第21話 絶対強者
狩りに行きたくても、ひとりでは行けない。
かといって、親猫達が起きるまで待っていられる余裕はない。
とにかく、仔猫のぼくには時間も体力もない。
仔猫の1日の活動時間は、1~4時間。
制限時間を過ぎると、眠くなってしまう。
体力を使い過ぎても、電池切れで眠くなってしまう。
気持ち良さそうに眠っているところを悪いけど、起きてもらうしかない。
親猫達の顔に、何度も猫パンチをくり出した。
仔猫のパンチだから、大したダメージはないと思う。
猫パンチを喰らった親猫達は目を覚まし、大きくあくびをする。
「シロちゃん、どうしたニャー? もう起きたニャー?」
ぼくは「お腹が空いたから、狩りに連れて行って欲しい」と、おねだりする。
「シロちゃんは、腹ぺこさんなのニャ? じゃあ、一緒に狩りに行くニャ」
「ミャ」
ふたりは大きく伸びをした後、ぼくを挟んで、三人で仲良く手を繋いだ。
望み通り、狩りに行けることになって嬉しい。
今日は、どんな野生生物と出会えるかと、ワクワクしていた。
昨日と同じように、森の中を歩いていると、何か大きなものを引きずるような音が聞こえてくる。
「……何かいるニャー。ふたりとも、隠れて待つニャー」
サバトラは小さな声で警告すると、近くに生えていた背の高い木を、素早く登っていった。
シロブチは黙って
ぼく達は静かに、それが姿を
しばらくして、サバトラが「登ってこい」と、サインを送ってきた。
シロブチは、ぼくの首の後ろを
されるまで気付かなかったけど、首の後ろを咥えられると、何故かとても安心した。
猫が首根っこをつままれると大人しくなるのは、リラックスするからか。
大人しく運ばれると、高い木の上に降ろされた。
仔猫目線だからか、木の上は結構高くて、足がすくんだ。
枝にしがみついているぼくに、サバトラが小さな声で教えてくれる。
「あれは、ティタノボアニャー。見つからないようにじっとして、立ち去るのを待つニャー」
ズルリズルリと、地を
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【
今から約6000万年くらい前に生息していたと言われている、史上最大のヘビ。
最大全長12~15m、体重約1135㎏
胴体の最も太い部分の直径は約1m
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