第70話 困った集落の長
1週間程度、集落の
ケガや解毒に効果がある、キランソウもたくさん生えていた。
集落の猫達を集めて、キランソウの見分け方と薬の作り方を教えた。
ぼくに出来ることは全部やったところで、集落の
「ミャ」
集落の周りを調べて、無事、安全が確認出来ました。
ここなら、みんな安心して暮らしていけるでしょう。
「本当に何から何まで、ありがとナォ。感謝してもしきれないナォ」
ぼくの
「ミャ」
ぼくに出来るのは、ここまでです。
あとは、集落の皆さんにお
「そんな! 君がいなくなったら、この集落の猫達は生きていけないナォ! 出て行くなんて、絶対許さないナォッ!」
集落の
ぼくに抱き付いて、どうにか引き止めようとしてくる。
「ミャ~ッ!」
そんなこと言われたって、困ります!
「みんなのケガを治して、毒虫に囲まれた集落から出る
集落の
「
「たくさんお
「仔猫のお医者さんが、
困っているぼくを見て、集落の猫達が
それでも、すがる
「シロちゃんは、うちの大事な子ですニャッ!」
「シロちゃんをイジメるヤツは、誰であろうと許さないニャーッ!」
お父さんとお母さんが、
ぼくの為に本気で怒っているふたりを見て、「愛されているなぁ」と、嬉しくなる。
集落の
「みんながそこまで言うなら、仕方ないナォ……」
「仔猫のお医者さん、新しい集落まで連れて来てくれて、ありがとニャニャ」
「これからは、みんなで力を合わせて生きていくニャオ」
「仔猫のお医者さん達も、どうかお元気でニャ~ン」
ぼく達は猫達に見送られて、名もない集落を旅立った。
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