第14話:奴隷契約?

勢いで助けた宝石獣カーバンクルの少女を賭博場から出ると地面に降ろす。


「あ、ありがとう……」


「そうだ、君の名前を教えてよ。あそこだと名前呼びされてなかったし」


「えっと……『セレーネ』」


「そうか、セレーネかよろしくね。俺の名前はわかる?」


「ユウと呼ばれてたけど……違うんですよね?」


「あぁ、名前は『上凪 優希』って言うんだ」


「カミナギ ユウキ……名字があるんですね」


「そうだね、名字は上凪だよ」


「それではカミナギさんで……」


ふにゃりと笑うとその顔を朝日が照らす。


「ふあぁぁ……結局朝になっちゃったな……」


「カミナギさんは今どこにお宿を?」


「あぁ。訳あって、あの歓楽街の一番大きな宿だよ」


「あの宿ですか?」


少女が朝日に照らされている宿を指差す。


「そうだね」


「カミナギ様はお金持ちなんですね」


「あはは……ちょっと訳アリだからね」


さて……朝になっちゃったし、早く戻らないとな。


「それじゃあ行こうか」


「は、はい!」


「お兄さん。これからどうするの?」


その声に振り返ると、先程の先輩さんが居た。


「どうしたんです?」


「あーうん。あそこの仕事辞めてきたのよ。お兄さんこれからその子を返しに行くんでしょ? なら私も連れて行って欲しいのよ」


「良いけど、どうして?」


「それは私も魔人だからよ」


そう言うと立派な角と尻尾が現れた。


「サキュバスって聞いたことない?」


「あるけど……まさか?」


「そうよ、私がそのサキュバスよ、今は人に擬態してるけどね」


「なら……大丈夫かな?」


どのみち皆に説明するし、一人も二人も変わらないし。どうにかなるでしょ。


「わかった、それじゃあ一緒に行こう」


「ありがと、私の名前は『シャリア』よ。それから宝石獣のお嬢ちゃん」


「これから一時的にだけど、お兄さんと奴隷契約を結びなさい……」


「え?」「わかりました」


「ちょちょちょ! 待て待て! どうして奴隷契約が必要なんだ!?」


あっけらかんと答えるセレーネとシャリアを止めに入る。


「それは、奴隷の所有者から、勝手に奪わせない為よ」


「それに、魔人族でも奴隷だと検問の突破が容易になるんです」


「まぁ、宝石獣なんて高価なもの連れてたらいくらでも狙われかねないわ、お兄さんも彼女も」


憎々しそうな顔で言うシャリア。


「つまりセレーネの保護の為って事で良いんだな?」


「えぇ、それに見たところお兄さんの魔力は相当高いみたいだし。奴隷刻印の上書きなんて出来ないでしょうから」


「上書きなんてされるのか……」


「えぇ、魔力量が上回っていれば上書きできるのよ。その点お兄さんなら安心して任せられるわ」


嬉々として見て来るシャリア、そこまで言われたら受け入れるしかない。


「わかった、降参だ……それで、契約はどこでするんだ?」


「そうねぇ……近くの奴隷商は……あそこね、行きましょう」


「はい!」


「どうしてこうなった……」


◇◆◇◆◇◆◇◆

それからシャリアが店の主を起こして、場所だけ借りたいとの申し出をした所、最初は渋っていたが。シャリアが耳元で囁くと、ご機嫌になって奥へ通してくれた。


「シャリア何を言ったんだ?」


「あぁ、あれは『催眠ヒュプノス』よ、サキュバス特有の魔法で少しの間いう事を聞いてくれるのよ」


「へぇ……」


「ちなみにお兄さんにもやったわ」


「おい待て、聞いて無いぞ!?」


「まぁ、かからなかったんだけどね」


「今度教えてあげるわ、貴方なら使えるでしょうから」


そう言われると、ちょっと使いたくなるじゃん。


「よし、出来た。それじゃあ二人共、こっちに来て」


魔法陣を書き上げたシャリアが手招きをする。


「お兄さんはこっち、セレーネはこっち」


シャリアの案内でセレーネと向かい合って立つ、すると魔法陣が薄ぼんやりと光始める。


「それじゃあ行くわね『甘美なる誓い、魂と魂の糸を紡ぐ。彼の者の声は服従の鎖となる――悦楽プレジャー結約コントラクト!』」


(今『悦楽』とか言わなかった!? 翻訳魔法のミスかな?)


「んんっ……、あぁっ……」


途端に艶めかしい声を出すセレーネ。


「シャリア、これ本当に奴隷契約なのか?」


「えぇ、としては奴隷契約よ」


「あぁっ……あぁぁぁぁ!?」


そうして、一際大きな声を上げてへたり込むセレーネ。


よく見ると、先程は首の所についていた奴隷紋が下腹部についている。


しかも今まで見てきた紋と、形が違う。


「ふぅ……これで契約完了よ!」


「あ、ありがとうございましゅう……」


「なぁシャリア、あれって……」


「契約の刻印ですよ? 魔人がするんで、少し現れる形が違いますが、魔人の種族特性を表してますから♪」


「そ、そうか……」


「それじゃあ帰りましょうか」


「大丈夫? 立てる?」


「は、はひぃ……ご主人様……」


◇◆◇◆◇◆◇◆

そして宿に帰った俺は正座させられていた、どうして……。


「なんで私達が寝てる間に、女を二人も拾ってくるのよこの馬鹿ぁ!!」


仁王立ちでアミリアが、俺の前に立つ。


「えぇ……拾ってきたわけじゃ……」


「一緒でしょ!!」


助けを求める様に皆を見る。


「いや、旦那が悪い」

「ユウキ様が悪い」

「ユウキさんが悪い」

「御主人様が悪いです」

「お兄さん……これはフォロー出来ないわ……」


えぇ…… 


「というか魔王領に行くついでじゃん……」


そう言うと他の人達が頭を抱えた。


「何と言うか……ご主人様、なんでこんなに駄目なんですかね」


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作者です!

雌奴隷ゲットだぜ!(オイ


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【セレーネ・ランシル】 性別:女性 年齢:16歳

ジョブ:宝石獣士 Level:253

所持能力スキル:【身体強化】【宝石魔術】【人化】【剣術】【短剣術】


称号:宝石獣の戦士、囚われの少女、優希の奴隷、悦楽の契約獣。


備考:優希の奴隷。

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