第22話:これは…掃除をしないとなぁ…
雛菊さんのお店を出て、俺達は二手に分かれ。ミュリ率いる今日の夕食の買い出し組と、俺と春華二人でのユフィの工房の掃除をする組別れ戻ることにした。
ちなみに買い出しをに回ろうかと聞いたら「あの量は
俺だってあの惨状を直視したくないもん…
そうして満足げな春華に恋人繋ぎで手を引かれ、腐海(ユフィの工房)へ帰るのであった。
「しかし…これからどうするか…」
「ちょっと待ってて下さいね」
そう言ってユフィの研究室へ入る春華、どうやら片付けの許可を取りに行ったらしい。
「ユフィさんは、片付けは任せるそうです」
「じゃあとりあえず、手前から
入れた品物の目録が出来ないかなーって思いながら収納してると、入れた物の目録が頭に浮かんできた。
・書籍×2258冊
・魔導書×1684冊
・腐ったパン×70個
・腐敗した水×8瓶
・幼龍の尻尾×5本
・魔石(低)×200個
・魔石(中)×120個
・魔石(上)×50個
・魔石(高)×20個
・魔石(希)×7個
・折れた箒×5個
・鍋(破損)×2個
・フライパン×8個
・包丁×1本
・腐敗した野菜×20個
・割れた椅子×6個
・折れたテーブル×1個
・壊れたベッド×6個
うん…ここは地獄か!!
すっきりしたリビングと各部屋を見て回り全滅した掃除用具などを見て二人で溜息をつく。
「とりあえず近所の雑貨屋さんに行こうか」
「そうですね…」
外に出て道行く人に聞きながら雑貨屋に着いた、中には掃除用具からフライパン等が小奇麗に並べられていた。
「いらっしゃいませー!」
元気なハーフ獣人(耳と尻尾だけある)の店員さんの声に導かれ店内に入る。
「すみません」
「はい!何をお探しでしょうか?」
「えっと、お家のお掃除で必要な物を揃えたいんですが…」
「そうですね、お家は新築ですか?中古ですか?」
「えっと…居抜きですね」
「居抜きですか!それでしたらこちらですね!」
案内された先はブラシや洗剤が置いてあるコーナーだ。
「居抜き物件ですと汚れが蓄積してたりするので一度水洗いをするのが常識ですね」
「え?それだと床が駄目になりません?」
「この街の住宅の床は殆どが耐水コーティングの魔法式が刻まれてるんですよ、汚れは付着してしまうので基本は丸々水洗いをして綺麗にしてますね」
「豪快ですね…」
「はい!その後は魔法で乾かして日々のお掃除は箒等で軽く掃除するくらいですね。大掃除の時期だと荷物を全部出して、丸洗いしてるのがこの街の風物詩ですね!」
「へぇ~そうなんですね」
「じゃあ春華、とりあえずブラシと洗剤で良いかな?」
「はい、後は調理器具も欲しいのですが…」
「そうだったね、鍋とかも全滅してたし…」
「それでしたら!調理器具専門の店員が居ますので代わりますね!」
そう言って店員さんは別の店員さんに交代した。
「いやー可愛らしい奥様ですね、新婚ですか?」
「まぁ、そうですね。婚約してる状態ですが」
「いやー、いいですねぇ~」
「あはは…」
「私も素敵な旦那さんが欲しいですよ…」
「でも獣人って…」
「自分より強い人じゃないと駄目なんですよね…(チラッ」
「いやぁ…それならばアストラ(獣人の国)に戻れば?」
「それはそうなんですけどねぇ…あの国の人達は頭がちょっと…」
「あぁ…確かに…」
アストラの人達は強さこそ至高と云う人たちで、殆どが脳筋、政治をしている人は居るが、それなりに実力が物を言う訳である。
「頭が弱い人は駄目なんですよ……頭もそこそこ良くて私より強い人が欲しいんです」
そう言うとジロリと見てくる。
「いやー俺はそうでも…」
「いえいえ~私好みなんですよ。勇者さん♪」
「ばれてたんですか…」
「そうですよ~こんな強そうな雄は中々居ないですよ~」
舌なめずりをしている猫獣人の店員さん、指をワキワキさせながらにじり寄ってくる。
「いや~幸運ですねぇこんな優良物件が向こうからくるなんて~」
下がりすぎて壁まで押し込まれる、そうして体を撫でられる。
「いや~良い体ですねぇ~じゅるり」
このままだと喰われる!?でも流石にここで押し飛ばしたりしたら品物もあるし、それにを怪我させちゃうし…
困っていると救い?の声が店内に響いた。
「ゆ・う・き・さ~ん」
「ちょ…春華!?」
「私が選んでる途中に何してるんですか?」
「えっと…店員さんと話を…」
「へぇ~店員さんとイチャイチャするのがですか?」
「えっと~私は~」
「あんたは待ちなさい」
「ぎゃあっ、先輩!尻尾は掴まないでくださいよ!」
お怒り状態のもう一人の店員さんが獣人の店員さんの尻尾を掴む。
「あんたがちょっかい出すから、お客さん怒ったじゃないか!」
「すっすみません~」
「ほら謝りな!」
怒られた獣人の店員さんが耳をぺたんとして謝って来た。
「すみませんでした」
「いいですよ~うちの人がご迷惑をおかけしたので~」
春華がニコニコ顔で店員と話す。
うん、怒らせたな…どうしよう!
頬を膨らませたほほえましい姿の春華だがコレは怒っている時のニコニコ顔だ…
「お話は後にしましょう♪お会計済ませてきますね♪」
そうして買物済ませた春華が戻ってきた、そして頭にネコ耳を着けていた。
「おっ、おまたせしました。にゃん?」
「ヒュッ…」
なんだこれ…可愛過ぎる…
「優希さん?」
「……わいい…」
「ふぇ?」
ついつい目の前に居た春華を荷物ごと抱きしめた。
「可愛すぎだろ……」
「ひゃぁぁぁ…あわあわ…」
そのまま春華を抱きしめ持ち上げると春華がかるく悲鳴を上げる。
「優希さん待って!待ってください!」
「もう一度!もう一度『にゃん』と言ってくれ…」
「えと…優希おにぃにゃん?」
可愛い…なんだこの娘…あっ俺の嫁か…
「もう死んでもいい…」
「ちょっと!駄目ですよ!そんな事言うなら、もうやってあげませんから!」
「わかりました、もう言いません、ですので語尾ににゃんを付けて話してください、おねがいします!」
春華を下ろし土下座をする。
「優希さん!?頭を上げて下さい!、そんな頭を下げなくてもやってあげますから!」
「ほんとですか!?よっしゃ!愛してる!」
そのまま、また抱きしめていると流石に周囲の人達の視線が突き刺さる。
「優希さん!流石に恥ずかしいです!」
「良いじゃん良いじゃん俺の嫁こんなに可愛いんだぞって自慢させてくれ!」
「ひゃああああ、流石に目が回りますよぉ~」
それからしばらく春華の可愛さを堪能しました。
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猫耳春華可愛いよ…挿絵は近況ノートにあります。
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