第137話 水を飲まない猫

「いやぁ……ここの心地ここちは、良いんだけどナォ。最近、冷たいお水を飲んで、おなかを壊す猫が増えてきたナォ」


 確かに、冬が近付いてきたのか、このところ、冷え込むようになってきた。


 川を流れる水も、とても冷たくて、飲むとおなかが冷えてしまう。


 猫はぽんぽんおなかがぺいんぺいいたいいたいになりやすいから、水が冷たすぎると、水を飲まなくなっちゃうんだよね。


 猫は、寒いのが苦手だから、「水飲み場まで行くのが寒い」という理由で、水を飲まなくなる猫もいるらしい。


 もともと、猫は砂漠さばくんでいた動物で、あまり水を飲まないと言われている。


 猫が、水をガブガブ飲むようになったら、病気だけど。


 逆に、全然飲まないと、それはそれで、また別の病気になってしまう。


 う~む……冷たい水を飲んだり、水を飲まなかったりが原因で、病気になっている可能性があるな。


「ミャ?」


 すみません、病気になっていないかどうか、ちょっと調べさせてもらっていいですか?


「おおっ、もちろんナォ! ぜひ、全員調べて欲しいナォ」


 集落しゅうらくおさは大喜びで大声を張り上げ、集落しゅうらくの猫達を呼び集めてくれた。


 いや、今のは、集落しゅうらくおさを調べるつもりで、声をかけたんだけど。  


 まぁ確かに、集団検診しゅうだんけんしんってことで、みんな調べた方が良いか。


 集まってくれた11匹の猫達を、順番に1匹ずつ『走査そうさ』していく。


走査そうさ』してみると、「下部尿路疾患かぶにょうろしっかん」にかかっている猫が、数匹いた。


下部尿路疾患かぶにょうろしっかん」は、猫がかかりやすい病気、トップ3に入っている。


下部尿路疾患かぶにょうろしっかん」は、水を飲まないとおしっこが出なくなって、おしっこが出なくなることによって起こる病気のことをす。


 特に寒い冬に、猫が水を飲まなくなることで起こりやすい。


下部尿路疾患かぶにょうろしっかん」は、ちゃんと毎日、新鮮しんせんな水を飲んでいれば、予防出来る病気なんだけど。


 冷たい水を飲んで、ゴロゴロおなかをピーちゃんこわしているや、ぽんぽんおなかがぺいんぺいんいたいいたいになっている猫も多かった。


 ぼくも、ゴロゴロおなかをピーちゃんこわしたになった時に、冷たい水を飲んで、さらにおなかが冷えてツラかった。


 どうすれば、猫達を助けられるかな?


 困った時は、教えて、『走査そうさ


下部尿路疾患かぶにょうろしっかん処置しょち食事療法しょくじりょうほう鎮痙攣剤ちんけいれんざい抗生物質こうせいぶっしつの投与を飲ませる水分摂取水を飲ませる


 食事療法しょくじりょうほうって言われても、野生の猫は肉しか食べないけど、何食べさせればいいの?

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