第35話 成猫の儀式への挑戦
結論から言うと、ぼくは
お父さんとお母さんは、「大きくなれなくても、シロちゃんが元気で生きてくれているだけで良い」と言ってくれた。
集落の猫達からは、「シロちゃんは、ちっちゃくて可愛いね」と、いつまでも子供
大きくなれなかったことは残念だけど、仕方がない。
ぼくにとって重要なことは、「小さくても、
儀式に合格して、立派な
今は、
そして、
ぼくの夢は、異世界を旅するお医者さんになること。
この儀式を合格出来なければ、夢は
まずは、長老であるミケさんに、儀式について詳しく聞くことにした。
「前にも話したけど、イチモツの木に登り、実を取って、無事に降りてこられれば、合格にゃ」
失敗しても、また儀式は受けられるのか?
「儀式は、何度でも受けられるにゃ。シロちゃんは、儀式を受けたいのかにゃ?」
「ミャ!」
「分かったにゃ。頑張ってにゃ」
ミケさんは優しい笑顔で、ぼくの頭を撫でてくれた。
こうして、ぼくは儀式を受けることになった。
ぼくが儀式を受けると聞いて、集落の猫達は全員、イチモツの木の周りに集まってきた。
優しい猫達が、落ちてもケガをしないようにと、木の
お父さんとお母さんも、ハラハラしながら、ぼくを
「シロちゃん、お父さんとお母さんが見守っているから、頑張るニャー」
「シロちゃんなら、きっと出来るニャ。シロちゃんが頑張れるように、いっぱい応援するニャ」
「ミャ~!」
ありがとう、ぼく、頑張るよ!
集まった猫達もみんな、「シロちゃん、頑張れ!」と、
可愛い猫達に応援されて、頑張らない訳にはいかない。
よし、やる気は
この儀式を合格する為に、狩りや木登りの練習をして、体を鍛えてきたんだ!
絶対に、合格してみせるっ!
もし、今回合格出来なくても、合格するまで何度でも
ぼくは大きく両手を振って、みんなの声援に応えた後、爪を出して木にしがみついた。
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