第19話 狩れない生物
草むらから、のっそりと姿を現したのは、ワニとイノシシを掛け合わせたかのような見た目の大きな動物だった。
そいつを見た直後、サバトラとシロブチは揃って絶叫を上げた。
「アンドリューサルクスニャーッ!」
ふたりはぼくを抱えて、大急ぎでその場から逃げ出した。
しばらく逃げ続けて、どうにか、さっきの動物を振り切ることが出来たようだ。
周りを見回しても、
「ふ~……逃げ切れたみたいニャー」
「シロちゃん、覚えておくニャ。アンドリューサルクスは、危ないから絶対に近付いちゃダメニャ」
あれは、猫が狩れない野生生物なのか。
ふたりがこれほど恐れるということは、たぶん、こちらが狩られる側。
自分より強い相手と出会ったら、逃げることも大事。
危険な生き物と出会ったら、すぐに逃げる。
それが、生きていく知恵。
きっと、アイツ以外にも、狩れない生物がいるに違いない。
他にも危険生物がいるに違いないから、しっかり覚えておかないと。
アンドリューサルクスから無事に逃げ
途中で、木の実を食べていたガストルニス(毛深いダチョウみたいな飛べない鳥)を見つけて、サバトラが
ガストルニスなら、今朝もサビさんに食べさせてもらった。
無事に
「よし、ガストルニスが
「いただきますニャ」
「ミャ」
ガストルニスを、その場で美味しく食べた。
とれたてだから、肉が柔らかくて食べやすかった。
残った肉は、お土産として集落へお持ち帰りした。
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【
今から3600万年くらい前に生息していたと言われている、史上最大の陸上肉食獣。
推定体長382cm、体重180~450kg
ワニのような大きな口を持ち、恐ろしい力で
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