第23話 無事に帰ってきました
ティタノボアから、命からがら逃げ延びたぼく達は、集落へ戻ってきた。
「たくさん走って、疲れたニャー……」
「
親猫達は、
ぼくも、緊張と恐怖で喉がカラカラだ。
集落の中には、小さな川が流れていて、猫達はそこを水飲み場にしている。
猫は水浴びをする必要がないし、何かを洗うこともないから、川の水は綺麗だ。
渇いた喉に、冷たい水が美味しい。
たっぷり水を飲んだら、ようやく落ち着いた。
ちょうど、水を飲みに来ていたミケさんが、ぼく達に声をかけてくる。
「おや、サバトラさん。ご家族で、狩りに行かれたのではなかったのにゃ?」
「どうも、ミケさん。実は、ティタノボアがいましてニャー。逃げ帰ってきましたのニャー」
「ティタノボアにゃっ?」
ティタノボアと聞いて、ミケさんは飛び上がりそうなほど驚いた。
あれを見たら、誰だって恐怖を覚えるもんな。
動揺しながら、ミケさんは続ける。
「と、とにかく、シロブチさんもシロちゃんも、みんな無事で何よりにゃ。それで、ティタノボアはどこにいたのにゃ? 集落を襲ってくることはないにゃ?」
「集落からは離れていましたから、襲ってくる危険はないでしょうニャ」
シロブチの言葉を聞いて、ミケさんはこわばらせていた体から力を抜いた。
「それは、良かったにゃ。みんな、ケガはないかにゃ?」
ミケさんは恐怖が過ぎ去ると、今度はぼく達の体の心配してくれた。
言われて、親猫達は自分の体を確かめる。
「ティタノボアを見ただけで、襲われてはいませんニャー」
「逃げる時に、木の枝や葉っぱにひっかかったくらいですニャ」
「どんな小さなケガでも、お医者さんに
ぼくは親猫達に守ってもらっていたから、特にケガはない。
ただ、ずっと気を張り詰めていたから、気疲れしたくらい。
「大丈夫」と、応えようとした時、
残念ながら、もう電池切れのようだ。
ぼくは眠気に耐えられず、その場で眠ってしまった。
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