第103話 涙をこえて
「仔猫のお医者さん、ありがとニャゴ……」
キジブチは、泣き疲れて、ぐったりとした顔で言った。
キジブチは、自分が流した涙で、体の前面がびしょ
初めて会った時の
あれほど泣き叫ぶってことは、キジブチにとって、シロチャはとても大事な猫だったに違いない。
親か子か、それとも
すっかり気落ちしてしまったキジブチに、かける言葉が見つからない。
さっき会ったばかりで、
今は、そっとしておいてあげよう。
「シロちゃん、大丈夫かニャー?」
「シロちゃん、びしょ
「ミャ……」
お父さんとお母さんが、落ち込んだぼくを心配して、涙で
お父さんとお母さんの優しさが、深い悲しみで
どうやらぼくも、生まれて初めて見た死に、相当ショックを受けていたようだ。
ぼくもお返しに、お母さんの胸で流した涙の
毛づくろいをしてもらったら、心が安らいで、落ち着きを取り戻した。
キジブチにも、涙で
毛づくろいのおかげで、気力を取り戻したぼくは、
「ミャ?」
すみません、この辺りに、ケガや病気で苦しんでいる猫はいませんか?
「ケガや病気ニャゥ? そうだニャゥ……最近、体が
そう言って、クロトラ猫は、
良く見れば、クロトラの体の上で、小さな虫がピョンピョン
これは、「
この猫の体には、ノミがいるな。
でも、
『
『
やっぱり、思った通り、ノミとダニがいた。
この感じだと、この猫だけじゃなく、他の猫達もノミとダニがいそうだな。
あとで、ノミとダニがいる猫達も全員集めて、
問題は、ノミとダニの
この辺りに、ノミとダニの
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