第8話:会敵と殲滅①
城から飛び出して約1時間上昇と滑空を繰り返していると眼下に古い砦が見えて来た。
距離的には馬車で1日分進んだ距離だ。
「ここって……ミローズっぽい?」
砦の内には街があり、その形はミローズに似ている。そしてそこから長く伸びた城壁の様な壁の上には投石機や巨大弓が備えられている。
「うーん……ヤバいな。急ぐあまり速度を上げ過ぎて止まる方法が無い」
これ以上、空へ上ると酸素が薄くなっちゃうしどうしたもんか……。
「大きく円を描いて減速するかー……んんっ?」
遠くから明らかに異質な見た目の軍団が動いている、あれが相手の軍か?
「なんかデカいのいるし、あそこを着地地点にするか!」
躁血魔法で
身体強化+躁血魔法+強化した大盾を構え降下して突貫する。
「うおおおおおおお!? 早すぎるぅぅぅぅぅぅぅ!?」
「グオォ!?」
――――バアアアアアアアアアアン!!
「耳が……今後はノリと勢いはやめよう……」
を回復魔法で治すと、周囲の音が戻って来る。
「ギャッギャッ!!」
「ギャルルルル!!」
「ギャウ……ギャフッ……」
「ギギギギッギギ!」
振り返ると上半身が無くなったデカブツが灰と化していく、着地地点には半径3メートル位のクレーターが出来ている。
「盾はもう使えないかぁ、仕方ない……」
「さて残り2~3000匹か? かかって来いよ!」
真っ黒で骨の様な恰好の敵に飛び込んで3体ほど首を切り落とす、倒すと片っ端から灰になって消えていく。
「へぇ……これならカウンターメインでも戦えるっ……か!」
風の刃を飛ばし血で作った剣を周囲で回転させる。
「「ギャアアアア!?」」「グギイギギギギ!?」
片っ端から倒していく、返り血も無いので片っ端から切り倒す。
次々と倒していきその数が数百を超えると、敵も砦への進行から俺に標的が向く。
「さて、試してみるか……『躁血魔法——
空間収納に入っていた血をばら撒く、大体10メートル位の周囲に血が撒き散らされる。
「グギャ!?」「ギャァ?」
血を踏んだ瞬間入って来た敵が串刺しになる、核はあるようなので貫かれ瞬間灰と化していく。
それでも飛んでくる相手や大きな相手は、切り落としたり魔法で倒していく。
「このままどのくらい倒せるかな?」
(こいつら自体は一般の兵士も倒せるんだろうな。それにしても動きが短長
た……あの大物を倒したからかな?)
とすると敵には指揮官クラスが居てそいつを倒せれば本能的というか統率力が無くなる。
「だったら、前線で指揮官クラスを倒して。それから兵士の皆に倒して貰えばいいか……」
――――ドドドドドドドドドドドドドド。
そんな事を考えつつ片手間に倒していると地響きがいつの間にか迫って来てた。
「いけーーーー!! 敵は総崩れだぁ!!」
「「「「「うおおおおおおおおお!!」」」」」
いつの間にか砦の扉が開いて兵士や騎士たちが突撃してきた。
「わわっ! 躁血魔法解除!」
血戦陣を解除して血を回収する。丁度そのタイミングで騎馬たちが付近を駆け抜けていく、今ので数百は倒されている。
「うーん……騎馬で総崩れになる相手なのに将軍達が負けるって事は……」
本隊、又は主力攻撃部隊が居る?
「一応やっておくか……『——超広域探知』」
大体10キロに渡り魔物の核を探知する。
「やっぱりか……」
案の定というか何というか、戦場を大きく避ける形で森の中を大体一万の数が進軍している。
「となると……居たっ!」
指揮官っぽい人が最前線で突撃をしている、それに飛行魔法で追いつく。
「あの砦の指揮官ですか? って君は!」
鎧のヘルムを上げるとそこには昨日一緒に訓練をした軍務宰相のお子さんが居た。
「はい! 昨日は訓練ありがとうございました! 現在砦の指揮官は私が務めています!」
「そっか、この近くに敵の本隊が居るから俺はそっちに向かうね。ここは任せたよ」
「本隊ですか!? わかりました!こちらの残存兵はお任せください!」
「敵は雑魚ばかりだけど、油断はしない様にね!」
そう言って離れる、上空からざっと見たけど、この総崩れしている状態なら負ける程では無いだろう。
「さて……どうしたもんか……」
ああは言ったけど、相手は森の中を動いてるからなぁ……。
「罠を仕掛けるのが一番だよな。燃やすのは、不味いよなぁ……。いや、ありか?」
コントロール出来ない延焼は怖いけど、だったらコントロールできるようにすればいいんだ。
「よし……後は、準備を間に合わせれば……」
思いついた作戦を実行するために速度を上げるのだった。
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