第51話:うわぁ…可哀想…
敵が動き出したとの情報を受け俺達は動き出した。
「ミュリ!」
「ユウキかどうした?」
「これを渡しに来た」
ユフィ製作の通信器をミュリに渡す。
「これは?」
「簡単に言うと、コレに魔力を通すと遠距離でも会話が可能だよ!」
「凄いな!わかった!動き出すタイミングはユウキに任せるぞ!」
「わかった!」
それから待機場所に戻り拡声魔法の魔道具を持つ。
「皆!まずは最初の戦いだ!俺から言えるのは!こんなとこで死ぬな!深手を負う前に下がれ!味方を助けろ!ポーションや回復が使える魔法使いは沢山居る!安心して下がるんだ!本番はこの次だ!生きて又会おう!」
「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」
通信器を起動し呼びかける。
「耀!ユフィ!頼んだ!」
「任せて」
「任せなさい!」
『抽出…燃焼…圧縮…投射……複合魔法―――輝く太陽』
あれって…太陽より…溶けた金属の塊じゃ…
『数多の水の槍よ!我が魔法にて数多の敵を屠れ―――水槍の雨』
呪文は簡単だけど…槍の本数やばくない!?
二つの魔法が飛んで行く、あれって凄い大爆発起きるんじゃ?
「皆!伏せて!!!!!!」
拡声魔法の魔道具を使って叫ぶ、その瞬間閃光が戦場を照らした。
轟音と衝撃が襲い敵の中央部のには大きなクレータが作られ、目の前には敵モンスターの肉片が降り注いだ。
通信式の魔道具を起動して問いかける。
「今!なにしたの!?」
「水で敵を串刺しにしました」
「地中から金属を抽出、火魔法で融解、風魔法で圧縮、そして解放」
「それって…」
「ん、水蒸気爆発とかいうやつ」
実際よく小説などで出て来るが、ここまでの破壊力は正直思ってなかった。
「そうか…ミュリ、動けるか?」
「すまない、馬が怯えてしまって。すぐには動かせそうにない」
「仕方ないよ、ここまでの爆発は初めてだろうし。動けるようになったら頼む」
「わかった!」
拡声魔法の魔道具を取り出して起動する。
「敵は崩れた!皆!!!いくぞぉぉ!!」
「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」
俺の声に正気を取り戻した兵士たちが進行していく。
「冬華!メアリー!」
「まっかせて!」
「敵、照準に捕らえてまス、撃ちまス」
――――――ゴウッ
―――――ドッ
二つの風切り音が戦場に飛来し大型モンスターの頭部を貫き破砕した。
「このまま大型モンスターは任せた!」
「わかった」
「かしこまりましタ」
「ユキ、春華!行くぞ!!」
「「はい!」」
「ウオオオオオオオオン!!」
「はああああああああ!」
【獣化】したユキの1撃で敵左翼に大穴が開くそこを春華の大鎌がさらに押し広げる。
拡声魔法の魔道具を使い支持を出す。
「二人の開けた穴を広げるんだ!」
「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」」
そこに兵士が雪崩込みモンスターを次々殲滅していく
「ユウキ、待たせた!騎兵動けるぞ!」
「よし!左翼の外側を削り取ってくれ!」
「任せろ!」
――――ドドドドドドドド
騎馬の音が戦場に響きモンスターの悲鳴が聞こえる。
それから中央に戻りホークアイツさんの元へ戻る。
「さて、ダメ押ししてきますね。ホークアイツさん、俺も出ます!」
「ハッハッハ!良いですぞ!後の指揮は任せてもらおう!」
飛翔魔法で翔けながら後衛の二人に連絡を取る。
「耀、ユフィ、俺も敵陣に突っ込む右翼にそこそこの一撃を加えてくれ!」
「ん、OK」
「わかったわ!」
「ミュリ!今どこにいる?」
「今左翼を抜けて裏に回っている!」
「そうしたら、ユフィと耀がもう一撃入れるから、その後に追撃を入れてくれ!」
「了解!全体行軍緩めろ!大魔法が来るぞ!」
そして今度は純粋魔力の砲撃が2つ右翼を薙ぎ払った」
それに応じて敵陣後方から騎馬の音がし始める。
「ユキ!春華どこに!!ってそこか!」
敵陣で大きく敵が吹き飛んだ。
「グギャ!!」
「ブモゥ!」
「ギャギャッ」
敵陣を抜ける様にモンスターを踏み潰しながら進む、目の前に大型モンスターが現れた。
「旦那様!そのまマ!」
「進んで大丈夫だよ!」
――――――ゴウッ
―――――ドッ
風切り音と共に大型モンスターがはじけ飛ぶ。
「ありがとう!二人共!」
二人まで後数十メートルだ。
『石の礫達よ、鋭き弾丸となり、鋭き軌跡を翔けよ———スブレッドバレット!」
散弾の様に広がるストーンバレットを撃ちながらふたりに近づく。
「ユキ!!春華!!」
「ユウキ様!」
「優希さん!」
沢山の屍の山を築く二人の近くに降り立ち風で防壁を作る。
「兵士の皆さんには包囲殲滅出来る様に途中で外側に向かってもらいました!」
「私達はここで足止めしながら動いて戦ってます!」
「それじゃあここから折り返して中央の歩兵に合流しよう」
「「はい!」」
「じゃあ!行くよ!」
防壁を解除すると敵が集まって来た。
「ウオオオオオオオオン!!!!」
さっきより張り切ったユキの突撃で道が出来るそこを俺と春華で斬り広げていく。
「グギャア!」
「グモオォ!!」
「ギャギャ!」
背後からの奇襲に崩れていく敵達。集団を抜ける事には左翼はほぼ壊滅状態だった。
「皆、戦況は?」
「こちら神楽坂です!後衛に近づく敵は通してません!」
「後衛、耀よ!今の所負傷者は…転んだりした人たちだけ、鈴香ちゃんのお陰で問題無いわ!」
「こちら中衛、メアリーでス、敵の大型殲滅し終えましタ。冬華さんハ、騎馬で流鏑馬をしていまス」
「こちら冬華だよ!歩兵さんの侵攻に合わせて移動しながら撃ってるよ!」
「こちら前衛ミュリ、特に大きな損耗も無い被害もおおよそ50騎程だ」
「了解。ユキ、春華一休みしたら最後の仕事だ、一旦ホークアイツさんの元へ戻るから待ってて」
「わかりました!」
「任せて下さい!!おまちしております!」
「ユフィ、耀。あとどのくらい戦えるか?」
「まだ余裕」
「大丈夫!」
「じゃあ残りの右翼に突撃するから真ん中で前と後ろに分断してくれるか?」
「ええ!」
「任せて」
「ありがとう、ミュリ!残りの騎兵全部で敵陣右翼後方を潰せるか?」
「任せろ!」
「それじゃあ!とどめと行きますか!」
しっかし…敵が可哀想だよなぁ…
そう思いながらホークアイツさんの元へ戻って行った。
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