第58話 新しい薬草
ないないないないない!
どうしよう! この辺りにはヨモギが
こうなったら、ヨモギの
どこかに、
草が生えているところに向かって、
『
『
こ、これだーっ!
運良く、ヨモギ並みの
しかも、ヨモギにはない、解熱や解毒作用まである。
今、一番必要な薬草じゃないかっ!
こんな便利な薬草が、あったなんて。
茶トラ先生にも、教えてあげたい。
ぼくはさっそく、ドクダミを
そこで、お父さんとお母さんが戻って来た。
「シロちゃん、この先に川があったニャー」
「その猫さんを、川まで運ぶニャ」
「ミャ」
ぼくは、ドクダミの葉で両手がふさがっているので、お父さんとお母さんにお願いして、患者さんを運んでもらった。
お父さんとお母さんの後をついて行くと、大きな川が流れていた。
見た感じ、
傷口を洗わなきゃいけないので、患者さんの毛をかき分けて、虫に刺された場所を探す。
人間だったら、刺された部分が赤く
猫は、全身が毛に
患者さんに直接、刺された場所を聞いてみる。
「ミャ?」
「こ、この辺りにゃ……」
患者さんは、ぐったりとしたまま、小さなかすれた声で答えた。
どうやら、右前足を刺されたらしい。
頭やおなかじゃなくて、良かった。
猫は、本能的に水を怖がる動物。
その理由は、猫の毛は水に弱く、乾きにくいから。
毛が乾かないと、体が冷える。
体が冷えると、
野生の猫が体を冷やすことは、死へ
患者さんに、「傷口を水で洗います」と、ひとこと
「ミャ」
「イヤニャア~! 水はイヤニャァアアアアァ~ッ!」
患者さんはビビり散らかしていたけど、「刺されたところだけだから」と、何度も言い聞かせて、どうにか傷口を洗わせてもらった。
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