第9話:異世界に行く準備中…②
それから鳳さんが、先に入り口で待ってて下さいと言ったので病院の入り口で待っていると、メアリーが一人だけで降りてきた。
「ナンカイッテクダサイ」
「いや…ごめん…想像以上に可愛すぎた…」
「うぅ……」
ショートの髪は切り揃えられ前髪は片目を隠し後ろ髪はゆるっとしている、服装はオフショルダーニットの半袖に、下は以前耀が気に入ってたフレアスカートというやつだろう、いつもは見えないメアリーの太ももが眩しい。
「あっ…顔もうっすらメイクしてるんだ…」
「はイ…布良さンにやられましタ…」
化粧は良くわかないけどメアリーがいつも付けていないリップグロスを付けているのが分かる位だ。
「うん、可愛い。いつも付けていないから新鮮だ」
俯いて良く見えない顔を覗き込みメアリーと目を合わせると、沸騰したように真っ赤になった。
「もウ…流石ニ…これ以上は無理でス」
「あっ、ゴメン…」
「いエ…大丈夫でス…」
二人で何か気恥ずかしくなっていると横から声が飛んできた。
「流石に…こんな入り口でいちゃつかれるなんて思わなかったわ…」
「流石ですね…優希さんは…もう彼に落とせない女性は居ないのでは?ねえお嬢様」
「何で私に振るんですか!?貴女はどうなんですか!?」
「私ですか…うーん、顔100点、身体つき100点、資産100点。唯一マイナス点があるとしたら女癖の悪い所ですかね…」
「だから俺は女癖が悪くないですって…」
「あぁ…私の大学時代にも居ました…こんなこと言って女遊びしてる男が…」
「最低ですね優希さん」
「最低ですネ、だっ…旦那様」
「「「!?」」」
「メアリー今なんて言った?」
「旦那様ト…駄目でしたカ?」
「いや、大丈夫だよ…呼ばれ慣れて無いから…驚いただけ…」
『成程…あれが女たらしですか…(コソコソ』
『厄介ですよあのような方は、周りを味方につけるのが上手いので(コソコソ』
そこ、コソコソ話してるけど丸聞こえなんよ…
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから最寄り駅に送ってくれるとの事なので、お言葉に甘えて鳳さんの車で送ってもらう。
「あっ、そういえば入院費用…」
「それは大丈夫ですよ、メアリーさんの入院費用につきましては政府でのお支払いをさせていただきますので」
「いいんですか?」
「まぁ本来は優希さんの死亡した際にある程度支払われる見舞金からという話でしたが、優希さんが生きてますので。あの災害を抑えてくれたという事で、お支払いをある程度は確約されています」
「そうなんですか…とゆうかまだ俺の生存は決まってないですよね?」
「まぁ…まだ死亡状態ですが…何かこの言い方ゲームみたいですね…」
「あはは…ゲームとかやるんでしたね…」
「最近は仕事とダンジョン探索と週一回の小鳥遊さんとの精神修行であまりできてないですけどね…」
「すごく大変そうですね…」
「えぇ…おまけに優希さんが仕事を増やしてくれたので♪」
「すみません」
「まぁ大丈夫です、もう2~3日で結果が出ると思うのでその後は公表って形を取ります。その際は優希さんにも式典に参加してもらいますよ」
「あーごめんなさい…その式典って…どのくらいの時期になります?」
「そうですね……スムーズにいけば大体1週間後ですかね…」
「それでしたら、一カ月後でも大丈夫ですか?」
「何かあるんですか?」
「ちょっと異世界救いに行きます」
「優希さん…精神科紹介しましょうか?」
「いや、本当ですって!まだ信じてもらえてなかったの!?」
「流石にそんな別世界だなんて…ラノベやゲームじゃないんですから…」
「じゃなきゃ俺どうやって生き返ったって言うんですか!」
「そう言われるとそうなんですね…マジックで死んでなかったとか?」
「じゃあこの成長した体は?」
「うーん、ダンジョンの不思議パワー?」
「なんかもう連れて行った方が良さそうに感じた…」
「旦那様まタ…危ないとこニ、一人で行かれるんですカ?」
袖を引くメアリーが上目遣いで見てくる。
「まぁ…お世話になったとこだし…戦力も欲しいしね、勿論メアリーも行くでしょ?」
「行けるなラ、行きたいでス!」
「わかった、じゃあ武器も揃えないとね」
「それでしたら、メアリーさんの武器はお家の方に届けさせてもらいますね、明日には届きますが大丈夫ですか?」
「ありがとうございまス、鳳様」
「やめて下さいよ、様付けは恥ずかしいです」
「でハ、里菜さんデ」
「はい、よろしくお願いします。メアリーさん」
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから駅に到着して車から降りると周囲の男女の視線が刺さって来た。
「ちょっト…怖いでス…」
「そういえばメアリーって、昔頭巾被ってたもんね。あれ?でもイタリアでの祝勝会の時大丈夫だったの?」
「あの時は優希さんといたのデ、優希さンと居るト、優希さンの方が見られるのですガ」
そりゃ今日のメアリーは超絶可愛いからな…しかも普段はしないおめかしまでしてる、そうなったらもう絶世の美女だもんな…
「じゃあ、はい」
左手を差し出すと、メアリーは首をかしげる?
「どうしたんですカ?」
「腕組んでれば、下見て歩けるし周り見なくて少しは済むでしょ?恥ずかしいだろうけどそこは我慢して」
「はっ、はイィ…」
おずおずと腕を組んでくるメアリー、その豊満な胸が当たるけど気にしない気にしない…おっぱい。
「そっ、それではっ!よろしくお願いいたりしまス!」
噛みっ噛みなメアリーを連れてそのまま切符を買う。
「はい、メアリーこれ使って。改札通る時は離れてね」
メアリー用の交通系ICカードを買い手渡す、そのまま改札を通り再度腕を組む。
「さて…どこに行こうかな…」
「何カ、言いましたカ?」
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今話のメアリーの服装イメージ近況ノートに載せときますね!
突然のデート回である。
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