第9話 猫の巣穴
お腹がいっぱいになったら、急に
それもそのはず、猫は1日平均12~16時間も寝る。
生後5ヶ月未満の仔猫は、なんと20時間以上も寝ると言われている。
下手したら、食事以外は、1日中寝っぱなしなんてこともあるらしい。
仔猫のぼくが、こんなに起きて活動している方が
眠くてふにゃふにゃしているぼくを見て、シロブチとサバトラが小さく笑う。
「シロちゃん、そろそろ、おねむかニャ?」
「狩りで疲れて、眠いニャー。みんなで、おうちに帰って寝るニャー」
そう言いながら、サバトラがぼくを抱っこしてくれた。
抱っこなんて、いつ振りだろう。
親に抱っこしてもらえるのは、小さな子供のうちだけ。
小学校高学年以上になったら、抱っこしてもらえなくなるのが普通。
久々のぬくもりが
仔猫になった今なら、甘えたい放題だ。
「あらあら、シロちゃんったら、甘えんぼさんニャ」
「まだまだ、赤ちゃんなんだニャー、可愛いニャー」
しばらくすると、地面に
周りを見れば、同じような穴がいくつもある。
どうやらここが、この
野生の猫は、地面に穴を掘り、中に柔らかい
初めて見る猫の巣穴に、軽く感動する。
シロブチとサバトラが巣穴に入り、一緒に丸くなる。
ぼくはふたりにサンドウィッチされる形で、あったかくて気持ちが良い。
「おやすみなさいニャ」
「おやすみニャー」
「ミャ」
ああ、なんて幸せなんだろう。
ふわふわもふもふの猫毛に包まれて、あっという間に、眠ってしまった。
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