第32話 ぽんぺんが治りました
お父さんとお母さんに、毎日あっためてもらっていたおかげで、
ただ、ずっと寝っぱなしだったから、何日
まぁ、猫に時間なんて、関係ないけどね。
お腹が
ピーちゃんで、何も食べられなかったから、ヒョロヒョロガリガリに
しっかり食べて、体を動かさないと、大きくなれないぞ。
猫も、草や木の実を食べれられる雑食動物だったら、良かったんだけど。
猫は肉食動物だから、基本的に肉しか食べられない。
そうだ、狩りに行こう。
ひとりじゃ狩りに行けないから、お父さんとお母さんに連れて行ってもらわないと。
ってことで、
眠っているお母さんの体を、両手の肉球でポプポフ叩くと、お母さんが目を覚ます。
「シロちゃん、起きたニャ?」
「ミャ」
お母さん、ぼく、
「良かったニャ! シロちゃんの病気が治ったのニャッ! このまま死んじゃうんじゃないかと、心配で心配で仕方なかったニャッ!」
お母さんは、ぼくをギュッと抱き締めて、ゴロゴロ喉を鳴らして喜んでくれた。
お母さんが喜んでくれたことが嬉しくて、ぼくも喉を鳴らして、顔をスリスリした。
お父さんも、ぼくを背中から抱き締めて、喉を鳴らしている。
「シロちゃん、元気になって良かったニャー! 良く生きててくれたニャーッ!」
病気が治っただけで、こんなに喜んでくれるなんて。
野生の仔猫は、雨で体が冷えただけで、死んでしまうこともあるんだ。
お父さんとお母さんは
だから、ぼくも死ぬんじゃないかと、不安で仕方がないんだ。
もし、ぼくが死んだら、お父さんとお母さんが悲しむから、絶対に死ねない。
それにぼくには、猫のお医者さんになるという夢がある。
ぼく、お父さんとお母さんを悲しませないように、頑張って強く生きるからね。
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