第47話:魔石の使い道
久墨の討伐後、綴さんに人間の体内に魔石を埋め込む非合法な実験について話すと、「私達の領分を超えているから、この件は日本国上層部での話し合いになるねぇ、また残業かぁ……」と遠い目をしていた。
そうしてその日の内に、俺とエアリス、魔道具研究の見解としてユフィが招致された。
「すまないね、わざわざ」
室内に入った俺達に、お偉いさんの目が向けられる。
「すみません、遅れました」
「いやいや、車で1時間半以上はかかってしまうからね」
「それで俺……私達が呼ばれたのは? やっぱりあの事ですか?」
「あぁ、久墨被疑者の一件の事だ、早急に話し合いをしていてね少し異世界についての情報が欲しかったというのもあるんだ」
少しだけ座り心地の良いパイプ椅子に腰かけると、話が再開された。
「それで、まずエアリス殿下に聞きたい事があります。異世界での魔石の扱いです。我々も詳しくは知らないのでご教授お願い致します」
その言葉にお偉いさんの視線が向く。
「そうですね、まず私達の世界では魔石自体が燃料として活用されていいます、それは皆様もみられてお分かりだと思います。それもあって、討伐されたモンスターの魔石はそのまま流通せず一度国営ギルドで等級などをチェックをしてそれに応じた料金を支払っております」
「そうなのか、ありがとうございます。次に異世界では、今回の様に人間へ魔石を移植して起きた事件があるのかを教えていただきたいのですが」
「そうですね。まず前提として、私達の世界では元々魔法が使える人しかいません、ですので魔石を埋め込んで身体強化を図る、それをする前に子供の頃から身体強化を覚え、魔法も数多く使用してますので」
さらに「うーん」と唸りながらエアリスが答える。
「前例といわれると無いと答えるしか無いですね、長い歴史の中でそういった研究はどこかで行われたかもしれないですが、恐らくそれはユフィのが詳しいですね」
エアリスに視線を向けられユフィが「ん」と頷く。
「それではユフィリールさん、以前過去にそういった研究があったかお聞かせください」
宮田総理に話を向けられたユフィが口を開く。
「昔はあった、でもゴブリンやリザードマン程度なら低等級になる。そんな魔石を移植しても元々の探索者のが強い。ユウキ蛟の魔石の残り、出して」
ユフィに言われ俺は
「この位の強さのモンスターの魔石じゃないと意味がない。それに、大きさ的にはこんな、一抱えのある魔石、体内には埋め込めない」
少し加工用に削ってるのでユフィが手で大きさを表す、確かに人間サイズだと体から魔石が出てしまう大きさだ。
「そうか……それを考えると今回テロリストが使った、埋め込めるサイズだとあまり意味が無いのか……」
「それに、加工した魔石は魔力の充填や使用しか出来ない」
「加工した魔石と言うと、君たちが持っている奴か」
「ん、理論上これを埋め込んでも意味がない。魔力は勝手に補充されても魔法が使えなきゃ意味がない、それに魔石は交換して使った方が効率的」
そういってユフィが会話を終わらせた。
「そうか、それでは利点は無いのだな……」
「そうですね、恐らく今皆様が考えてる。他国が行う軍事転用について考えていらっしゃるような事には難しいかと……」
「「「「「!?!?!?」」」」」
エアリスがそう言うと、何人かのお偉いさんが気まずそうな顔をした。
「そうですね、もし軍事利用を差し止めたいなら……『使用すると、理性をなくし誰彼構わず襲いだす』とか『非人道的行為』として印象付けてしまうのはいかかでしょうか?」
「しかしそれでは……」
「えぇ、こうしてテロリストが転用した事を考えると、どの国も情報は入手しているはずです、ならば先にルールを作り適用する事で、使用した側は非難を受ける。そういった状態にすればよいかと……」
「うーむ……」
「それを制定して、動かしていくのも政治家の方々のお仕事だと思いますし、これからこの国が『魔道具産出国』となる為には必要な事かと思いますね」
エアリスがきっぱりそう言うと気弱そうなお偉いさんは黙り、難しい顔をしたお偉いさんはもっと眉間に皺が寄っていた。
「ありがとう、十分参考になった」
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから、「これから話が長くなるだろう」という宮田総理の配慮で先に帰って来た。
終わりがけに「3日後には膿の絞り出しが終わる」とこの事もつたえてもらった。
「さて、それじゃあ子供達奪還作戦の作戦会議をしよう」
「「「「「はい!」」」」」
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