第3話 怒られる
私の人生の中で"怒られる"ということは生きていく上で一番嫌いなものである。
私の中での怒られることは、1時間以上下手をすれば5時間くらい拘束されること。暴力を受けること。私の好きなこと、そして私自身が否定されることだった。
この行為を主にやってきたのが父親だった。
怒られることは大半が些細なことだった。
皿洗いなどの手伝いをしない。朝が起きれない。宿題をしない。部屋の片づけが出来ない。帰ってくる時間が9時頃になったり遅くなったとき。
優等生でもなければ大半の人が一度は怒られたことがある内容だと思う。
これに加えて私の場合はやっていたバスケットボールで試合の内容が良くないと怒られた。
口答えは許されず、もししようものなら頭にたんこぶが出来たり、体にあざが出来るくらいまで殴られる。口答えしなくてもまぁ殴られる。
これが長時間続くし、よく物は飛んでくるし、絵を描くことが好きだった時はその紙はびりびりに破られるし、手で殴るならまだしも鉄のスプーンで頭をぶん殴られたときはへこむかと思った。
寒さが厳しい時期に服を脱いで出てけと言われたときには全裸で外にほっぽりだされてガタガタと震えながら家に入れてもらえるのを待った。
起き抜けの状態で体重が90キロ近くある体が腹部を圧迫されて呼吸が出来ずに失神したときにはぶん殴られて起こされ、そのまま説教は継続。
最終的に顔面を腫らした顔で何度もごめんなさいと謝り、涙を流して震えながらこの事態に耐えるのだ。
そして言われる。
「お前が悪い。だから怒られるんだ」
いかに親の顔色を窺い、出来るだけ怒られないように生活することが一番だった。
そうしないと自分のことを守れなかった。だけどどうしても怒られる事象が起こることが回避できない場合もあるので、誤魔化すことも覚えてしまった。
死にはしないのかもしれないが、いっそ死んだほうがましだったかもしれないと何度も思うような学生時代だった。
だって、近くの大人は誰も助けてくれないし、助けを求めたら親と二人になった瞬間に報復行為を恐れて何も言えなかった。
私の人生〇か罰か 藍 @sekaino_owakare
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