第8話:異世界に行く準備中…
メアリーにプロポーズされた後、皆で朝食を食べつつ今後の話をする。
「と、いうわけで、異世界に行く人を募集します、大体1〜2週間向こうに滞在することになるかな」
「私は行くわ」
「私も行きます!」
「私も!わたしもー」
「私は…辞めときます」
「お祖父様との講義がありますし、何より皆さんの居場所を守るのも私にできる事ですから!」
ふんす、ふんすと鼻息荒くしている。
「わかった、じゃあ留守は任せたよ」
「はい!」
「それじゃあ、優希は早く食べてメアリーを迎えに行きなさいよ」
「おっ…おう…」
「何よその顔」
「いや…すんなりOK出すんだなーって…」
「メアリーの事?別に知ってたわよ、彼女もごまかしてたみたいだけど、バレバレよ」
「ですね~」
「あれで隠せてるのは、おにーちゃんだからだよね」
「優希おにーさん、恋愛方面鈍感ですし…」
「それ理映にも言われたよ…」
今俺の家のソファーで寝てる理映を思い浮かべる。
「そうそう、朝起きたら理映が居たのビックリしたわ…」
「最初誰かわからなくてびっくりしたよー」
「耀おねーさんが説明してくれるまで『誰?』ってなってましたね」
「まぁ優希さんの関係者なのは見て一目でわかりましたけどね…」
「そんなにわかる?」
「まぁ、女の人の時点で大体優希の関係者だと思うわね」
「そんなに?」
「です」
「だねー」
「ですね」
俺泣くよ?泣いていいよね?
「いや、女癖が悪いとかじゃないですよ!」
春華ちゃんが慌ててフォローを入れてくれる。
「そうです、優希さんはだれか困ってたり、倒れてたりしたら助ける人ですもん!」
巴ちゃんも慌てて訂正する。
「でも何故か拾って来るの女の人なんだよね~」
「うっ…」
あげて落としてくるなぁ冬華は…
「それにまぁ、優希のお人良しは世界を救うし、私は誇らしいわよ」
そこで胸を張る耀。
「そこがかっこいいんだよね~しかもさらりと助けてくれるのがもう…」
頬に手を当てくねくねする冬華…そんなことあった?
「わかりますわかります、本当にすっと助けちゃんうんですよ…」
何を思い出してるのかわからないけど視線が熱っぽい…何かしたっけ?
「……はぅ……!?」
こっちを見ていた巴ちゃんがびくっとした…ねえホント俺何をしたの!?
「とゆう訳で、理映が居たのはびっくりしたけど、皆すんなり受け入れてたわよ」
「なら良かったよ、一応俺と耀の子孫だし…」
そう言うと耀以外の3人が箸を取り落とした。
「そうだったぁ!優希おにーちゃんの子供!」
「うむむ…わたしもいつか…」
「子孫って…あうあう……」
そこに反応するんかい…
「ま…まぁ…仲良くしてくれ…」
◇◆◇◆◇◆◇◆
朝食を食べた後、耀に荷物を渡されメアリーのお迎えに行く。
病院の最寄り駅で降りると駅前に鳳さんと布良さんが居た、いつものリムジンも一緒だ。
「鳳さん、おはようございます。今日はよろしくお願いします」
「おはようございます、優希さん」
挨拶をして車に乗り込む。
「優希さん、お荷物お預かりしますよ」
「ありがとうございます、でも
試しに空間収納に入れてみせると二人共驚いている。
「あっ、相変わらず規格外ですね…」
「そうですね…ですが優希様、そのお荷物の中身はメアリー様のお着替えだと推察しますので…」
「あーそうですよね。ではお任せします…」
「かしこまりました、お任せください、可愛らしく仕上げさせていただきます」
「最近、美魚さんは私のメイクやコーディネートも凄い拘ってくれるんですよ」
「そうだったんですね。道理で、いつもより綺麗なんですね」
ふと言うと鳳さんが顔を赤くする、そして一つ咳払いをして会話を再開する。
「優希さん、良く女たらしとか言われません?」
「言われないですね…」
「それでは、いつもこんな事を言ってるんですか?」
「いつもって訳ではありませんが、女性がお洒落をしてたら褒めなさいとは母や耀には言われてますね」
「英才教育ですね…」
「あなたの周りの女性は強心臓の持ち主ですか…」
「うーん…褒めるのが不味いなら止めますが…」
「いえ大丈夫です!最近は…お洒落が褒められる事を、言われる機会が無いので…」
「そうなんですか…もったいない。こんなに美人で可愛らしい人なのに…」
思ったことを口に出すと鳳さんが沸騰した。
「なっ…」
あれ?何か不味いこと言ったかな?
「……きゅう…」
「お嬢様?お嬢様ぁ~!」
俺?なんかやっちゃいました?
「天然…凶悪…駄目、ゼッタイ…」
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから病院に着くと、布良さんはメアリーの元へ。俺達は担当してくれたお医者さんの元へ向かった。
「お待たせしました、鳳様、上凪さん」
「はい、ありがとうございます」
「それで?メアリーの体調は?」
「健康も健康ですね、体の方は何も問題ないです」
「よかったぁ…」
「それで、栄養面等は問題ないのですが。急に脂っこいものや大量の食事を行うと胃腸に負担がかかりますので、数日はお腹に優しいものを食べて下さい」
「わかりました、留意します」
「それ位ですね、しかし回復魔法は凄いですね、内臓機能も健康体になるとは…」
「あーあはは…そこまで回復するんですね…」
「もしよかったら、定期的に患者の治療をお願いしても?」
「あーそれは…少し考えさせてください…」
「わかりました、もし色好い返事が頂けるようでしたらご連絡を」
その声を後に俺達は診察室を出た。
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あとがき
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