第131話 余命宣告する医者の気持ち
灰白猫が
「ミャ?」
この
「お医者さん? この
やっぱり。
ぼくが「お医者さん」だと言った時、「おばあちゃんの病気を治して欲しい」と言われたから、そんな気はしていた。
もし、ここにお医者さんがいたとしても、「クッシング
この世界に、どんなケガや病気も治せる技術や魔法があったら、話は別なんだけど。
これまで、魔法とは一度も出会えていない。
魔法らしいものと言えば、「イチモツの
「イチモツの
今では、ぼくにとって、なくてはならない能力になっている。
「イチモツの
いくつでも能力を
手術が出来るようになれば、手術しないと治らない病気も、治せるようになる。
手をかざして祈るだけで、どんなケガや病気も治る魔法って、
人間の頃から、「あの力があったら」と、何度思ったことだろう。
イチモツの
とりあえず、今は、この
誰もいないところに、灰ブチ猫だけを呼び出して、
「ミャ……」
あの……おばあさんは、とても重い病気で、ぼくには治せません。
イヌハッカやヨモギを食べれば、少しは良くなるかもしれません。
ですが、あまり長くないと思います。
どうか、出来るだけ、
ぼくの力が
そう言って、ぼくは深々と頭を下げた。
悲しくて
ぼくに手術が出来たら、助けられたのに。
手術したら、もっと長生き出来たはずなのに。
ぼくは、
泣きじゃくるぼくを、灰ブチ猫が優しく抱き寄せてくれた。
「それを知れただけで、
それからしばらく、ぼくと灰ブチ猫は抱き合って、ふたりで泣いた。
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