第74話 「何もない」がある
ぼく達家族は、川に
山へ向かっているはずなのに、全然近付いている気がしない。
草原には
かといって、他に行く
ひたすら、山に向かって走り続けるしかない。
幸い、大草原には、草食動物の
ざっと見渡してみたけど、危険生物はいないようだ。
森の中には、色んな動物がいて、危険生物もいっぱいいたのに。
長老のミケさんが言っていた通り、大草原以外、本当に何もない。
お父さんとお母さん以外の猫と出会わないし、ケガをすることも、病気になることもない。
「
でも、「何もない」がある。
何もないからこそ、感じられる幸せがある。
眠くなったら、お父さんとお母さんと寄り
これが、猫本来の生き方なのかもしれない。
ぼく達は、ゆったりのんびりと家族旅を続けた。
それから、何日
山の近くの草原で、数匹の猫達が
さっそく、
「ミャ!」
初めまして、こんにちは!
「おや、見かけない仔猫ニャァ。初めましてニャァ」
猫会議に参加していた猫は、優しい笑顔で
「ミャ?」
ぼくは、お父さんとお母さんと一緒に、旅をしています。
この近くに、猫の集落はありますか?
「集落? そんなものは、ないニャァ」
ない? ないって、どういうこと?
森の中では、森の
もしかしたら、草原で暮らしている猫達は、集落を作らないのかもしれない。
ふと見れば、猫会議の側に、生後2週間くらいのちっちゃい仔猫が3匹いた。
よちよち歩きで、幼い声でミャアミャア鳴いて、じゃれ合っている。
うわぁ、可愛い! 赤ちゃん猫だっ!
猫は
仔猫って、見ているだけで
ぼくは、ちっちゃな仔猫達を、ずっと
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