腹いっぱいになって、寝落ちたクロコが倒れ込んできていた。


「あらら~寝ちゃったね」


「そうだね。偵察、頑張ってくれたし……よっと」


クロコを持ち上げてベッドに寝かす。当初の目的である聖剣の場所はわかったし万々歳だ。


「さて、それじゃあ俺も寝るかな」


「え~ご主人様、夜這いはぁ?」


「し・な・い!。ほら、もう一つのベッド使っていいから」


寝袋を出して寝転がる、ぶーぶー言っていたシアも、ベッドに入り寝息を立て始める。


「さて……防御魔法をセットして、おやすみ」


返事は寝息だけど、俺もそのまま眠りに落ちた。



◇◆◇◆◇◆◇◆

俺は目が覚めるとマリアンを呼んで話をしていた。


「さて、聖剣はクロコのお陰で見つかったのは良いんだけど……」


「何か問題があるんですか?」


「邪神の核が見つからない無いんだよね……」


「無くなったとかですか?」


「流石にそれは無いと思う」


前に王都で感じた邪神の感じと、グレイウルフに投薬されたものが同じことを伝えた。


「そうだったんですね、じゃあこの世界にはまだ存在するわけですか……」


「という事で、マリアンここ十年の聖剣の動きを調べてくれ」


「わかりました~、はぁ!?」


「え? 無理そう?」


「いや、大丈夫ですが……ひと月くらいかかりますよ?」


「マジか……まぁ良い頼む。それと勇者達は?」


そういえばあの三人はどうなったんだろう?


「えっと……今は220階層で修行中です、もう少しで邪神のレベルが越えれるのでそれ次第ですね」


「わかった、それと神器みたいなものは無いのか?」


結果的にわかったのは俺が作った武器じゃ封印が精一杯なんだよなぁ……。


「出来ない事も無いですが……優希さんの力が必要ですね」


「俺の?」


「はい、私の神の力だけじゃ足りないので、優希さんに武器を打ってもらって私が神力を込めた宝玉を作ります。それを使えば、邪神を完全討伐できる武器が出来るかと」


「そうか、なら一月なら丁度良さそうだね」


「はい、お願いします!」


そして話し合いは終わり、マリアンは戻って行った。




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作者です!

ドラノベコン用に急ぎで新作書いてるので更新遅れが出たら申し訳ないです!


明日にはドラノベコン用の新作が出来そうです!、中身は異世界ファンタジーにSFを組み合わせたものです!。

時間が足りないので中編ですが……。


一応簡単なあらすじを。

『人類の敵である竜に対抗してきた皇國、その皇國に世界制覇を目論む最強()な帝国が侵略をする。そして主人公と亡国の姫が邂逅するとき真の世界最強が立ち上がる。』

って感じの作品です!

もし良かったら読んでください!


↓ここからいつもの!

168万6000PV超えました!!ありがとうございます!

毎日、そしてここまで読んでいただける方、ありがとうございます!


♡も3万8300超えました!!毎日ありがとうございます!!

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