第91話 ひとりぼっち
トマークトゥス達が去った後も、ぼくは一歩も動けなかった。
また戻ってくるんじゃないかという恐怖で、木の上から
必死に逃げまくったから、ヘトヘトに疲れ
心と体が落ち
ここにいれば、木に登れない
空から
あと、ヘビも木を登れるから気を付けないと。
やっぱり、ひとりぼっちは怖いなぁ……。
どこから
そういえば、この世界に来てから、ひとりぼっちになったのは初めてかもしれない。
イチモツの集落にはたくさんの猫達がいたし、狩りもお父さんとお母さんと一緒だったし、旅の間もずっとお父さんとお母さんが側にいてくれた。
ひとりぼっちって、こんなに
こんな気持ちになったのは、
お父さんとお母さんとはぐれた時は、
たかが、迷子ごときで
いくら見回しても、知らない場所、知らない人々。
何も分からない、不安と恐怖。
「お父さんとお母さん、助けてっ!」って、ずっと大声で泣き続けていた。
なんで、「分からない」って、あんなに怖いんだろう。
ひとりぼっちって、なんでこんなに
今のぼくは、あの時のように泣けない。
大声で泣いても誰も助けてくれないし、
悪いことに、雨まで
せっかく、日向ぼっこで乾かした体が、
そういえば、お父さんとお母さん、他の猫達は、今頃どうしているだろう?
お父さんとお母さんは足が早いから、逃げ切れたはず。
ただ、ケガをしていた猫達が心配だ。
4匹のトマークトゥスは、ぼくを
トマークトゥスが全部で何匹いたかなんて、数えている
ぼくを
「もしかしたら……」という、悪い考えばかりが頭に浮かんで、胸がざわつく。
「どうか、みんな無事でいてくれ」と、心から
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