第73話 ぼくたちの冒険はこれからだ!

 ぼくとお父さんとお母さんは、猫じゃらしにじゃれまくった。


 猫じゃらしにじゃれるのって、なんでこんなに楽しいんだろう?


 そういえば、人間だった頃も、猫じゃらしで遊んだっけ。


 のフニフニした手触てざわりが気持ち良くて、さわりまくってた。


 の部分で毛虫もどきを作り、軽くにぎった手の中に入れてニギニギすると、少しずつ出てくる遊びを良くやったなぁ。


 気が済むまで、じゃれまくったところで、お父さんとお母さんが声をかけてくる。


「シロちゃん、これからどこへ行くニャー?」


「私達は、シロちゃんの行きたいところなら、どこでも付いて行くニャ」


 行きたいところと言われても、行くてはない。


 最初の目標は、森の外へ出ることだった。


 森を出ると、見渡みわたす限りの大草原だいそうげんが広がっていた。


 遠くには、巨大な山が見える。


 本当にそれ以外、何もない。


 イチモツの集落のミケさんが、言っていた通りの光景が、ぼくの目の前に広がっている。


 この辺りに、ケガや病気で苦しんでいる猫はいなさそうだ。


 だったら、次に目指すのは、遠くに見える巨大な山かな。


 あの山の近くまで行けば、何かありそうな気がする。


「ミャ」


「あの山へ行くニャー?」


「シロちゃんが行きたいなら、行くニャ」


 お父さんとお母さんは、ニッコリ笑って大きくうなづいてくれた。


 ぼくもニッコリと、笑い返した。


 こうして3匹の猫は、山へ向かって走り出した。


 ぼくたちの冒険は、これからだ!

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