第70話:決闘スタンバイ!

「おめぇ!! 舐めてんのか!!」


汚い手袋を投げつけてきた奴が顔を真っ赤にして吠える、すると周りの連中もクスクスと笑っている。


「そもそもさ、人が手に取るもんがこんな汚いのはどうかと思うぞ?」


改めて見ると黄ばんでるし、なんかねちょっとしてる……気持ち悪いな。


「う、五月蠅い!! それを拾え決闘だ!!」


「ヤダ汚い」


「てめえぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ!!」


殴りかかってきたとこに反撃しようとしたら、ユキが間に割って入った。


「ご主人様に、指一本触れさせません!」


「ぐっ……このガキィ!」


振り上げた足をバク宙でひらりと躱す。


「おわあぁぁぁぁぁ!?」


そのままコケて倒れ込む。


「あのー大丈夫ですか?」


「クソッ! クソッ! クソッ! 決闘だ! 決闘をしろ!!」


そう男が叫ぶと、周囲の奴らが「決闘! 決闘!」とコールをし始める。


「私が!」


周りに当てられたのか、ユキが毛を逆立てながら応じようとする所を抑える。


「大丈夫、ユキにあんなの触らせたくないから。それとユキ手袋って持ってる?」


俺がそう聞くとユキが「むむむっ」と悩み始める。が、すぐに申し訳なさそうな声を上げる。


「軍手しかないですぅ……」


そう言ってこの間ホームセンターで買った、5セット398円の大人用の軍手を投げつける。


「いでっ」


「悪いな、今の持ち合わせがそれしか無くてな、受けてやるよ」


そう言うとニヤリと笑う男、余程自信があるんだろうなぁ……。


◇◆◇◆◇◆◇◆

それから場所を移して闘技場へやって来た。


「へへへ……ノコノコついてきやがって!」


「うん。まぁ、移動するって言われたから付いてきたんだけどね?」


『それでは! ここで飛び入り参加の試合だ! 参戦者は人間ヒューマンの旅人、倍率は120倍! それに対するは! 倍率1.2倍! この決闘都市の序列3位ダレ・ミスン様だあぁぁぁ』


拡声魔法を使い司会者が声を上げる、それにしても人が多いいなぁ……。


「俺が買ったらお前の女たちを貰って、お前を奴隷にしてやるぜ!!」


「へぇ……」


『では魔法有で制限時間は無し! 一本勝負! はじめ!!』


「へへへ!! 覚悟し――――ぴびゅるぽぽあ!」


「え? あれ?」


真正面から突っ込んで来たのでそれに合わせて殴ったら終わったんだけど……生きてるよね?


『は?』


そして静まり返る会場……。


すっ飛ばされたダレという男の方を見ると壁にめり込んでいるが一応ぴくぴく動いてるので生きてはいるだろう。


「よいしょっと」


近寄って引き抜くと色々と歪んでた、死なれると情報が手に入らないので一応回復をする。


『ダレ様ダウン! しかもなんとこの男、ダレ様の治療までしてるぞ!!』


「なぁ、お前あのパンチ見えたか?(コソコソ」


「いいや……見えねーよあの人間ヒューマン一体何者なんだよ(コソコソ」


「え? つかダレ様弱くね?(コソコソ」


「いやぁ……あの人間ヒューマンが化け物なだけだろ(コソコソ」


『3……2……1……0!!! 10カウント入りました! ダレ様戦闘不能! 人間ヒューマンの旅人の勝利!!』


司会がそう告げると唖然とした観客が次々と「金返せー」とか「この詐欺野郎!!」とか騒ぎ始めた。


(まぁ人をダシにして稼いでたんだしこれ位の報いは受けて貰わなきゃ……)


そうしてダレは担架で控室に運ばれていった。


「あぁ……情報が……」


「ご主人様、やりすぎです……」


「優希さん!凄いです!」


「なんか腕がブレたら敵が飛んでたんだけど……え?」


とまぁ寄って来た三人が三様の反応を見せる。


「とりあえずアイツの所行って、情報を聞き出さないと……」


「「はい!」」「お願いするわ」


◇◆◇◆◇◆◇◆

そうしてダレの控室に入るとダレを足蹴にしてる熊人族の男が居た。


「まったくよーダレ。小物相手にイキるから、そう言った醜態を見せる事になんだよ」


「ぐっ……」


「だからここ数年、お前は俺に勝てないんだ……っよ!」


「いぐぅ!」「ひっ」


男の振り上げた足がダレの背骨を砕いた音がした。


とゆうか今、優羽を怖がらせたよな?


「よし、潰す」


「ああん!?」


振り向いてきた瞬間に、2個目の軍手を相手の顔に投げつける。



「ぎゃっ、てめぇ何しやがる!!」


「これが決闘の挑み方だろ? ほら表に出ろよ」


「ははは! ダレ程度倒して調子に乗るなよ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆

五分後、闘技場の壁に先程の男が生えていた。


「お前のせいで優羽が怖い思いしただろ!! 謝れ!」


「ご…ごめんなさい……」


「ちゃんと目を見て!」


「わ、悪かった! お嬢ちゃん驚かせてごめんなさい!」


「は、はい!」


「ねぇユキちゃん。今の優希さんの動き見えた?」


「いいえ……通常状態の私では追い付けませんでした……」


「私全く見えなかった……改めて優希さんの凄さがわかるわ……」


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あとがき

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