第17話 迷子の反省
「シロちゃん! やっと見つけたニャッ!」
聞き覚えのある声が聞こえて振り向くと、シロブチが息を切らせて走ってくるのが見えた。
駆け寄ってくると、ぼくを抱き締めた。
「シロちゃん、またイチモツの木に、登ろうとしたニャッ?」
シロブチの態度から、かなり心配を掛けたと分かった。
そりゃ、仔猫が行方不明になったら、めちゃくちゃ心配するか。
シロブチはぼくを抱っこしたまま、ミケさんに謝る。
「またうちの子が、ご迷惑をお掛けして、すみませんニャ」
「いやいや、今日はシロちゃんは木登りしてないにゃ。それに、
「それなら、良かったですニャ。じゃあ、ここで何をニャ?」
「なぁに、ちと、ワシのむかしばなしを聞かせただけにゃ」
「おはなしを聞かせて下さって、ありがとうございましたニャ」
ミケさんが
ミケさんとの話が終わると、シロブチはぼくを叱ってくる。
「シロちゃん! もう、勝手にどっか行っちゃメッ、ニャッ!」
「ミャ~……」
いきなりいなくなったのは悪かったと、反省してます。
大きな木に勝手に登って落ちた、
でも、ずっと寝てるのも
集落の中なら安全だし、大丈夫だと思ったんだよね。
そうは言っても、親から見れば迷子。
これからは、目の届く範囲で行動するので、許して下さい。
しばらくすると、サバトラが駆け寄ってくる。
「シロちゃん、見つかったニャー? 良かったニャー……」
サバトラも、ぼくを探してくれていたようだ。
心配掛けて、ホントすみません。
サバトラが、ぼくの頭を撫で撫でしながら、ニッコリ笑う。
「安心したら、お腹が空いたニャー。シロちゃんも、一緒に狩りに行くかニャー?」
「ミャ!」
ぼくが元気よく返事をすると、シロブチが真剣な顔で言い聞かせてくる。
「じゃあ、みんなで行きましょうニャ。シロちゃん、危ないから絶対離れちゃメッニャ」
「ミャ」
いくらぼくでも、野生生物がウヨウヨいる
小さな仔猫じゃ、こっちが狩られる。
よし、今日はぼくも何か狩れるように、頑張るぞ!
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