第12話:異世界の洗礼

元の世界から数秒、やってきました異世界!まぁ森の中でかつ夜なんですけどね。


「えっと…いらっしゃい皆。一応ここが異世界のユーティリティア大陸、リューンって国の世界樹の湖だね…夜だけど」


「そうね…真っ暗で何も見えないわね」


「今日は新月なんですね…」


「真っ暗だけど…何人かこっちを見てるよ」


冬華が矢を番えて警戒態勢になる。


「ちょ、ちょっと待って!」


俺は慌てて探索魔法を使い周囲を探索する、モンスターではないみたいだ。


「優希…本当に大丈夫なの?」


「待ってくれ!俺だ!優希だ!エアリス!ユフィ!ミュリ!ユキ!神楽坂さん!いたら返事してくれ!」


そう言うと暗闇の中から魔力の矢が飛んでくる。


「ふっつ」


春華が抜き身の一撃で叩き落した……んだと思う、早くね?最早残像だったぞ今の動き。


「ユフィ!どうして!撃ってくるんだ!」


「ストップ優希、どうやら私達、試されてるみたい」


「そうみたいですね」


冬華ちゃんが盾を構え直す。


「私達が強いとこ」


冬華は肉食獣の様な笑みを浮かべ。


「見せないといけませんね…」


メアリーは戦闘モードになる。


何かみんな殺る気満々!?なんか好戦的じゃないですか!?


「はぁっつ!」


リミッターを解除し一瞬で覚醒状態になった耀が無詠唱で探知魔法と魔力の矢を放つ。


「皆!フラッシュバンいくよ!」


その声に他の皆が目を閉じる。


「ぎゃ」


「ひゃああ」


「なにこれ!?」


「うわあああああ」


閃光手榴弾なんて知らない異世界のエルフの皆さん、次々と耀の魔法を受け地面へ落ちていく、一応受け身が取れてはいるので骨折したものは居るが死んだ人は居ないみたいだ。


「第二弾いっくよー!!」


耀が二回目の魔力の矢を放つ、それに呼応してユフィの魔力の矢が飛んで来て撃ち落とす。


その影を縫って接近する影が居た、足の速さ的にユキだろう、両手に持ったナイフで攻撃してくる。


「させま…せん!」


メアリーが咄嗟に両手にどこからともなく取り出したナイフ取り出し受け止める。


その隙を狙い魔力を纏った剣で切りかかるミュリ、それに応じて盾で受け止め切り払う春華。


「くぅ……」


攻撃を弾かれ、お返しとばかりに一撃貰ったミュリの鎧が切り取られる。


そしてすかさずミュリの着地地点に冬華が矢を放っている、それを避けられずミュリの脚は貫かれ動きが止まる。


「はぁ!」


肉薄した春華のシールドバッシュで吹き飛ばされるミュリ、ゴロゴロと転がりミュリは戦闘不能になった。


(一応、気絶してるだけだと思うけど…鑑定)


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ユミュリエル・グロウナイト

年齢:22歳 3サイズ:88・55・90(Gカップ)身長:172㎝ 体重:48㎏

健康状態:気絶、出血(微量)、矢傷有

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とりあえず大丈夫みたい。


そうして視線を戻すと次の決着がつく様だ。


「これが、本当のフラッシュバンです」


メアリーが閃光手榴弾を抜いてユキの目の前に投げる。


バァンッ!――――――――


まじまじと見てしまったユキは閃光と音にやられ気絶してしまった


「ひぎゃっ————————きゅう」


「っと…やはりケモミミ少女でしたか…効果大ですね。ぶいっ」


わざわざ無表情で勝利のVサインをするメアリー、だからそれやると某ゲームのキャラそっくりなんよ。


◇◆◇◆◇◆◇◆

一方耀の方はユフィとエアリス二人相手に善戦している。


探知と攻撃魔法を転移させるという離れ業で、飛んでくる魔力の矢を迎撃する矢とは別に攻撃をしている、そして二人の移動や回避に専念させ有利に運んでいる。


(凄いな…これが魔法使える様になって数カ月か…)


人間には魔法との親和性が高いものが生まれる機会は極稀で、そういった者は大体【賢神けんじん】と呼ばれている。


だけど流石に負担が大きいのか耀の調子も崩れて来る。


その瞬間を見逃さない二人、お返しとばかりに魔法の乱舞が飛んでくる。


すかさず春華がカバーに入り、耀の撃ち漏らした魔力の矢を、切り払い落としていく。


「このまま、押し切るわよユフィ!」


「うん、勝つ!」


魔力の繊細なコントロールが上手いエアリスがテクニカルな攻撃を、魔力で押し切るユフィが数を増やす。


「ちょ!流石にこれはきついかも!」


「大丈夫です!まだいけます!」


身体強化を強くした春華ちゃんがものすごい速度で弾いてく、魔力に対して完全な物理地を行ってる。


(あの子の防御抜ける人居るの?)


そうして互角になった撃ち合いはあっけなく終わる。


ユフィとエアリスの足場を冬華とメアリーの射撃が崩す。


「きゃあああああああ」


「ひゃー」


二人は突然の失った足場にバランスを崩して逆さまに落ちていく。


「流石に不味いかな!」


俺は身体強化&飛翔魔法で二人を抱えそっと下ろす。


「あっ、ありがとうございますユウキ様…」


「ん、ありがとユウキ」


「大丈夫?二人共?」


「私は平気」


わたくしも大丈夫です」


「それで、どうしてこんなことしたの?」


二人をじろりと見ると、エアリスがバツを悪そうにする。


「だって…ユウキ様にいいとこ見せたかったんですもん…」


涙目で指をつんつんし始めるエアリス。


「私は、実力が見たかった。ユウキの女に相応しいか」


「そんな理由かい…」


「ん、合格(ビシッ」


ユフィはいつも間にか来ていた耀達にサムズアップをした。


「うわぁ…本当にエルフだ…」


「しかもすごく可愛いです」


「おっぱい大きい…」


「モフモフ………」


「ちょ、メアリー!ユキが!」


ユキはもふられ過ぎて涎と白目を剥いていた。


「とりあえず…皆を起こして…話にしようか…」


森の惨状には目を向けずとりあえず……心臓に悪い…



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あとがき


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