第57話:追走戦②

襲撃者を処分し終えて森へ入る、探知魔法を常時発動して周囲に敵が居ない事を確認する。


「罠を作って行ってるな、さっきの連中が作っていったみたいだ」


「罠ですか……私にはわからないです……」


目を凝らしてみているが凄く巧妙に隠されているのでわからない、俺も探知魔法が無ければわからない。


「周囲に魔法を使って、おかしい部分とかを見てるからね」


「さすがユウキさんです!」


相変わらず大げさに尊敬してくれるセレーネ。


「まぁ危ないから解除していくか」


そのまま少し進むと風切り音と共に鉄の鞭が飛んでくる。


「はっ!」


刀で鞭を切り落とす。


「え? ユウキさん?」


「今罠が発動したからね、まぁ飛んできたものを斬っただけだけど。当たってたら首か顔が飛んでたね」


拾い上げて見せるとセレーネは顔を青くする。


「これからもこんな罠ばかりなのでしょうか……」


「うーん、わからないけど俺の後を走ってくれれば大丈夫だよ」


「わかりました!」


先程の引き攣った顔から一転、元気に返事を返してくれる。


「よし、じゃあいこう!」



◇◆◇◆◇◆◇◆

「ふっ! ほっ! とうっ!」


「ひゃあ! ひょおぉ! ふぇぇ!」


それから走っては、飛んできたり落ちてきたりする罠を迎撃しながら森を進む。


「セレーネ、大丈夫かい?」


「はい! 大丈夫です!! ってユウキさん前、前!」


「え?」


振り返ると落ちて来た岩をワンパンで砕く。


「びっくりしました……」


「大丈夫だよ~これ位なら簡単に壊せるし、これ以上になると斬った方が速いけどね」


「私もそれ位を斬れるように頑張ります!」


取り出した大太刀をブンブンと振りながら意気揚々としているセレーネ。


「……あまり無理しない様にね」


特殊な刀だから刃こぼれとかあるのかわからないけど、出来るのかな?。


「ともかくこれで森も抜けるし、出たら少し休憩をしようか」


「はい、わかりました!」



◇◆◇◆◇◆◇◆

森を抜け少し休憩と食事中リリアーナの位置を調べて説明する。


「かなり距離がありますね」


「そうだね、馬を変えてるのかかなり速い速度で動いてるよ」


「それは魔獣を使ってるんだと思います、魔族だとそういった魔獣を使役する種族がいるとリリアーナ姫様から聞いた事がありますね」


「へぇ~そんな魔獣が居るんだね」


「へ? いやいや城で飼われてますよ?」


「マジで!? 見た事無いなぁ……」


「えぇ!? この間も見たじゃないですか!!」


「この間? はて……」


心当たりがない……どこで見たんだろう……。


「あーその顔は分かってないですね! 私達を送り届けてくれた時に馬車を引いてた子ですよ~」


「え? アレ魔獣なの馬にしか見えなかったんだけど……」


「そーですよ、私も最初びっくりしました。王都だと大変が馬なんですけど、王城勤めの近衛とかが乗るのはその魔獣なんだそうです」


「へぇ……知らなかった」


「私、ユウキさんは何でも知ってると思いました」


「いや俺も、そこまで万能じゃないよ」


「えー嘘ですよ~」


凄く信頼されているのか万能と思われている様だ。


「万能だったら襲撃を予想して迎撃してたって~」


「え? 犯人を炙り出す為にやったんじゃ……」


「そこまで考えて無いよ!?」


「え?」


そう言うと凄く驚かれた顔をした。


「と、ともかく恐らくの魔獣で走ってると思いますのでかなりの距離を移動してると思います!」


「そうなんだ、この距離でまだ走ってるという事は魔王領から出るつもりかな?」


大体の位置を指差すとセレーネも怪訝な顔をする。


「そうですね……その可能性が高いですね」


地図を見ながら二人で予測ルートを考える。


「よし、それじゃあとりあえず普通に追うか」


「わかりました!」


残りの軽食を食べ、地図を空間収納アイテムボックスにしまって出発をする。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「国境まで来たね……」


「来ちゃいましたね……」


眼下に広がるのは戦闘が行われている地域で、広い荒野で野戦が行われている。


「馬車の後はこのまま進んでるね……」


「小競り合いの地域は日に二度戦いが行われているのですが暗黙のルールで休戦時間があります、恐らくその戦闘が行われていない時間を抜けたんだと思います」


「魔力で追えるから困らないけど、どのくらい時間がかかるのかな?」


「恐らく夜まで続きますね……」


「飛んで行っても良いけど……面倒だな」


「飛ぶ……ですか?」


首を傾げながらセレーネが俺を見上げる。


「あれ? 見せた事無かったっけ?」


「はい」


「じゃあ、ちょっくら止めてくるか……ここで待っててね」


飛翔魔法を唱え地上30メートルくらいまで上がり戦闘が起きている真上で止まる。


「えーっと……どこにあったっけなぁ……ああ、あった」


拡声魔法の魔道具を取り出してスイッチを入れる。


「マイクテスマイクテス……あー両軍武器を降ろして一旦引いてください。もう一度言います――——」



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作者です!

すみません更新遅れました……。

起きたら10時超えてました。


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毎日、そしてここまで読んでいただける方、ありがとうございます!


♡も3万3400超えました!!毎日ありがとうございます!!

☆1110超えました!!感謝!!

新規ブクマもありがとうございます!!

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