第76話 何にもない幸せ
草原でくつろいでいる猫達に向かって、手当たり
たぶん、狩りで走った時に、足をひねったか、どこかにぶつけてしまったのだと思う。
猫は
調べた
この草原にいる猫達はみんな、お昼寝したり、毛づくろいをしたり、猫じゃらしにじゃれたりと、平和そのもの。
ケガや病気で、苦しんでいる猫がいない。
それはぼくにとって、喜ぶべきことだ。
もしかしたら、この
「ミャ?」
ここに、お医者さんはいますか?
「お医者さんなんて、いないニャァ」
どの猫に聞いても、この
ここにも、お医者さんはいなかった。
お医者さんと会えたら、聞きたいことがいっぱいあったのに。
今まで、イチモツの集落の茶トラ先生以外、お医者さんと会ったことがない。
この世界では、お医者さんが少ないのかな?
どこへ行けば、お医者さんに会えるんだろう?
とりあえず、今ここで、ぼくに出来ることは何もない。
のんびりと旅の疲れを
旅をしている間は、肉食動物が
ずっと緊張しっぱなしだから、寝ている時もちょっとした音で、すぐ目が
どうしても眠りが浅くなって、
猫も人間も、
特に、猫の
だから、たまにこうして猫がたくさんいる場所に、立ち寄る必要がある。
猫がたくさんいれば、安心してぐっすりと眠ることが出来る。
何も考えずに、ゆっくりとお昼寝するのは、いつ振りかな。
ぽかぽかのお
ぼくは、お父さんとお母さんのふわふわの猫毛に包まれて、幸せな気持ちで眠りに
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