第60話:遠征の帰り道

邪神(仮)の討伐翌日俺達は馬車に乗せられ砦まで戻ってきた。


今は砦に用意された客室を借りている、春華は神楽坂さんと朝になって戻って来たティアさんと模擬戦を冬華は食事の為に、ガリウスと野生の動物を狩りに行ってる。


エアリスはシド様と貴族や兵士達に挨拶周りをしている。


そして俺はソファーで力無く、メアリーに膝枕をしてもらっていた。


昨日の功労者として耀とユフィが膝枕権を譲ったのだ。


「あ"ぁ〜づがれ"だぁ〜」


「でも、良かったじゃない、神様が来てくれて」


「うん……それはそうなんだけど……」


蘇生で治療を行おうとしたら神様が…やってくれたので助かった。


まぁそれも3日以内に死んでしかも死体がある者だけだった、仕方ないよね放置してるとアンデット化しちゃうし。


「そっちはそこまでなんだけどね…その後が…」


「あぁ……あの地獄のファンサービスね……」


問題だったのはその後で蘇生をした人や俺をひと目見ようとした人たちから、握手だったりハグをされまくった、アイドル顔負けの行列で終わってから晩まで、しまいには行軍開始までずっとファンサをしていた。


「そのせいで食事も睡眠も碌に取れなかったよ……」


それとは別にメアリーが、給仕してる先々で、天使様と崇められていて困惑しているのが可哀想だった。


(まぁ……そりゃあの見た目だしな……そうなるよ……)


宴会を開いていた兵士の声が聞こえてきて


「美しき少女は空を舞い、雷鳴を轟かせ瞬く間に敵を屠る、その姿は物語に語られる天使の様だった」


って言ってたしなぁ…


最終的に早めに天幕の中で休んでもらったので、翌朝には元に戻っていたけど。


そうぼーっとメアリーを眺めていると目が合った。


「旦那様……どうかなされましたカ?」


「いや、昨日聞きそびれちゃったんだけど、メアリーが凄い攻撃したんだって?」


「そうなのよ!私とユフィが敵を倒しきれなくて困ってた時に、めっちゃ遠い距離から狙撃してくれたの!カッコ良かったよ~」


「ちョ……耀さン!?」


「ん、あの時のメアリーの攻撃、凄く正確でカッコ良かった」


「ユフィさんまデ!?」


「へぇ~どのくらいの距離からだったの?」


「大体、2.5㎞ですネ」


「すごっ、しかもそれ空中で狙ったんだよね?」


「はイ……」


「ありがとうね、メアリー」


膝に頭が乗った……寝っ転がった状態でメアリーの頭を撫でる。


「いエ……私は出来る事をしたまででス」


真っ赤になったメアリーが俯く、そして目が合うとスッと逸らされた。


(段々と眠くなってきたな…)


「ゴメン、メアリー少し寝る」


「あっ……はイ、かしこまりました旦那様」


そのままメアリーのお腹に頭を付け眠りに入った。



◇◆◇◆◇◆◇◆


「だっ……旦那様!?」


眠りに着く優希がメアリーの腹部に顔を埋め眠りに着いた。


「あはは…この状態の優希は凄く疲れてる時の奴だ……」


「そうなの?」


「そうなんですカ?」


「そうそう、昔からこうやってまるまる様な姿勢になる時は、決まって疲れた時の事なのよ」


三人が優希をじっと見る、身動ぎもせず静かに寝息を立てる優希に三人は微笑む。


「幼稚園のお泊まり保育の時も、運動会のあった日も、高校に入ると少なくなったけど最近だと……優希とサルデーニャ島に行った時かしらね、本人は気付いて無いけど丸まって寝てた時はあったのよ」


「ヒカリ、ヨウチエンって何?」


「幼稚園ハ、初等教育の前、就学前教育と呼ばれるカテゴリーの学校でス。大体3歳から6歳位の幼少期ニ、集団で生活する事ヤ、小学校……こちらの世界だと初等教育校や私塾ですネ、に入るまでの勉強をするところでス」


「詳しいわね……メアリー」


「ん、凄く勉強になった」


「旦那様との子供は、いつでもできていい様に調べましタ」


少し顔を赤くしたメアリーが答えると二人が驚いた顔をしていた。


「へぇ………もうそこまで考えてるのね……」


「エルフだし、そこまで考えて無かった」


「いエ、今確率が高いのが耀さん達ですかラ、いつどうなって良いようニ、紡家で習いましタ」


「あーあはは……そうねいずれはと考えてたけど……」


「何、言ってるんですかヤる事、ヤっといテ」


「まぁ、その内メアリーもだけどね」


「そう、ユウキの相手、一人じゃ無理」


「うっ……そこまでですか……」


確かに夜などは声が部屋から漏れてるが特にメアリーは気にしてなかった。


だがそう言われると恐ろしいものがある。


「大丈夫大丈夫、優希は紳士だから!」


「多分、死なない、死にかけたけど」


「何かそれを聞くト、とてつもなく恐ろしいのですガ……」


「まぁ……確かに……でも案外大丈夫よ!女は度胸!」


「そレ、愛嬌の間違いでハ?」


「そうとも言う」


「ん、気にするだけ無駄」


そんな話をしているとノックがされる。耀がそれに答えると、扉が開いてエアリスとその父親のシルヴェーラが入って来た。


「ユウキさ……寝ていらっしゃいますのね……」


元気よく入って来たエアリスは声のトーンを直ぐに落とした。


「そうね、昨日は夜通し兵士の人に対応してたし、疲れたんでしょうね」


「仕方ないのう、今晩の参戦してくれた諸侯との宴席の事を話そうかと思ったのじゃが……後日にするかのう……」


「お父様……お酒飲みたいからって、ユウキ様をダシにしないで下さい」


「すまんすまん、それでは今日はユウキは休んでて貰うとするかのう」


「仕方ないですわね、今日は私達だけで食べましょうか」


「そうですね、優希がいつ起きるかわからないので……」


「それでしたラ、私もお手伝いヲ!」


「良いの良いの、それに、誰か来たら変わってあげて」


「ん、メアリーは、少し休む」


そう言って三人は出て行った。


「それでハ、もう少しだケ……」


寝ている優希を撫でながらメアリーは呟いた。


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あとがき


作者です。

昨日いただいたコメントですがちょっと内容が他の読者にネタバレなコメントでしたので削除させていただきました。


最初から最強無双なのは他に上手い人が沢山居たので…ちょっと違う味付けで書いたんですけどね…最新まで読んでいただいてる方には本当に感謝しております。




68万1000PV超えました!!感謝!!

昨日は6100PVでした!

読んでいただける方、ありがとうございます!


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