第80話 洗浄と冷却
傷だらけで苦しんでいる猫に、
「ミャ」
すみません、これからあなたを川へ入れます。
「ニャ、ニャンだってっ? 水はイヤニャン! 怖いニャンッ!」
やっぱり、この猫も水が苦手だった。
逆に水浴びが好きな猫の方が、珍しいからな。
患者さんは水を恐れて、ジタバタと逃げようとしたが、暴れたせいで痛みが増してしまったようだ。
「ニャーニャー」と、痛がって泣いている。
「ミャ」
水は怖いと思いますが、どうか
傷を水で洗い流して冷やさないと、もっと痛くなりますよ。
「うぅ……分かったニャン……水はイヤだけど、痛くなるのはもっとイヤニャン……」
お父さんとお母さんに頼んで、患者さんを川まで運んでもらう。
「ミャ」
患者さんは傷だらけだから、そっと運んでね。
「分かっているニャー」
「私達も水は怖いけど、
お父さんとお母さんも水が苦手なので、少しでも
患者さんは水に入れられると、
川の深さは15cmくらいで、
ぼくも川へ入り、患者さんの体に水をバシャバシャかけて、傷の汚れを落としていく。
猫って、水に濡れると体がほっそりして、別の生き物みたいになるよね。
しばらくすると、患者さんがケガの痛みと水浴びによるストレスで、げっそりした顏で聞いてくる。
「いつまで、水の中にいれば良いニャン……?」
それは、ぼくにも分からない。
傷口は、
もう一度、「
そんなことを考えながら、とりあえず、「
『
なんだ、ちゃんと分かりやすく説明してくれるんじゃないか。
最初から、そうしてくれれば良かったのに。
でも、20分と言われても、時計がないから時間も分からない。
ってことは、
ヨモギは、体を温める薬草だから、
確か、アロエに
ちょうど
『
『
『
よし! これだっ!
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