第28話 兄弟の行方
目が覚めると、寒気と
お母さんとお父さんが、ぼくをサンドウィッチして、あっため続けてくれたおかげだろう。
昨日はずっと寝ていたのに、まだ体力が戻り切っていない。
今日も、大人しく寝ていた方が良さそうだ。
何も食べてないから、おなかが
でも、
野生動物には、どんな寄生虫や雑菌がいるか、分からない。
ピーちゃんが
砂場から巣穴へ戻り、気持ち良さそうに眠っている、お父さんとお母さんの間にもぐりこむ。
収まりの良いところに身を落ちつけて、あったかくて柔らかい猫毛に
お母さんに抱き着いて、スリスリして、ゴロゴロ喉を鳴らす。
ああ、なんて幸せなんだろう。
猫アレルギーで出来なかった猫吸いが、いつでも出来る幸せ。
猫に生まれ変わったら、色々と大変なことも多いけど、「猫可愛い」で全て許せてしまう。
やっぱり、可愛いは正義。
そんなことを考えながら、ウトウトしていると、ふいに気付く。
あれ? そういえば、ぼくの兄弟は?
今まで、なんで気付かなかったんだろう?
猫って確か、1回の出産で2~6匹産むはず。
普通なら、
ぼく以外の仔猫がいないのは、なんでだろう?
もしかして、ぼく以外の兄弟は、全員死んだのだろうか。
野良の仔猫の
死因は、病気、ケガ、野生動物に襲われるなど。
お父さんとお母さんが、ぼくをとても大事にしてくれているのは、ぼくが最後のひとりだからかもしれない。
お父さんとお母さんが起きたら、聞いてみよう。
―――――――――――――――――――
【野良の仔猫の生存率とは?】
野良猫は、とても厳しい
いつ、ごはんが食べられるか分からないし、病気にもかかりやすい。
危険がいっぱいで、ストレスもハンパなく、いつも睡眠不足。
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