第43話 両親との話し合い
思った通り、ぼくが「旅へ出たい」と言ったら、お父さんもお母さんも
「
「こんなにちっちゃくて可愛いシロちゃんが、ひとりで旅へ出るなんて、心配で心配で
「ひとり旅じゃなくて、集落で仲間を集めて一緒に行く」と言っても、ふたりは納得してくれない。
「集落の猫達はみんな良い猫だけど、シロちゃんと一緒に旅へ出てくれるかニャー?」
この集落で生まれた猫は、外の世界を知ることなく、この集落内で一生を
長老のミケさんやぼくのように、外の世界に
集落で仲間達と暮らす方が、安心安全だから。
狩りが苦手な猫でも、狩りが得意な猫がお土産を持って帰ってくれる。
危険生物の
いざとなったら、みんなで逃げて、安全な場所で新しい集落を作ることも出来る。
「森の中はとっても危ないから、集落を出るなんて、
お父さんとお母さんがどんなに反対しても、ぼくの決意は
ふたりは、しばらくウンウンと考え込んでいた。
ややあって、お父さんが良い考えがひらめいたらしく、明るい顔で言い放つ。
「そうニャー! 家族みんなで、旅に行けば良いニャーッ!」
「それは、とっても良い考えニャ。みんな一緒なら、安心ニャ」
なん……だと……?
ふたりは「そうしましょう、そうしましょう」と、盛り上がっている。
いや、まぁ、確かに、お父さんとお母さんと別れるのは、
だからといって、
それって、ただの家族旅行じゃん。
お父さんとお母さんは、家族で行く以外は、旅へ出ることを許してくれそうにない。
結局、親同伴で旅へ出ることが決まってしまった。
もう、旅へ出られるなら、なんでもいいや……。
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