第71話:四天王と族長

そうして、この決闘都市のNo.3と2を秒で倒した俺は二人に族長の元に案内させていた。


「「ぞ、族長! 入ります!」」


二人共大きな声を出して中に挨拶して入る、それに続いて俺達も入ると広い部屋に沢山の奴隷の人が居た。


「お母様!!」


鳳さんが悲痛な声を上げると、一人の女性が振り返った。


「里菜!! あぐっ……」


「おい奴隷、誰が許可なく話していいと言った?」


「おいオッサン、俺の家族に何してくれてんだ?」


そう言うと初めてこちらを向いてくる。


「何だお前? コイツを取り返しに来たのか?」


「あぁ、だから決闘だか何だか知らないけど、早くやれよ」


最早使い捨てになってる軍手を投げるが取らない。


「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、誰がお前なんかと闘うか!! 出てこい四天王よ!!」


そう言うと仮面をつけた五人が出てきた。


「お約束の様に5人なんだけど……」


「こいつ等に勝ったら考えてやるよ!」


「わかった、同時で良いから来いよ」


すると5人同時に飛び掛かって来る。


「はい」「ぴぎゅん」


「ほい」「ぱぎゅん」


「よっと」「べひゅん」


「はいはい」「ぞひゅん」


「これで終わり」「……」


一撃で倒すと族長の顔に焦りが出てくる。


「終わったけど相手してくれるんだよな?」


「誰が相手すると言った! 俺は考えるだけど!」


「まぁ、それでも良いけどさ、今の俺この子の旦那として来てて、更にはで来てるんだよ。この意味わかるか?」


そう言うと族長の目が驚きに見開かれた。


「ちなみにここに居る子はガリウスの養子で俺の嫁、俺を倒せば……まぁ無理だしこれ以上は良いか」


そう言うと顔を真っ赤にして【獣化】する。


「いいだろう! 決闘だ!! 俺が買ったらお前の嫁もそこの女も、この国も貰うぞ!!」


「勝てたらね」



◇◆◇◆◇◆◇◆

それから場所を移し先程の闘技場までやって来た。


『世紀の一戦! 絶対王者のロガン・サンダーハウル様が闘技場に現れたぞおぉぉぉぉぉ!!! 何と相手はあのNo.3と2を瞬殺した旅の人間ヒューマンだぁ!!』


「宣誓する、この俺ロガン・サンダーハウルはこの都市を賭けて決闘を行う!」


「宣誓する、この俺、上凪 優希は【獣王】ガリウスの名代みょうだいとしてここに来た、この国を賭けて決闘を行う!」


「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」


観客が騒ぎ立て会場が揺れる。


「ひっ……」「ひゃう……」


優羽と鳳さんがその大声にすくむ、こいつら後で締める。


『それでは! 魔法有、時間無制限、一本勝負! 開始!!』


「ウガアアアアアア!!」


突っ込んで来たロガンにカウンターを入れる。


「なんだその、とれぇパンチは!」


右手を掴まれ投げ飛ばされる、その行動に会場が湧く。


「なるほどね……それなりに強いのか……」


突進をしてくる、スピードはあるけど一直線かぁ……。


「まぁいいや『魔装——マルバス』」


ガリウス戦で使った魔装を展開してカウンターを入れる。


「なんだそ――ギャビッ」


ロガンが吹き飛び転げまわる。


『は? ロガン様ダウーーーン!! どうしたというんだ!!』


「今、降参するなら温情を与えるけど……どうする?」


「フザケルナァァァ!!」


顔を血だらけにしたロガンが突っ込んでくる。


「だから! 勝ち目何て! 無いんだよ!!」


回し蹴りに、蹴り上げ、飛び上がっての踵下ろしで沈める。


「これだけやれば終わりだろ」


「ぐぷっ……ばだだ(まだだ)、ばだごばだでぇ(まだ終わらねぇ!!)」


ロガンが手を上げると、ユキ達を先程の四天王が取り囲む。


「いっぼでぼぶごげばあいづらをぼちごろす!!(一歩でも動けばあいつらをぶち殺す!!)」


「まぁ良いけどさ……ユキ! やって良いぞ!!」


「わかりました!! ご主人様!! ウオォォォォォォォン!! 」


「ひっ」「ぎゃ」「ひゃ」「ぶぎっ」「ぶっ」


素早く【獣化】したユキが四天王を一瞬で倒す。


「だんだんだ……だんだんだぼばべだぢは(なんなんだ……なんなんだお前達は)」


「え? あの子は白狼王の直系、そして俺は一応【勇者】をやらせてもらってる奴だよ!」


止めとばかりにそれなりに力を込めたアッパーをくらわせると20m位飛んで動かなくなった。


『ロガン様ダウーーーン!! これは動けないか!?』


そうして無慈悲にも10カウントが決まりロガンは敗北した。


『勝者! カミナギユウキ! え?マジこれ本物!?』


司会者も困惑している様だ。


「ふぅ……」


魔装を解いて一息つくと三人が寄って来た……訂正、鳳さんにだけは抱き付かれた。


「わっ、ちょっと! 鳳さん!!」


「優希さん優希さん優希さん優希さん!!」


「ちょっ、くすぐったいって!!」


「出遅れちゃいましたね」


「ですね……ずるいです」


「二人も見て無いで助けて!!」


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