第45話:王都の情報屋
地下書庫を出た俺達は俺の探知とクロコの影魔法で王城内を進んでいく。
「それにしても無いねぇ……地下に降りる様な階段とかは」
「そうだね、僕が城に居た時も、そんな階段や部屋は見て無いよ」
「そっか……過去の時だけど、地下にあったんだよね」
「じゃあ、地下なんじゃないのかい?」「(こくこく)」
「それがね……さっきから地下に探知魔法を使ってるんだけど、力を感じないんだ」
流石に2~3千年経ってるから、剣自体が駄目になってる可能性はあるんだよなぁ……。
「それだと地下には、無い可能性が高いよねぇ……」
「そうなんだよね。だから余計に、さっきの資料が重要って事になるんだ」
「それじゃあ、帰って調べた方が良いよね」「(コクコク)」
「うーん……その前に、城下町に寄って行こう」
そのまま城を抜けて城下へ向かう。
「そういえば、どうしてご主人様は城下町へ?」
「いやね、前にここに来た時見たんだけど、広場に像があったじゃん」
「あーあったね! そういえばあの像って剣の聖女像って名前だったよ!」
「あ、やっぱり? よく覚えて無いけどそうだったのか……でも、アミリアが恥か死しそうだな……」
「そうだねぇ~アミリア様は絶対悶絶するだろうねぇ……」
そんな事を話していると像のある広場に到着した。
「「「おー!」」」
そこには今のアミリアと同じ姿の像があった、だが掲げた剣はただの鉄の塊だ。
「うーん、やっぱりあの剣も違うみたい」
「残念、じゃあ向こうに戻る?」
「その前に本屋に寄って行こう、ミローズで無かった本を確保したい」
「わかった、僕が行った事ある書店で良いかい?」
「そんなとこ行って、大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫、そこは情報屋も兼ねてるし。久しぶりに店主との情報交換をしたいしね」
そう言うとシアは、俺の先を歩いて裏路地へ向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
――カランカラン。
「こんにちは~店主いる?」
シアがそう言うと店の奥からどたどたとおじさんが走って来た。
「スティシア、もう任務は終えたのか!?」
「いやーそれがね……」
シアがおじさんに襲撃の失敗で聖女の護衛に殺されかけた事と、間一髪逃げ切って死にかけの所を商人の俺に拾われたという事を説明した。
「そうか、まだ任務は続いてるんだな……」
「そう、武器の補充と。ご主人様がいくつか探してる物があるから、ここに来たんだよ」
そう言ってシアが俺へと視線を動かす。
「これが私のご主人様、今は怪我の療養と簡単な護衛を仕事としてくれてるんだ」
「そうか、旦那がスティシアの命の恩人なんだな。それで、何が欲しいんだ?」
「えっと……」
ミローズで見つからなかったいくつかの書籍を言うと、全部揃えてくれた。
「なんだい旦那、教師でも始めるのかい?」
「いえいえ、ミローズの方で探してる方が居ましてね」
「そうなのかい、まぁ歴史書なんて珍しいもん欲しがるからには変わったお客なんだろう」
「ははは、それで店主。もう一つ相談が……」
「どうした? まだ何か欲しいものがあるのか?」
「そうだね、こいつを取引できそうな人を紹介してもらいたいんだ」
ロップルさんの作った細工品を出すと、目を開き驚いた様子をしている。
「こいつはかなりの上物だな、細工師としては超一流なはず……。旦那こいつをどこで?」
「行商で行った先の小さい村ですよ。そこで手先が、かなり器用な子がいましてね、試しに作らせらたら上手いのなんの」
「ほう……だから見た事無い造形なんだな」
「そうです、でも
「それで私が顔なじみだったとこにしたんだよ」
「そうか、じゃあ全部買い取ろう。銀細工の髪飾りは、一つ金貨10枚。ブローチや宝石を使ったものは金貨15枚でどうだ?」
「そんなに……いいのですか?」
ミローズでは大体金貨10枚前後の値段だったから驚きだ。
「あぁ、こんな造形や意匠は
「わかりました、それで手を打ちましょう」
「ありがとう、それじゃあ本の値段から差っ引いた金額を渡すな」
「あぁ、ありがとう。スティシアに渡しておいてくれ」
「わかった」
「じゃあ俺は少し出て来る、スティシア頼んだよ」
「はい、ご主人様」
手筈通り外に出ると中で二人の会話が始まった。
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作者です!
今回はクロコちゃんのステータス書いときます!
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【クロコ】 性別:女 年齢:11歳 種族:夜魔
ジョブ:孤児院のお掃除当番 Level:12
【転移】元々使っていた能力、生き物も無機物は影の中からならば転移出来る。
【収納】自分の身体サイズまでの物ならいくらでも収納可能、成長したりレベルを上げれば容量が増える。
【潜伏】影の中に潜り込める、かつ影の中なら自由に移動が可能。
【刃】果物ナイフレベルの刃を出す、込める魔力で強度が変化する。
称号:夜魔の子、掃除マスター、孤児院の影、影に潜む子。
備考
・元々【影転移】だけだったが、書庫での一軒で影魔法へと昇華、自分を影の中に潜ませたり。他者を引きずり込むことが出来る様になった。
優希とシア曰く、影の中は苦しくも無く気温も丁度良く居心地がいいとの事。
・元々掃除好きで影から影に行けるので掃除しずらい所も簡単に掃除が出来る。
好きな掃除場所は本棚の裏【影転移】で楽にお掃除できるからとの事。
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