第108話 山の向こう側へ
それから数日間、ぼく達家族は、ゆっくりと寝て過ごした。
思い返せば、ハチ先生がいた
トマークトゥスの
ひとりぼっちになって、
この
次の
休める時に、しっかり休んでおかないと。
たっぷり眠って、疲れも
「仔猫のお医者さん、ありがとニャ~ン」
「教えてもらったお薬は、ずっと
「どうか、お元気でナ~」
旅立つ頃には、だいぶ元気を取り戻したキジブチが、笑顔で話しかけてくる。
「何から何まで、本当にありがとニャゴ。シロチャさんは、
キジブチは、ぼくの頭を
どうやら、世話好きでおしゃべりな猫に戻ったようだ。
ぼくは、キジブチに向かって、ニッコリと笑い返す。
「ミャ」
キジブチさん、お元気になられたようで、良かったです。
キジブチさんも、皆さんも、どうかお元気で。
「アンタは、まだちっちゃいんだから、お父さんとお母さんの言うことを良く聞くニャゴ。お父さんとお母さん、どうかこの子を守ってあげて下さいニャゴ」
「もちろん、シロちゃんは、大事なうちの子ですニャー。絶対に守り抜くと、お約束しますニャー」
「可愛いシロちゃんを守ることは、親として当然ですニャ」
お父さんがぼくを抱き上げて、
お母さんも、
くすぐったくて、嬉しくて、ぼくも
そんなぼく達を見て、キジブチも安心したように笑う。
「お父さんとお母さんに愛されて、とっても幸せそうニャゴ。これからもずっと、幸せでいられるように、心から祈っているニャゴ」
こうしてぼく達は、キジブチがいる
川に
山の向こう側にあったのは、広い広い
その先に、お
「ミャーッ!」
海だーっ!
ぼくは大喜びで、海へ向かって
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