第105話 ダニノミ駆除作戦

 白花虫除菊しろばなむしよけぎく珪藻土けいそうどを混ぜて、石で叩いて、すりつぶす。


 珪藻土けいそうどが、白花虫除菊しろばなむしよけぎくに残っていた水分を吸ってくれたおかげで、細かい粉になった。


 これで、ダニノミ駆除薬くじょやくの完成だ。


 駆除薬くじょやくは、大きな葉で作った器に入れた。


 出来れば、ノミ取りくしも欲しいところだけど。


 何か、くしの代わりになる物はないかと、辺りを見回す。


 ふと、松の葉が目に入った。


 松の葉をたばねれば、ブラシが出来そうな気がする。 


 思い立ったら、なんでもやってみよう。


 松の木によじ登り、緑色の松葉まつばる。


 数十本の松葉まつばを、長さをそろえてたばね、つる科の植物で、グルグルときつく巻いてみた。


 よし、ブラシっぽいのが出来たぞ。


 試しに、作ったばかりのブラシで、自分の毛をブラッシングしてみる。


 う~ん……葉の先が、さって痛いな。


 珪藻土けいそうどで葉の先をこすって、先を丸めてみよう。 


 うん、これならブラッシングしても痛くないし、気持ちが良いし、抜け毛もゴッソリ取れた。 


 このブラシで、ノミはれないかもしれないけど、ブラシはあった方が良いよね。


 取っ手を付けると、さらに使いやすいかも。


 あれこれ試して、改良かいりょうを重ね、松葉まつばのブラシが完成した。


 色々考えながら作る、ものづくりって楽しいよね。


 それじゃあ、いよいよ、実際に使ってみよう。




 ぼくは、ダニとノミで苦しんでいる、クロトラの元へ戻ってきた。


「ミャ」


 お待たせしました。


 お薬を作ってきたので、治療ちりょうさせてもらって、よろしいですか?


かゆいニャゥ~……なんでも良いから、早くなんとかしてニャゥ……」


 クロトラは、かゆみにえきれず、あちこちきむしっている。


 きすぎて、あちこち毛が抜けて、き傷も、たくさん出来ていた。


 可哀想かわいそうに……かゆいのは、つらいよね。


 まずは、抗炎症薬こうえんしょうやくのアロエを傷にる。


 炎症えんしょうおさえれば、かゆみもおさまるはずだ。


 続いて、抗菌薬こうきんやくのヨモギを、ひとくち飲ませる。


 とどめに、ダニノミ駆除薬くじょやくを、クロトラの全身に振りかけた。


 粉まみれになったクロトラは、めちゃくちゃ驚いている。


「何するニャゥ~ッ?」


「ミャ」


 クロトラさんのかゆみの原因は、ダニとノミです。


 これは、クロトラさんの体にみついた、ダニとノミを駆除くじょするお薬です。


 もう少しすれば、かゆみはおさまるはずですよ。


「そ、そうニャゥ? あ、確かに、かゆくなくなってきたニャゥ」


 最後に、クロトラの体を、丁寧ていねいにブラッシングする。


 この時、ブラシが傷に当たらないように注意する。


 クロトラは、ブラッシングが気持ち良いのか、うっとりしている。


 ブラッシングすると、抜け毛と一緒に、ダニとノミがたくさん出てきた。


 やった! ダニノミ駆除くじょ作戦、大成功だっ!

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