第20話 仔猫の体力
集落へ戻って来ると、急に眠くなってきた。
仔猫の体力は、もう限界のようだ。
どうあがいても、
ダメだ……眠い。
「ミャ~……」
シロブチにしがみついて、抱っこをおねだりする。
シロブチは、くすくす笑いながら抱き上げてくれた。
「あらあら、シロちゃん、もうおねむニャ」
「寝顔も、とっても可愛いニャー」
そんな会話を聞きながら、ぼくの意識は遠のいていった。
目覚めると、昨日と同じように、巣穴で親猫に
ふわふわもふもふの猫毛が気持ちが良くて、とろとろと眠気に誘われる。
いけない! このまま眠気に負けたら、1日が終わるっ!
ハッとして、親猫の間から慌てて
う~む、困った……1日の活動時間が、短すぎる。
生後数ヶ月の仔猫は、体力がない。
ちょっと動いただけで、電池切れになって、眠ってしまう。
木登りや狩りで体を
仔猫だからしょうがないといえば、それまでなんだけど。
さて、どうしたもんか。
集落内に生えている手頃な木で、木登りの練習をするか。
それとも、親猫の狩りについて行って、狩りを学ぶか。
木登りの練習は、もう少し大きくなるまでやめておこう。
今の体力じゃ、
登れたとしても、降りられなくなるかもしれない。
どちらにしても、集落のみんなに、迷惑をかける。
狩りについて行っても、ぼくは弱すぎて、見ていることしか出来ない。
それでも、森にはどんな野生生物がいて、何を狩れて、何が狩れないかを知ることが出来る。
ぼくはまだこの世界の野生生物を、数匹しか知らない。
親猫の動きを見て、
よし! まずは、狩りを学ぶことから始めようっ!
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