第40話:リリアーナ・ノーブルブラッディ③
リリアーナさんとの戦い(?)が終わり今はどうしてこんな事をしたのか聞いているタイミングだった。
「はぁー……つまりリリアーナさんは自分が死ねば俺が気をつかう必要が無くなるから魔力を出しきって死ぬつもりだったんですね……」
「はい……吸血鬼は血と魔力が生命線なので……」
「だからってそんな事しないで下さいよ……」
「えへへ……目の前で死ねばカミナギ様の記憶には残り続けると思いまして♪」
なんかちょいちょいヤンデレっぽい匂いがするんだけど大丈夫かな?
「困るからそれはやめてくれ……それにもうそんな事考えなくて良いから」
「ですが……カミナギ様とは結婚出来ないですし……」
「いや、だからなんでそんな早とちりしてるんだよ……」
そう言うとリリアーナさんはきょとんとした顔をしている。
「だから……リリアーナと結婚するって言ってるんだよ」
「ふぇ? えっ? えええええええええ!?」
真っ白な肌が真っ赤になっていく。
「という訳でよろしくなリリアーナ」
ぽかんとしているリリアーナへ手を差し出すとおずおずと手を握って来たので、そのままふわりと風魔法で持ち上げるすると魔薔薇も舞い上がり降り落ちて来る。
「美しいですね……」
「あぁ、綺麗だね、薔薇もリリアーナも」
お姫様抱っこ状態のリリアーナへ言葉を向けると、真っ赤になって顔を覆ってしまう。
「カミナギ様……言葉が本当にお上手ですね……」
「口がよかったらリリアーナをここまで困らせないで済んだんだけどね……」
「はぅ……それは私が先走ったのもありますので……」
「しかし、リリアーナがあそこまで戦闘中に性格が変わるなんて思わなかったよ、普段はベッドの上か運動してないイメージがあったから……」
「あうぅ……あの戦闘状態になるとあの性格になってしまうんです」
恥ずかしそうに顔を赤くしてそっぽを向く。
「そうなんですね、じゃあ無理しない様にしてもらわないと……」
「でもでも、私はカミナギ様達の為なら……」
「いやいや、それでリリアーナが死んじゃったら困るよ」
「私はそれ位でお役に立てるなら……」
「じゃあこうしよう、俺の奥さんになるなら死ぬことは考えない事。どんな事があっても絶対助けるから、諦めない事」
「カミナギ様……」
「でも、もし使わなきゃいけない時は存分に使ってくれ、その後の事はどうにかするよ」
「わかりました、カミナギ様の為に我が身命を賭して生涯お傍に侍らせていただきます!」
両手をぐっと握って気合を入れるリリアーナ、だから身命を賭さなくていいんだけど……。
「それと、リリアーナ」
「はい? 何でしょうか?」
「これからは優希と呼んでくれないかな?」
「ユウキ様ですか?」
「そうだね、奥さんになるなら名前で呼んでくれると嬉しいかな?」
「わかりましたカミナギ様! あっ!」
「あはは、これから時間はたっぷりあるし、ゆっくり慣れて行こう」
「はい!」
その笑みは氷華が
◇◆◇◆◇◆◇◆
◇アミリアside◇
ユウキとリリアーナ様の話し合いが予定されてた日、お城は大変な事になっていた。
「誰か! 衛兵が気絶した、担架を!!」
「こっちはメイドが失神しています!!」
「まずは落ち着いて、倒れた者達はホールに寝かせて大丈夫だ。それと城下はどうなってる?」
「はい! 城下の者達には事前告知をしていた為か大きな混乱は見られません!」
「そうか、それは良かった。おや、聖女様、どうかなされましたか?」
正式に婚約を断って以降私とノクタール様は【聖女様】と【魔王様】と呼ぶ様になっていた。
「部屋に居ても落ち着かなかったので……」
「あぁ、あの部屋からは庭が良く見えますからね、確かに心配でしょう」
庭から見える光景が、この世の終わりかという程破壊的で、そして見惚れる程の美しい光景だったので、気が気でなかったのだ。
「もしよろしければ、終わるまで別室をご用意させましょうか?」
「いえ、それでしたら皆様のお手伝いをしたいのですが……」
「かしこまりました、聖女様に看ていただければ皆幸せでしょう」
「いえ、未熟者ですので、お手伝いしか出来ないのが歯がゆいですが……」
「それでも、この圧に耐えられて、お手伝いをしていただけるのは有難いです」
「それにしても凄まじいですね……」
先程から肌がビリビリと感じる程の魔力の圧が伝わって来る、まぁヒカリさんの方が凄まじいけど。
「私はこれより強い方を知っていますので、それのお陰ですね……」
「ほう、それはカミナギ様という事ですか?」
「いえ、違いますわ」
「ほう……そんな方に会ってみたいですね」
「あはは……機会があれば……」
(難しいと思いますよ……異世界の人ですから)
それからしばらくの間気絶してる皆さんに濡れタオルを宛がったり、起きられた方にお茶やお水を飲んでいただいたり、そんな事をしばらく行っていると。終わったのかユウキが戻って来て皆を回復して回っていた。
「ありがとうアミリア、後は休んでい良いよ」
「えぇ、わかったわ。それとリリアーナ様とちゃんとお話は出来たの?」
「うん、出来たよ。ありがとうアミリア」
「わかったわ、それじゃあお休みなさい」
そう言葉を交わし部屋に戻ると、そこにはリリアーナ様が寝巻で居た。
「リリアーナ様!?」
「えへへ……アミリア様とお話したくて来ちゃいました♪」
「はぁ、それでは着替えてきてからで良いですか?」
「えぇ、お待ちしておりますわ」
そう言って今までにない笑顔を見せるリリアーナ様を横目に、衝立の向こうで着替えるのであった。
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作者です!
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【リリアーナ・ノーブルブラッディ】 性別:女 年齢:180歳 種族:吸血鬼(神血種)
ジョブ:吸血皇女 Level:689
称号:神種の吸血鬼・吸血鬼の女王・正統後継者・優希の嫁。
備考:覚醒したリリアーナ。
【膂力】
単純なパワーでなら無強化の優希なら破砕可能。
【高速再生】
再生速度は、四肢の損壊なら一瞬。
千切れたり粉々なら数秒。肉体の全損は再生不可。
【躁血魔法】
抵抗力低い相手なら相手の血を操作可能。
抵抗可能なメンバーは嫁ーズ位。
自身の血と相手の魔力を混ぜるとあいての強化を軽減させることができる。
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