|幕間|とある伝令が見た地獄
今回は幕間です優希達の初戦を、王様の軍の伝令が見てました。
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◇とある伝令A◇
戦時における我が国の、伝令役は3人一組だ、敵を見つけた場合2人がその場に残り1人が伝令に走る。
その中でもその場に残る役は毎度決まっていて、一番の年長者がやる事が多い。
その理由としては『身を隠す術が付いている』『若い方が体力が有り走れるから』というのが大きな理由だ。
だが伝令部隊の不文律がある、それは『若い奴を生かす』って事だ。
当然伝令にいの一番で向かう場合もそれなりに危険性はあるが他の二人より生存率が高い。
つまりはここに残ってる俺がこの場で一番年長者でいざとなれば敵の注意を引いて死ぬ役目を持ってるという事だ。
「はぁ…ついに俺の番が回って来たか…」
今現在潜んでいる森から、向こう500m程の距離におおよそ5~6000の敵が軍を成して進行している。
だが大型の敵や陣容は視認できた。
・ミノタウロスは30体。
・オーガは20体、内5体ガ変異種のレッドオーガ。
・サイクロプスは5体。
・主兵力はゴブリンとコボルトの混成軍。
・指揮官っぽい魔物にリザードマンが確認できている。
・本陣から約2日の距離、伝令役の足で1日。
以上を2名の伝令に託し、俺はこの場に残り観察している。
「このままだと、ぶつかるだろう。森の中に入って、この距離を維持しておこう」
俺は装備の確認をしつつ感どの位置で待機するかを考える。
「食料は3日分、武器は短剣、ロープ兼縄梯子、単眼筒、後は異変を知らせる魔道具はセーフティを外して…」
各装備のチェックを終え身体強化で木の上に登る。
「よし、とりあえずこのまま、軍が動いてくれればいいが…」
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから1日後、俺は敵の位置を見逃さない様に付かず離れずの距離で監視をしていた。
だがモンスターの軍には一つの変化があった。
「行軍速度は一定だが、整然としていてモンスターにしては統率がとれている?」
普通モンスターが集まって行動する場合大体が自由に動き回り、統率などは存在しない、つまり統率の取れた動きだけで非常におかしいのだ。
「————ヒュイ」
追加の報告事項を纏めていると伝令の鳥が肩に止まった、喉元を撫でてやり足に装着された書簡を開ける。
「そうか、状況は伝わり真龍様が率いる討伐部隊として混成部隊が来てくれるか…」
数は4000程だがこの数なら十分勝てるだろう、本陣も戦力が乏しいのに出してくれるのは幸いだ。
相手の行軍速度が上がらなければこのまま大丈夫なはずだ…
俺は気付いた報告を書簡に入れ飛び立たせる、これで今日中には知らせが届くだろう。
それに面白い事も書いてあった。
王都に勇者様が現れたらしい、勇者様か…
「懐かしいな…」
勇者様が来て3年目だったか、一度だけお会いした事がある。
「帰還される前は随分と凛々しくなられたもんな…」
そんな事を考えているとモンスターの軍に異変が起きる。
「どうした?軍が後ろを向いた?」
単眼筒を覗き、注意深く観察していると遠くに砂煙が見えた、不思議に思い観察する、まさか勇者様がどんなに早く出発しても間に合わない…かといって砦の守備兵だけで後背を突くには厳しいはずだ。
「そんな…まさか…」
見えたのは見覚えのない旗だがそこには王家の紋章が入った盾と剣が描かれている。
しかも普通の軍は、様々な貴族の旗があるはずだがその軍はたった一つの軍旗しか掲げていない。
「どこの所属だ!?近衛でも王女様でもない…となると…」
普通ならば考えられない王都に勇者様が現れたとしてもそれが届くまでにかなり時間がかかるたとえその間に出陣してもあの規模の軍でこの場に到達するはずがない…
そして騎兵と歩兵が素早く布陣をし鎧を纏っていく。
「まさかあの数の鎧を運搬出来る傍仕えをそろえているのか?どこの貴族だ!?」
それだったら見た目よりも戦力が少ない、そしてその数で当たれば全滅は免れないだろう、今まで後方で指を咥えていた貴族とはいえむざむざこの者達を殺すには忍びない…
そうしているうちに双方ともの軍の熱が上がる、いつ動き出してもおかしくないだろう…
「動いた…」
その距離約7~800mモンスターは悠々と距離を詰めている、一方貴族の軍はまだ動かない…
「だめだ…このままじゃ…」
このままあの者達が全滅をする様を見せられるのかと思い神に祈る。
(神よあの者達に祝福を、そして死す時は苦しまず、尊厳を汚されず…)
そう祈っていると拡声魔法だろうか、声が響いた。
「皆!まずは最初の戦いだ!俺から言えるのは!こんなとこで死ぬな!深手を負う前に下がれ!味方を助けろ!ポーションや回復が使える魔法使いは沢山居る!安心して下がるんだ!本番はこの次だ!生きて又会おう!」
この声の主を俺は知っていた、だが彼は王都に居るはずだ!?
「皆!伏せて!!!!!!」
その真偽を理解する前に目の前が白く染まった。
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あとがき
作者です。
64万3千PV超えました!!感謝!!
昨日は10000PVでした!乱高下してますね…
それでも読んでいただける方、ありがとうございます!
♡も1万3500!超えました!めっちゃ増えたw
☆680を超えました!!驚きました!!!
ありがとうございます!感謝!!
新規ブクマもありがとうございます!
☆もらえるとランキング上昇するのでくれると嬉しいです!!
ジャンル別
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です!
総合ランキング
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日間:288位
月間:289位
感謝です!!!!
遂に週間100位より落ちました…そろそろ飽きられ始めたかな?
皆様の☆(星)とブックマークのお陰で登ってます!
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