第21話:新衣装デザイン中
ミュリの御用達のお店に入ると、出てきたのは銀髪タンクトップの男性だった…
まじまじ見ると口ひげを蓄え身長は2mを超えている、うーんでもスカート履いてるんだよね…
口元だけ解除したミュリがその店員さんと親しげに話す。
「えっと…ミュリ…紹介してもらってもいいか?」
「あれ~この顔、そうだ!貴方勇者ちゃんね♪意外と逞しくてワタシ好み♪」
なんだろう…背中に氷を入れられた時の様なゾゾゾって感じがする。
「えっと始めまして、以前ミュリと旅をしていた勇者の上凪優希です」
「ご丁寧にありがとうございます♪、ワタクシこのお店のオーナー兼店長の雛菊です♪」
カーテシーをさらりとする男性…
「あぁ…何か誤解されてる気がするが…ヒナギクさんはれっきとした女性だぞ?魔法で見た目をかえているんだ」
「そうなの~この格好してるとアホな輩が寄り付かなくて~便利なのよ~♪」
そう言って魔法を解くと10歳くらいの女性の姿が現れた。
「あ…ヒナギクさんもドワーフの
「そうそう~ハーフリングって小人族とのハーフなのよ~」
「そうだったんですね…ビックリしました」
確かにこの容姿だと強盗やらにねらわれやすいからなぁ…既製品でも金貨400枚と高いがオーダーメイドになると大体金貨600枚は超えるからね。
「それで…ここに来たとゆう事は勇者くんも魔法鎧を?」
「あぁ…それと先日私のも壊れてしまってな…」
「何をしたらアレが壊れるんだ…」
「ユフィが言うには、魔石と魔法式の干渉に俺の魔力を吸収して壊れたらしいです」
そう答えると雛菊さんは職人の顔つきになって質問してくる。
「ちなみにその時の状態は?」
「ミュリが魔力込めまくって発動して、それを受けるためにこっちも同じ様に魔力を込めた状態の武器をぶつけたら、破裂しました」
「破裂って魔力鎧そのものがかい?そうなるとリミッターを付けて出力を半分にするか…」
「それは…」
出力半分と聞いて悲しそうな顔をするミュリ、そんな顔されるとどうにかしたくなるなぁ…。
「なんとかなりませんか?」
「うーん…そこはユフィと話し合ってみないとなぁ…魔法式と魔石の干渉だもんなぁ、とりあえず今日、店が終わったら、ユフィの家に向かわせてもらうよ…」
「わかりました、伝えておきますね」
「頼んだよ、それでお仲間の子達の魔法鎧はどうするんだい?」
「それも頼む、費用に関しては国で持つから気に居ないでくれ」
「随分太っ腹じゃないか…って事はあれか?南方方面の戦場に行くんだな」
「あぁ、それで全員で寄らせてもらったんだ」
「わかったよ、全員の分っても5人分かい?」
「後で遅れてもう一人来るんだが…どのくらいで出来そうだ?」
「うちの工員…知り合いの工房からも人を引っ張って来よう、ミュリの魔石も改良無しで対応する。それでも縫製は速く終わるんだが…魔石に時間がかかってね…恐らく7日はかかるね」
「仕方ないか…出来るだけ早めに頼む」
「あぁ、任せて。ウチの鎧で世界を救ってくれ!またいい宣伝になる!」
「そういえばあの、お店の外観にあったあのオブジェは?」
「あぁ、あれかい?あれはユフィ式魔石の実験を兼ねておいてあるやつだ、耐久がどのくらいで壊れるか、連続使用の計測とかしているんだ」
「そうだったんですね、てっきり趣味かと…」
「え?あれカッコいいだろ?」
その発言に俺とミュリは何も言えなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから耀と神楽坂さんは奥の部屋へ店員さんと計測しに行った、雛菊さんは急に「降りてきた!」と言って、春華と冬華が来ていたいつもの服を借りて、新しいデザインの服を作っている。
ミュリは雛菊さんの頼みで近所の裁縫師を集めに行っている、付いて行こうとしたら道を知ってる自分の方が早いとのことで行ってしまった。
今は春華と共に冬華のファッションショーに付き合っている。
この店、魔法鎧以外にも通常の服も売っており、様々な服がある。
「優希おにーちゃん、コレはどうかな?」
チャイナドレスにストレートなズボンを履いた、あっちの世界のアオザイに似た衣装を着てくるりと回る。
うん、冬華の髪色に合ったキレイな刺繍がいいね。
髪飾りと合わせて凄く似合ってるよ。
「えへへ〜春華はどう?」
隣にいる春華もディアンドル風の衣装を着ている。
「思ってたよりも動きやすいね…コルセットもキツくないし、良いかも」
「つーぎーはー、コレにしようかな」
「ちょ!冬華!」
冬華が取り出したのはバニーガール衣装、しかも際どい部分がレースになっている、完全にアレな服だ。
「うーん…ちょっと微妙かなぁ…冬華には似合わないと思う」
「むう…最近あしらいが上手いんだから…」
「まぁ、似合わなそうだしだったらまだ、こっちのドレスのが似合いそう」
俺は手近なドレスを取って差し出す。
少しロリータ風味のあるドレスである。
「えぇ~おにーちゃんこんなのが良いの?」
「うん、向こうの世界じゃもうちょっと派手でしょ?少し大人っぽい感じはこっちの世界のが多いからね」
「ふっ…ふーん中々可愛いじゃん」
「ふふっ…冬華って意外とそうゆうの好きだしね」
「じゃあ買って行こうか」
「いいの?」
「良いよ、雛菊さんに変わりの服ですて言えばいいと思うし」
そう言って奥に引っ込んだ雛菊さんを連れてきてもらう。
「んも~せっかく良いとこなのにぃ~」
出てくると男性の姿だった。
「すみません、でもどのくらいで出来そうですか?」
「ん~あと2時間くらいかな?」
「じゃあそれ今日の夜で良いですか?」
「わかったわ、そうしたらそこの二人の服を整えるから、ちょっといらっしゃい」
そのまま雛菊さんが簡単に調整をする、凄い速度で解いて、縫い合わせる。
「はい、出来た♪」
「ありがとうございます…」
「そっちのお嬢ちゃんもよ♪」
春華の着てる服も凄い速度で整えていく。
「はい、OK♪」
「それじゃあ、お代は…無しで良いわよ♪」
「「「え?」」」
「だって、良いインスピレーションを貰ったんだもの!!」
なんかポーズを決めて語る雛菊さん(男Ver)に声が出ない俺達だった。
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あとがき
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